OCEANS

SHARE

2021.01.08

ライフ

理想は高ければ高いほうがよい、と息巻く上司は20代から煙たがられる

「20代から好かれる上司・嫌われる上司」とは……

すごい成果に理想は必要か

「夢を見たところで99%実現などしない。しかし夢を見なければ100%実現しない」などと言います。理屈的にも正しいですし納得できる言葉です。確かに、さまざまな経営者やプロスポーツ選手などの成功者たちも、よくこのような言葉を投げかけます。
だからといって、即「みんな夢を見て高い理想を掲げるべきなのだ」という結論につなげるのは、私は少し躊躇します。というのも、人は理想を掲げて計画的に実行したから理想を成し遂げているわけではなく、何の気なしにやっていた結果、ものすごい成果を出してしまうことだってあるからです。
 

偶然のチャンスを逃さないことも重要

人事担当者であれば誰でも知っている有名な理論に、「計画された偶発性理論(Planned Happenstance Theory)」というものがあります。
スタンフォード大学のクランボルツ教授が提唱したキャリア理論で「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」とし、その予想外の偶然の出来事にベストを尽くして対応する経験の積み重ねで、よりよいキャリアが形成されるという「キャリアデザイン」とは真逆の考え方です。
同じような対語として、経営学者の金井壽宏先生が提唱する「キャリアドリフト」という言葉もあります。これも予期せぬ出来事をチャンスにするためには、あえて状況に流されてみることも必要だ、との考え方です。


2/3

次の記事を読み込んでいます。