業界騒然! それは当然! 初の素材使いに名門挑戦! とテンションも高まるが、それもそのはず、時計界でも最高峰メーカーのひとつ、A.ランゲ&ゾーネが、ステンレススチールを纏ったスポーティウォッチ「オデュッセウス」をローンチさせた。
興奮を呼ぶ理由は、これまで同社がスタンダードモデルとしてはゴールドもしくはプラチナしかケース素材に採用してこなかったため。誤解を恐れずに言えば、ドレスウォッチメーカーによる、初のスポーティウォッチということ。英国サヴィル=ロウの名門がデニムを作った。そんな衝撃感で捉えてみてほしい。
ジャーナリストのリアクションは、概ね歓迎ムードで、その理由が以下につながる。SO、大人垂涎! これは必見! 中身の機械に名門献身! と再び盛り上がりたくなるのが、ムーブメントだ。新シリーズには新開発のそれが搭載されるのが、同社の習わし。それに従って「Cal.L155.1 DATOMATIC」を搭載する。
同社のアイコンである、1桁ずつ切り替わる「アウトサイズデイト」の日付表示を3時位置に、対する9時位置には曜日表示をレイアウト。これがシンメトリックなグッドルッキングに。同時に、機械式デジタル表示の名作「ツァイトヴェルク」を彷彿させるという、ウィットに富む点もファンを痺れさせている。
さらに「スポーティ」と呼ぶに相応しい12気圧防水(120m)。数あるなかでも、完全無欠!と呼びたくなるスポーティウォッチ。ブルー文字盤は、オーシャンズ読者的にも満足必至じゃないだろうか。写真のように、リュックのストラップに付けて普段使いできたら、最高に格好いいシロモノ。でも、価格を考えると丁重に扱っちゃうよね!
清水健吾=写真 来田拓也=スタイリング 髙村将司=文