豊作、復刻時計 Vol.2
2020.05.18
WATCH

待望の復刻3本。パイロットに愛された傑作ミリタリーウォッチたち

「豊作、復刻時計」とは……

復刻時計でも特に人気の高いジャンルがミリタリーだ。

極限での使用を想定したタフネスと無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインは、まさに機能美そのもの。フライトジャケットや軍パン同様、常に男心くすぐる存在だ。

そんなヴィンテージならではの、時によって磨き抜かれたスタイルに、精度やパワーリザーブ、防水性など現代的なスペックや品質を備えるのも復刻ならではの魅力。

おろし立ての美しい状態もいいけれど、ガシガシと使い込んで刻まれた小傷も似合う。その姿にどんどん愛着が増すのである。

 

HAMILTON ハミルトン
カーキ パイロット パイオニア メカ

SSケース、手巻き、33mm径、9万6000円/ハミルトン(スウォッチ グループ ジャパン 03-6254-7371)

ハミルトンは、1965年から約10年以上にわたり4万本以上の時計を英国軍に納入していた。なかでも’73年から’76年に英国王立空軍に支給された「W10」は、時計通の間でも高い人気を誇る。これを復刻したのが写真のモデルだ。

イギリスの官有物であることを示すブロードアローマークこそ付かないが、滑らかなオーバル状のケースにNATOストラップを備え、当時のスタイルを再現する。

特筆すべきは33mm径という今では小振りに感じるサイズと、あえて手巻き式ムーブメントを搭載していることだ。これによって見た目だけでなく、中味や雰囲気までも忠実に甦らせた。

しかも手巻きとはいえパワーリザーブは80時間を備え、日常の使い勝手にも十分応える。現代の最新技術を備えてこそ復刻する意味があり、その点でも価値ある一本だ。

さりげないサイズ感とスタイリッシュなデザインは、ミリタリーテイストも控えめで、カジュアルからオンタイムにもいいだろう。

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LONGINES ロンジン
ヘリテージ ミリタリー 

ミリタリーのスタイルはある意味で定型である。瞬時で時間を読み取り、暗所での視認性にも優れるフェイスデザインと、濡れた指先やグローブを着けていても確実に操作できるリュウズなど、時には命を預ける大事な道具に過飾はいらない。

SSケース、自動巻き、38.5mm径、25万3000円/ロンジン 03-6254-7351

そんな出自がこのモデルからはわかりやすく伝わってくる。ロンジンは自社アーカイブを再現するヘリテージコレクションにおいて、これまでも年代別のミリタリーウォッチを復刻。

写真は1940年代にイギリス空軍に納入されたモデルを忠実に復刻している。クリーム色の文字盤の細かな黒いドットは、経年変化を模して手作業で行われており、一本一本すべて異なるドットが描かれている。

さらに風防もオリジナルのボックス型に近づけている。また、ミリタリーグリーンのレザーストラップと同色のNATOストラップも付属し、簡単に交換できるキットが添えられているのも、現代らしいうれしい気遣いだ。 

 

ORIS オリス
ビッグクラウン ポインターデイト 80thアニバーサリーエディション

ブロンズケース、自動巻き、40mm径、22万円/オリス(オリス ジャパン 03-6260-6876)

1938年にオリスが発表した時計が「ビッグクラウン」だ。

翌年に始まる第二次世界大戦をかつての大戦と大きく変えたのは、軍用機の進化と言っていいだろう。そうしたなかでミリタリーウォッチにも新たな機能が求められていたのはいうまでもない。

寒冷地域の長距離航行ではコックピット内は凍え、パイロットは手袋を着用したまま、時計を調整しなければならなかった。

そこでオリスは巨大なリュウズを装備し、ビッグクラウン(=リュウズ)と名づけたのだ。さらに文字盤の外周にはポインターデイトを備え、クラシカルなコインエッジを刻んだケースはブロンズを採用し、経年変化によってそれぞれ異なる風合いを醸し出す。

40mm径ブロンズケースでは初の鮮やかなグリーン文字盤はトレンドカラーであるとともに、エイジングしたブロンズとのシックなスタイルも抜群なはず。時間が経つのが待ち遠しくなる一本だ。

 

「豊作、復刻時計」とは……
2020年は、さまざまなブランドから復刻時計が大豊作。我々が生まれる前に作られたヘリテージモデルから、懐かしい’90年代のあのモデルまで、見た目も気分も昔に巻き戻してくれそうな良質復刻時計を紹介。上に戻る

柴田 充=文

# ハミルトン# ロンジン# ミリタリー# 復刻# 腕時計
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