去る1月にスイス・ジュネーブで開催された「SIHH2019」「WPHH」を中心とする腕時計の祭典。本誌取材班は今年も海を越えてかの地へ。そこで見た感動と世界の目利きたちが唸った傑作を厳選してお届けする。
ジュネーブを拠点にする孤高の時計師F.P.ジュルヌが、かつて自身が手掛けた複雑時計の誕生20周年モデルを製作。精度追求の歴史に新たな1ページを加えた。
精度追求の求道者が製作した衝撃の垂直トゥールビヨン
ケースに対して直角に設置されたトゥールビヨンがひと際目を引く。その装置が1周30秒で自転することで重力負荷をキャンセルし、高精度を維持する仕組みだ。
歯車を支えるゴールド製の受け板を文字盤の代わりとし、クル・ド・パリ装飾を施すことで息をのむような美観も獲得。1秒ずつ運針する6時位置のスモールセコンドと3時位置の主ダイヤルは、ブランド初となるエナメル製。
※本文中における素材の略称:K18=18金
柴田 充、水藤大輔=文