2021.05.01
LEISURE

「そうだ、ホノルルマラソンに挑戦しよう」と始めたランニングが生活に与えた好循環

ジェームス&コー
「Running Up-Date」とは……

鎌倉という街には、自分なりのワークライフバランスを実践している人が多いように思う。

郷里の新潟にて「ジェームス+ライフ」を、そして現在の拠点である鎌倉で「ジェームス&コー」の代表を務める塩谷雅芳さんもそんなひとり。

どちらもアパレルを中心としたショップだけれど、並んでいるのはシーズンをまたいで継続展開される定番のオリジナルアイテムばかり。

いたずらにトレンドを追うことはせず、メンズ・レディスの性差もあまり意識させず、例えるならお父さんも息子も着られるような服。

そんなところが鎌倉っぽいし、なんだかランナーっぽくもある。

「そうだ、ホノルルマラソンに挑戦しよう」

そもそも代表の塩谷さんがランニング歴の長い大先輩ランナーだ。走り始めたのは、なんと2003年からとのこと。

ジェームス&コー
鎌倉のショップではレンタルサイクルのサービスも行っている。

「長らく草サッカーをやってまして、20代の前半から、基礎体力を作るためにしばしば走っていました。

ある日、ふとしたことから会社の仲間と『ホノルルマラソンに挑戦しよう!』と盛り上がりまして、それが2003年のことでした。

本格的に走り始めたのはホノルルマラソンがきっかけなんです」。

世の中が東京マラソンに端を発するランニングブームに沸く前のことであり、年齢を感じさせない引き締まったスタイルは、長年の運動習慣のタマモノなのだ。

「ホノルルマラソン、楽しかったですね。開放的な雰囲気の中、多くのランナーとともに走るのは格別のバケーションになりました。それ以来、ホノルルマラソンへの社員旅行が恒例行事になったほどです」。

イベントに参加したり、予定を合わせたりして仲間と走るのも楽しいが、ひとりで無心で走るのもまた楽しい。

「頭を空っぽにして、左右の足を順序よくリズミカルに踏み出していく動作は、シンプルに気持ちがいいものですよね。

発汗することで爽快感が得られ、心身ともにリフレッシュできます。走りながら頭の中が整理されていくので、仕事のことを考えるのにもちょうどいいですし。

ジェームス&コー

それから出張先の街を走るのも好きです。朝早くその街を走ると、日中では目に入ってこなかった風景が見えてきます。

まるでその街の住人になったような気分になれる。だからホノルルに限らず、気持ち良さそうなコースレイアウトの大会を選んで、観光がてら参加するのがまたいいんですよ。

大会に出ることを旅の目的にして、家族と一緒にキャンプや温泉旅行に行くんです」。

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ランニングがきっかけで本業の志向にも変化が

ホノルルマラソンはもうひとつ、塩谷さんにとって大きなアップデートをもたらした。サーフィンとの出合いだ。

「ワイキキビーチは波が優しく安定していることが多いので、初心者がサーフィンを始めるのに最適なんですよね。それからサーフィンにも没頭することになりました」。

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ジェームスでは、形や仕様の変わらないパンツ数型だけを作り続ける「スタジオオリベ」というブランドを展開している。

このスタジオオリベ、以前は一般的なアパレルブランドと同じでシーズン毎にトータルコレクションを企画、刷新していくスタイルだった。

でもしばらく前にそのサイクルからは降りて、流行や都会のスピード感とは違う独自の服作りに邁進している。それに合わせて事務所兼直営ショップの場所も都心部から鎌倉へと移した。

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「今回、取材を受けて改めて自覚しましたけれど、ランニングを始めたことが今のジェームスのスタイルのベースに繋がっているのかもしれませんね」。

コロナの影響で閉店することにはなったけれども、一時期はハワイにも店舗を構えていた。こういったシフトチェンジはランニングとの出合いから始まったのだ。

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スタッフと仕事以外の時間を共有する楽しみ

現在の走る頻度はおおよそ週1回。朝7時くらいから、10kmほど走る。ランニングの最後にはウインドスプリントを数本入れ、スピードの維持にも気を留めている。

「走らない日もフィジカルトレーニングや自転車、オープンウォータースイミングと、毎日何かしら体を動かして汗をかきます。

毎朝発汗することで、前日のアルコールや無駄な毒素を出しきってスッキリさせる感覚ですよね。

エンデュランスの種目を変えることで、惰性やマンネリにならないようにしています」。

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「ウチのお店では、入社すると福利厚生の一環で半ば強引に自転車をプレゼントしたりするんですよ。

休みの日には仲間や職場のスタッフと一緒にロングライドをしたり、あるいはトレイルランをしたり。昨年末は中止となってしまったホノルルマラソンの代わりに、社員みんなで伊豆まで自転車で行きました。

最近ではやはり中止になってしまった湘南国際マラソンの代わりにみんなで30kmのランをしました。会社のスタッフと、仕事以外の時間を共有することで得られる一体感がまたいいんです」。

最近のフルマラソンはいつも4時間半くらいで、後半に足がつって歩いてしまうことも増えたという塩谷さん。

タイムの目標はなくなってきたけれど、走ること自体がシンプルに楽しいから、今後もまだまだ続けていきたいという。

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ランニングをきっかけにライフスタイルが変化していく。直接的なのか間接的なのかはわからないけれど、本業のファッションにも影響を与え、モノ作りのスタンスもより本質的な方へ向かっていく。

そんな塩谷さんだからこそ、ギア&ウェア選びもいい感じに洗練されているのだ。

そのあたりの話は後編で聞いてみよう。

RUNNER’S FILE 34
氏名:塩谷雅芳 
年齢:57歳(1963年生まれ)
仕事:JAMES&CO 代表
走る頻度:週1回、10km前後
記録:3時間42分01秒(2008年、ホノルルマラソン)

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「Running Up-Date」
ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。 上に戻る

礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真

# Running Up-Date# ジェームス&コー# ホノルルマラソン# ランニング# 塩谷雅芳
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