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2020.01.03

時計

独創的な魅力が満載。映画『ジョーカー』みたいな5つの時計

映画『ジョーカー』が人気を博した。管理された現代社会では狂気が共感を呼ぶのか。見方を変えれば、そもそも狂気とは常識に縛られず自由な精神に、創造力を解放することだ。時計にもそんなジョーカーは潜んでいる。一度虜になればその魅力から逃れることはできない。

CARTIER
カルティエ/ロトンド ドゥ カルティエ

CARTIER カルティエ/ロトンド ドゥ カルティエ
世界限定50本。K18PGケース、43.5mm径、手巻き。1716万円/カルティエ 0120-301-757 Vincent Wulveryck © Cartier
ミステリークロックの伝統を美しきコンプリに融合
オーセンティックなラウンドケースとクラシカルなインデックスデザインとは対照的に、スケルトンになった文字盤中央にムーブメントが宙に美しく浮かび上がる。ブランドの誇るミステリークロックの伝統を受け継ぐフェイスに組み合わせたのが、アストロトゥールビヨンだ。
ムーブメント自体が1分間で1回転するカルーセル機構を備え、重力の影響から時計の精度を守る。まさにミステリアスな針とムーブメントの斬新な動きは、美の感性と精緻なマニュファクチュールの技術を見事に一体化した時計だといえよう。
 

HARRY WINSTON
ハリー・ウィンストン/イストワール・ドゥ・トゥールビヨン 10

HARRY WINSTON ハリー・ウィンストン/イストワール・ドゥ・トゥールビヨン 10
世界限定10本。K18ローズゴールドケース、縦39.1×横53.3mm、手巻き。8825万円/ハリー・ウィンストン 0120-346-376
4つのトゥールビヨンが生む精緻なダイナミズム
トゥールビヨンの可能性を追求し、独創的なモデルを開発してきたハリー・ウィンストンの挑戦的シリーズは、10周年を迎え、シリーズ史上初の4つのトゥールビヨンを搭載した。
まるでドローンのように4隅にトゥールビヨンのキャリッジをレイアウトし、左右の上下それぞれにディファレンシャルギアを設け、それを連結する中央にも同様に備えることで、その差異を平均化し、より高い精度を生み出す。4つのトゥールビヨンが動く様子は精緻とダイナミックを両立し、現代のラグジュアリーを感じさせる。
 

BREGUET
ブレゲ/トラディション インディペンデント クロノグラフ 7077

BREGUET ブレゲ/トラディション インディペンデント クロノグラフ 7077
K18WGケース、44mm径、手巻き。863万円/ブレゲ ブティック銀座 03-6254-7211
シンメトリーにこだわった先進クロノグラフ
初代ブレゲが考案した懐中時計に着想を得たアイコンモデルに、通常の計時とクロノグラフの積算を司る輪列を完全に独立し、左右に並列積載する。特にクロノグラフを動かす動力には、針をリセットした際のプッシュで発生したパワーを蓄えて利用。これによりクロノグラフの歩度を安定させる。左右の20分積算針とパワーリザーブ表示に加え、クロノグラフと時分表示用のテンプは異なる振動数でも同径にし、左右対称のデザインを守る。
 

VACHERON CONSTANTIN
ヴァシュロン・コンスタンタン/レ・キャビノティエ・
グランド・コンプリケーション“フェニックス”

VACHERON CONSTANTIN ヴァシュロン・コンスタンタン/レ・キャビノティエ・ グランド・コンプリケーション“フェニックス”
K18PGケース、47mm径、手巻き。価格要問い合わせ/ヴァシュロン・コンスタンタン 0120-63-1755
キャビノティエの伝統は、美とともに不死鳥のように甦る
遡ること18世紀、キャビノティエと呼ばれた時計師は、時計の技術だけでなく、天文学や科学、芸術にも秀で、その総合的な才覚を時計作りに注いだという。そうした伝統を受け継ぐ「フェニックス」は、ミニッツリピーター、トゥールビヨン、パーペチュアルカレンダー、均時差など15種類の複雑機能を時計の表裏を使うダブルフェイス仕様によって美しく収納表示する。さらにケースには、伝説の不死鳥を精細にエングレイビングし、美観も極める。類いまれな技術は、美しさとともに現代に甦るのだ。
 

HYSEK
ハイゼック/IO4726R01

HYSEK ハイゼック/IO4726R01
K18ローズゴールドケース、47mm径、手巻き。2800万円/ミスズ 03-3247-5585
機械式の醍醐味を堪能できる複雑系スケルトンデザイン
名だたる名作時計のデザインを手掛けたヨルグ・イゼックが1977年に創業し、現在はその名と革新性を受け継ぐ。スケルトンダイヤルからは下方に搭載した2つのトゥールビヨンのダイナミックな動きに加え、1時位置の香箱からは主ゼンマイの伸縮まで鑑賞することができる。さらに輪列の姿も露わになっているなど、メカ好きにはたらまない1本だ。
 
※本文中における素材の略称は以下のとおり。K18=18金、PG=ピンクゴールド、WG=ホワイトゴールド
柴田 充、髙村将司、増山直樹、渋谷康人=文


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