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LONGINES ロンジン
ヘリテージ ミリタリー 

ミリタリーのスタイルはある意味で定型である。瞬時で時間を読み取り、暗所での視認性にも優れるフェイスデザインと、濡れた指先やグローブを着けていても確実に操作できるリュウズなど、時には命を預ける大事な道具に過飾はいらない。
SSケース、自動巻き、38.5mm径、25万3000円/ロンジン 03-6254-7351
そんな出自がこのモデルからはわかりやすく伝わってくる。ロンジンは自社アーカイブを再現するヘリテージコレクションにおいて、これまでも年代別のミリタリーウォッチを復刻。
写真は1940年代にイギリス空軍に納入されたモデルを忠実に復刻している。クリーム色の文字盤の細かな黒いドットは、経年変化を模して手作業で行われており、一本一本すべて異なるドットが描かれている。
さらに風防もオリジナルのボックス型に近づけている。また、ミリタリーグリーンのレザーストラップと同色のNATOストラップも付属し、簡単に交換できるキットが添えられているのも、現代らしいうれしい気遣いだ。 
 

ORIS オリス
ビッグクラウン ポインターデイト 80thアニバーサリーエディション

ブロンズケース、自動巻き、40mm径、22万円/オリス(オリス ジャパン 03-6260-6876)
1938年にオリスが発表した時計が「ビッグクラウン」だ。
翌年に始まる第二次世界大戦をかつての大戦と大きく変えたのは、軍用機の進化と言っていいだろう。そうしたなかでミリタリーウォッチにも新たな機能が求められていたのはいうまでもない。

寒冷地域の長距離航行ではコックピット内は凍え、パイロットは手袋を着用したまま、時計を調整しなければならなかった。
そこでオリスは巨大なリュウズを装備し、ビッグクラウン(=リュウズ)と名づけたのだ。さらに文字盤の外周にはポインターデイトを備え、クラシカルなコインエッジを刻んだケースはブロンズを採用し、経年変化によってそれぞれ異なる風合いを醸し出す。

40mm径ブロンズケースでは初の鮮やかなグリーン文字盤はトレンドカラーであるとともに、エイジングしたブロンズとのシックなスタイルも抜群なはず。時間が経つのが待ち遠しくなる一本だ。
 
「豊作、復刻時計」とは……
2020年は、さまざまなブランドから復刻時計が大豊作。我々が生まれる前に作られたヘリテージモデルから、懐かしい’90年代のあのモデルまで、見た目も気分も昔に巻き戻してくれそうな良質復刻時計を紹介。上に戻る
柴田 充=文


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