コスパ良しな「コレ買っ時計」 Vol.6
2020.04.10
WATCH

コスパな腕時計の宝庫、バウハウス系譜。美術館所蔵品もあるんだから

コスパ良しな「コレ買っ時計」とは?

デザイン好きなら、一度は聞いたことがある「バウハウス」。なんとなく知っているという人も多いだろうが、正確には、1919年にドイツで設立された美術学校のことで、現在ではその流れを汲むデザインを指している。

このバウハウス、何が世界から評価を集めているのか? 産業革命やモダニズムの台頭など、紐解けばさまざまなキーワードがあるが、いちばんの鍵は「合理性」。つまりは、伝統や様式からなるデザインではなく、機能に基づいた理由のあるデザインだ。

今回は、そんな合理性を突き詰めた時計をご紹介。

 

1:巨匠の哲学を宿す歴史的名作
「ブラウン」AW10

SSケース、クォーツ、33.5mm径、3万5000円/ブラウン https://br-time.jp

「より少なく、しかしより良く」。今作を手掛けたインダストリアルデザインの巨匠、ディーター・ラムスの言葉がすべてを物語っている。1955年に23歳の若さでブラウンのデザインチームに抜擢されると、無駄を省いたミニマルデザインで多くの傑作を生み出す。当然彼は、バウハウスの理念を受け継いでいる。

AW10は、1989年に発表されたブラウン初のアナログウォッチ。モノクロで構成された視認性の高いダイヤルに、ブランドの代名詞でもあるイエローカラーの秒針を置く。

オリジナルはリリースから廃盤になるまで15年以上一度もデザインが変わっておらず、今回の復刻版もまた、完全に当時のデザインのままを再現している。つまりはそういうことなのだ。

 

2:バウハウス創始者の意思を継ぐ
「ドゥッファ」DF-9032-01

「DF-9032-01」SSケース、クォーツ、38mm径、3万2000円/ドゥッファ https://deutsche-uhrenfabrik.jp

こちらもドイツブランド、ドゥッファを代表する人気モデルで、シンプルで無駄のない顔立ちと秘められた職人気質にバウハウスの伝統を感じる一本。

ホワイトダイヤルにブルーのインデックス&針が印象的なラウンド型で、バウハウスの創始者であるヴァルター・グロピウスの精神が込められて名付けられた時計「グロピウス」の正統進化版だ。

サブダイヤルにムーンフェイズ(ドゥッファではモンドフェイズという)を搭載する。

NEXT PAGE /

3:腕時計史上初の快挙を達成
「モバード」ミュージアム クラシック

SSケース、クォーツ、40mm径、9万5000円/モバード (栄光時計 03-3837-0783)

ワントーンのダイヤル上にあるのは、2つの針と12時位置のドットだけ。秒針はおろか、インデックスまで省いたソリッドな盤面で、シャープな針の力強さと、正午の太陽を模したドットの柔らかな表情が好対照を描く。

1947年に端を発する今作は“ミュージアム”というモデル名のとおり、その文字盤が腕時計史上初めてニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久所蔵品に選出。バウハウスに影響された芸術家ネイサン・ジョージ・ホーウィットが生んだ、まさにアートな1本なのだ。

 

4:実物を見て驚く仕様
「マックスビル バイ ユンハンス」クオーツ シリーズ

SSケース、クォーツ、38mm径、8万9000円/ユンハンス www.europassion.co.jp/junghans

実際にバウハウスでデザインを学んだ、“バウハウス最後の巨匠”と呼ばれるプロダクトデザイナー、マックス・ビルのコレクション。

彼の手によって1961年に生み出された機械式時計の名作を、クォーツ式で復活させたシリーズだ。シンプルな長短のインデックスもさることながら、なにより特徴的なのは先端が曲がった分・秒針。ドーム型の風防に沿ってカーブし、美しさと視認性を向上させている。

150年以上変わらない“メイド・イン・ジャーマニー”に理念を滲ませるユンハンス。その代表作と言える1本。

NEXT PAGE /

5:バウハウス的、スポーツの解釈
「ドゥゲナ」マンハッタン

SSケース、クォーツ、40mm径、2万9800円/ドゥゲナ(南雲時計宝飾店 https://nagumo-watch.com

スイスのウォッチメーカー、アルピナのドイツ工場をルーツに持ち、1917年に独立。中世の面影を色濃く残すマイゼンハイムの街で、かの地のマイスター魂を今に伝えるドゥゲナ。

同時に、バウハウスのデザインにも影響を受け、「デザインは機能に従う」という理念を継承する。

上下左右の4つの数字のみを赤で記し、そこにちょうど重なる時針。5分刻みでバーの長さを変えたインデックス。そんな実に合理的なデザインのダイヤルに、ドットの通気口がスポーティなレザーベルトを装着したミニマルながら機能的な一本だ。

 

バウハウスの精神を今に伝える5つの時計まとめてみたが、その魅力はおわかりいただけたであろうか。

結果、手に取ってみるときは、パッと見はシンプルで物足りなく感じるかもしれない。しかし身に着けるうちに、その便利さや飽きのこない感覚が魅力だと気づくはずだ。

コスパ良しな「コレ買っ時計」とは?
複雑機構ならいいワケじゃない。有名ブランドならいいワケでもない。カジュアルに付き合えて大きなリターンがあるのが理想。見た目もコスパもいい「コレ買っ時計」を、さまざまな切り口で選抜。上に戻る

増山直樹=文

# カジュアルウォッチ# バウハウス# 腕時計
更に読み込む