Watchの群像劇 Vol.2
2019.11.29
WATCH

王道の「金の3針ドレスウォッチ」。大人に勧めたい選択肢

Watchの群像劇●ひと口に腕時計といっても十本十色の顔がある。それは歴史や外観、機構など多くの構成要素が複雑に絡み合うことで1本の腕時計が作られるからだ。本連載では腕時計が持っているさまざまな魅力を3つの視点からスポットライトを当てて紹介する。
今月の主役は「金の3針ドレスウォッチ」。時刻を伝える道具としての基本を遵守しつつ、不変の価値を持つ金に身を包む王道の時計だ。ここには登場する時計が繰り広げる群像劇がある。

大人のファッションとの相性の良さは明白となった「金の3針ドレスウォッチ」だが、ケースや文字盤のデザイン、素材使い、ディテールワーク……。一見同じようでいて、それぞれがまったく異なる。素晴らしい腕時計には、唯一無二の存在感が宿っている。強い意志を持つかのように語りかけてくる、6本を厳選した。

 

A.LANGE & SÖHNE
A.ランゲ&ゾーネ/サクソニア

A.LANGE & SÖHNE A.ランゲ&ゾーネ/サクソニア
K18PGケース、35mm径、手巻き。174万円/A.ランゲ&ゾーネ 03-4461-8080

ブランドの理念と美学を凝縮させたアイコンモデル
ドイツの東西統一から、新たなスタートを切ったA.ランゲ&ゾーネ。1994年に発表された復興第1弾コレクションのひとつに、「サクソニア」を連ねたのは当然の帰結だったのだろう。その名は1845年、創業者F.A.ランゲが理想の時計作りを目指し、設立した工房の地ザクセンに由来するからだ。

2015年発表の本作は、前作よりも小ぶりな35mmケースを採用し、これに合わせてインデックスの長さなども微妙に調整。美しきデザインを凝縮させた。

 

VACHERON CONSTANTIN
ヴァシュロン・コンスタンタン/パトリモニー・オートマティック

VACHERON CONSTANTIN ヴァシュロン・コンスタンタン/パトリモニー・オートマティック
K18PGケース、40mm径、自動巻き。268万円/ヴァシュロン・コンスタンタン 0120-63-1755

1950年代のミニマリズムを継承するオーセンティックなスタイル
260年以上にわたって一度も絶やすことのない時計作りの伝統から、ジュネーブ最古のマニュファクチュールと称えられる。金の3針ドレスウォッチこそ、その象徴といえるだろう。

完璧なラウンドシェイプと無駄のない美しさは1950年代に誕生。ベゼル幅を薄く抑え、文字盤の4カ所に設置された楔形インデックスや適切な長さに整えられた針が高い視認性を誇る。当時のミニマリズムと機能美が融合したブランドの美意識を堪能したい。

NEXT PAGE /

GRAND SEIKO
グランドセイコー/ SBGY002

GRAND SEIKO グランドセイコー/ SBGY002
K18YGケース、38.5mm径、スプリングドライブ。280万円/グランドセイコー 0120-302-617

雪原を進む針に和の美学と技術を込めて
セイコーの独自機構スプリングドライブが、今年誕生20周年を迎えた。これを記念し本作では、新たな手巻き式スプリングドライブ9R31を搭載。ゼンマイをひとつの香箱にふたつ収めることで、省スペース化を図るとともに、エネルギーロスも防ぎ、約72時間のロングパワーリザーブを実現させている。「雪白」と呼ばれる雪をイメージした文字盤と、その上を流れるスプリングドライブならではの滑らかな秒針の動きも、本作ならではの見所。

 

OMEGA
オメガ/デ・ヴィル トレゾア

OMEGA オメガ/デ・ヴィル トレゾア
K18YGケース、40mm径、手巻き。161万円/オメガ 03-5952-4400

絶えず進化を続けるエレガントな3針ドレス時計
スリムなシンプル系ドレスウォッチを代表する「トレゾア」コレクションは、今年で誕生70周年を迎え、これを機に続々と新モデルが登場。基本を崩さぬクラシックスタイルに内蔵するのは、マスター クロノマスターを取得した最新鋭の手巻き式ムーブメントだ。これは72時間の連続駆動に、高精度と1万5000ガウスの高耐磁性を誇る。グランフーエナメル文字盤にロゴなどはプチフーで描き、あえてカレンダー機能を省くことで、その美しさを強調する。

NEXT PAGE /

PIAGET
ピアジェ/アルティプラノ

PIAGET ピアジェ/アルティプラノ
K18PGケース、40mm径、自動巻き。254万円/ピアジェ 0120-73-1874

厚さ6.39mmのケースに込められた極薄への矜持
自社製極薄キャリバーの歴史は1957年から始まり、その技術はさらに磨きをかける。搭載する1205Pは2013年に発表され、世界最薄の日付付き自動巻きムーブメントの記録を樹立した。アルティプラノ初の日付表示を9時位置に設け、オフセンターに配したスモールセコンドとも絶妙なバランスを生む。その独自のデザインは、マイクロローターを搭載した極薄ムーブメントのレイアウトによるもの。美しい美観は精緻な技術と表裏一体となるのだ。

 

AUDEMARS PIGUET
オーデマ ピゲ/CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ・オートマティック

AUDEMARS PIGUET オーデマ ピゲ/CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ・オートマティック
K18PGケース、41mm径、自動巻き。280万円/オーデマ ピゲ ジャパン 03-6830-0000

細部にわたってブランドの先進性を盛り込む
モデル名にある「CODE」には、チャレンジ、継承、追求心、進化の意味が込められ、ブランドの哲学を具現化する。ラウンドケースに八角形のミドルケースを組み合わせ、ベゼルとつないだラグはオープンワークを施すとともに、その下部にはわずかなスリットを入れ、緻密な職人技をアピールする。さらにサファイアクリスタルにはダブルカーブを採用し、縦方向に曲線を描くことで角度によって独特の光彩が楽しめるのだ。

 

※本文中における素材の略称:K18=18金、PG=ピンクゴールド、YG=イエローゴールド

柴田 充=文

# A.ランゲ&ゾーネ# ヴァシュロン・コンスタンタン# オーデマ ピゲ# オメガ# グランドセイコー# Watchの群像劇# ゴールド# 腕時計
更に読み込む