オンライン買い物天国 Vol.5
2020.05.13
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ロレックスの稀少ヴィンテージはオンラインでも納得購入できるのか?【前編】

「オンライン買い物天国」とは……

通信環境の進化やツールの増加に伴って、いろんな物がオンラインで売買できるようになった。

腕時計もそのひとつで、その取引は今や世界中で盛んになっている。ただし、そこにはさまざまな危険が潜んでいることも、忘れちゃいけない。

そのリスクヘッジとして、販売実績のある専門店を選ぶのもひとつの正解だろう。

例えば、石川県加賀市に実店舗を持つ「エンツォショップ」。店主の中井一成さんはヴィンテージのロレックスに精通した人物で、彼が見つけてくる個体の質や品揃えの良さはピカイチと、さまざまな業界の好事家から厚い支持を得る。

中井一成●2007年、石川県加賀市に「エンツォ ショップ」をオープン。ヴィンテージのライカやロレックスを中心にした独自のセレクトに定評がある。
中井一成●1968年生まれ、石川県出身。2007年、石川県加賀市に「エンツォ ショップ」をオープン。ヴィンテージのライカやロレックスを中心にした独自のセレクトに定評がある。

その「エンツォショップ」が先日、ビデオ通話による接客「リモート・ネゴ」を開始したという。え? リモートでヴィンテージ時計を売買? どんなサービスなのか気になったので、早速試してみた。

商談したのは1968年製、ロレックスのGMTマスターである。

商談したのは1968年製、ロレックスのGMTマスターである。
狙いを定めたのはロレックスのGMTマスター(255万円)。1968年製で品番はRef.1675。ROLEXの“E”の中央の横棒が長い、通称「ロングE」。ホームページで見る限りミントコンディションの掘り出し物。な気がする。
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まずは見逃せない文字盤のチェックポイントとは?

――もしもし、こんにちは。

中井 こんにちは。どの時計をご覧になりますか?

通話はFaceTimeを使用。その他ツールにも対応はしてもらえる。

――ホームページに出ている「GMTマスター」が見たいんですが。

中井 はい。1968年製のRef.1675ですよね?どうぞ。

――そうです!スペックはホームページで確認したのですが、もう少し細かく状態を知りたくて。

中井 かしこまりました。ヴィンテージウォッチは文字盤が命ですから、そこから話していきますね。まずインデックスの夜光塗料ですが、当時のトリチウムがしっかり残っています。

塗り直していたり、人の手が入ると評価がガクンと落ちますが、これは申し分ないでしょう。

――1968年製ってことは、稀少な“ミラーダイヤル”になるでしょうか?

中井 いや、“マットダイヤル”と呼ばれている文字盤の初期です。針もいじられていないと思いますが、多少痛みがありますね。

――Ref.1675の“ロングE”は、なぜ価値が高いんでしょう?

中井 この文字盤は、1960年代後半から数年間だけ製造されていたのですが、付加価値が生まれている理由は稀少性だけではありません。

1980年代まで製造されていたRef.1675の文字盤は後年になると交換用とほぼ見た目の違いがなくて、経験豊富なプロでも見極めるのが難しい。

その点、“ロングE”の場合、王冠マークの下にプリントされたROLEXの『E』の形状に特徴がある(Eの横棒の中央が長い)ので、ケースのシリアルナンバーと照らし合わせると、パーツの整合性を簡単に確認することができます。

――なるほど……では、この個体のパーツはすべてオリジナル?

中井 意外と見落としやすい“日付のカレンダー”もオリジナルですね。背景の色がシルバーであることがその証しです。わかりますか?(とクルクルと時計を回してくれる)。

角度を変えて丁寧に見せてくれる。画質も良く安心感は高い。

実はココ、交換されていることが多いんですよね。

――ケースの状態はどうですか? ホームページで見る限りかなりキレイですが、未研磨?

中井 あ、ネットなどでよく“未研磨”と書かれているのを見かけますが、デッドストックでもない限り疑ったほうがいいですよ(笑)。

研磨をやり過ぎると、ケースが丸みを帯びて本来のフォルムからかけ離れてしまうので、その分だけ評価がマイナスになります。

――この個体の場合はどうなんですか?

中井 多少磨かれています。なので、ラグの面取りの部分が少しぼやけています。ただ、この年代の時計にしては状態は悪くないほうですよ。

こちらはホームページに掲載されている写真。

こちらについては、ホームページで掲載している写真を見てもらったほうが判断しやすいかと思いますが……

実際に該当箇所を見せてくれる。

こんな感じで、若干。ラグの部分、見えますか?

――はい、ありがとうございます!

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参考モデルも出しながらベゼルの話も丁寧に

――時計本体については特に問題なさそうですね。ベゼルインサートはどうですか?

中井 パーツの整合性についてはおそらく問題ないかと……。コンディションも上々だと思いますよ。年式が合うものは“8の字”に特徴があります。これもホームページの写真で見たほうがわかりやすいかも。上下の楕円が横長になっているのですが、年式が新しくなるに連れて形が整ってシャープな印象になっていきます。

新しくなると「8」の文字が、だんだん細く、シャープになっていく。

――褪色もしていなくて、かなりいいですよね。

中井 はい。仮にこの時計にもっと書体が細い、交換用のベゼルインサートが付いていたとしたら、見た目のバランスがだいぶ悪くなりますね。個体の評価にも響くので、価格が数十万円は落ちると思います。イメージが近いので、以前販売したRef.16710の写真を送りますね。

中井さんが送ってくれた、Ref.1675の後続機にあたるRef.16710の写真。ベゼルインサートの書体がひと回り細くなっているのがわかる。

――確かにだいぶ印象が変わりますね。例えば、もっとロープライスな個体を手に入れて、追々、ベゼルインサートだけ探すこともできるんですか?

中井 もちろんできますが、ベゼルインサートは年々探すのが難しくなっているのが現状です。それだけでもいい値段しますし、先々のことまで考えると慎重に選ぶべきでしょうね。

――ベゼルインサートはほかの色も気になるし、本当に悩ましい。何個も買えればいいんですけど、下手すると時計1本分くらいするから……。

中井 そうですよね(笑)。その観点からすると、ブレスレットも同じかもしれません。

――そこ! ホームページで見たときから気になってました!

ということで次回は、ブレスレットについて根掘り葉掘り。そして、このリモート商談は成立するのか? 乞うご期待!

エンツォ ショップ

エンツォ ショップ
住所:石川県加賀市作見町ヨ17-1 3F

電話番号:0761-75-7757
営業:12:00〜19:00 火曜定休
www.enzo-shop.com

「オンライン買い物天国」とは……
外出せずとも自宅でポチッと買い物。こんなときに? いや、こんなときだからこそ。オーシャンズな男たちがこの1カ月にネットで買った物と、最新のeコマ事情。
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戸叶庸之=編集・文

# ロレックス# エンツォ ショップ# オンライン# 腕時計# 買い物
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