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2021.04.25

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「自転車に上手い下手は関係ない」オンリーワンの専門店・ダブルベースに渡辺真史が探訪

この日もそうだったように、渡辺は近隣への移動の際、自転車を使うことが多い。今日は、日々世話になっている渋谷の自転車専門店「ダブルベース」。ストアマネージャーMOTOさんを訪ねた。
渡辺真史●1971年、東京都生まれ。ベドウィン & ザ ハートブレイカーズのディレクター。ローカルとインターナショナル、2つの視点で東京をクルージングする。
MOTO どう、調子は?
渡辺 僕も自転車も元気です(笑)。
MOTO 本当に好きだよね、チャリ。ハマったきっかけはなんだったの?
渡辺 映画『E.T.』に登場したBMXが格好良くて。そこからです。
MOTO あ、実は俺も。1982年公開で、俺がBMXを始めたのが翌年。
渡辺 そのときはまだBMXが日本にあまり浸透していなかったですよね。当時の自転車店には独特な閉塞感があって、入りづらい雰囲気がありました。
MOTO 俺が最初に働いていた「ストーミー」も、なんかそんな感じで(笑)。格好だけのやつは“ポーザー”とか呼ばれたけど、今は自転車が好きであれば上手い下手は関係ない。
渡辺 僕はトリックとかはダメで、でも街中を自転車で駆けるのは大好きで。
MOTO 好きなのは、乗っているチャリを見れば一発でわかるよ。
「ダブルベース」
渡辺 2004年にこのお店ができてからも、海外からパーツを取り寄せては持ち込んでカスタムしてもらって。
MOTO アメリカで買った「シュウィン」をそのままの段ボールで持ってきてくれたし。楽しかったね。
渡辺 MOTOさんは基本的に、店の2階が仕事場ですよね?
MOTO そう。1階は街乗り用、ピストバイク、アパレル。スタッフにまかせることが多いかな。2階はBMXやパーツ、修理場を兼ねていて、俺がレイアウトするとこうなっちゃう。
渡辺 おもちゃ箱のようで、すごく“らしい”。職人の住み処というか。そういえば、「ストーミー」に入る前はレンガ職人を目指してたんでしたっけ?
MOTO 親父に言われてオランダで修業してた。だから今も、街のレンガ壁の接着部とかじっくり見るね(笑)。
渡辺 そういうレンガの構造とか自転車の改造や修理も、“構築する”ことにきっと通ずるものがありそうですね。
MOTO 難しいこと抜きにして、何かを作るのが好きなのかもね。俺は今、自分の自転車よりもお客さんの自転車を完璧に仕上げることが楽しくて仕方ないから。あとは、優しい接客を心がけてるだけ(笑)。
うちの店ではお客さんにトリックも教える。親御さんと一緒に店に来て、「こんな技ができるようになった!」って見せてくれる子もいるし。うれしいよね。
——今昔の空気感が両立するオンリーワンの専門店で、東京カルチャーが明日も紡がれていく。
「ダブルベース」
東京都渋谷区神宮前6-23-11 J-SIXビル1・2F
電話番号:03-5485-3235
営業:11:00〜20:00 水曜定休
instagram@wbasebicyclegarage
若木信吾=写真 増山直樹=文


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