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2020.12.18

ライフ

悩める父親2年生、平山祐介さんが「子供の遊び」についてマジメに考えた

脱サラしてショーモデルの世界へ飛び込み、さらには俳優へと、自らの道を切り開いてきた平山祐介さん。
彼は、1歳半の息子を持つ父親でもある。妻とともに子育てに奮闘する毎日のなか、ふと生まれたのが“子供の遊び”についての疑問だった。
平山祐介さん●映画やドラマでも大活躍のオーシャンズ看板モデル。1年半前に男児が生まれ、現在父親2年生。
子供は遊ぶのが仕事。では、その仕事はどうすればはかどるのか?
そこで祐介さんが訪れたのは、世界中の「あそび道具」が揃う、ボーネルンド。子供の成長に合わせたおもちゃを提案してくれるショップだ。プライベートでもよく足を運ぶというここで、子供の遊びについてのさまざまな質問をぶつけてみた。
話を聞いたのは……
中西みのりさん
おもちゃをはじめ、公園などの環境プロデュースまで、子供の遊びについて総合的に取り組む世界で唯一の企業、ボーネルンドの副社長。自身も5歳になる娘のママ。
 

お悩み① おもちゃはたくさん買うべき?

祐介 ボーネルンドは、実際におもちゃに子供が触れられるのがいい。ショップに来て、息子の“ツボ”を知ることも結構あるんです。
中西 私たちは、おもちゃを子供の成長を促す“道具”と考えています。だから「あそび道具」と呼んでいるんですよ。子供の成長もそれぞれですから、自由に触って選んでほしいと思っています。
 
祐介 そうそう、おもちゃって、たくさん買い与えたほうがいいんですか? 成長のための道具って考えると、そうなのかな?
中西 難しい問題ですね。
祐介 僕自身、ひとつのおもちゃを大事に遊んできた経験もあって、できれば我が子にもそうしてほしいって思うんです。ただ、息子が新しいおもちゃを見たときの目の輝きを知っちゃってるから、気づくと買ってあげてる自分もいる……(笑)。
中西 販売している立場から言うのも変かもしれませんが、極端な話、あそび道具ってなくてもいいものだと思うんです。
祐介 え!?
爆弾発言に驚く祐介さん。
中西 必要なのは、遊び。例えば子供って、自然の中だと遊具がなくても楽しそうに遊ぶじゃないですか。
祐介 確かに。そういえばうちの子も、散歩で公園に行ったときに落ち葉の上を歩いた音や感触がすごく面白かったみたいで、それ以来、公園に行くと落ち葉を踏んで遊んでるなー。
中西 はい。そうやって自然の中で遊びを見つけられるのがいちばんいいんです。だけど今は自然環境も減り、必然的に遊びの場も少ない。それをサポートするのが、「あそび道具」なんです。遊びのサポートが必要になったときに、そのための道具を買い与える。そんな感覚でいいのかなと思います。
 
祐介 たくさん買えばいいってわけじゃないのか。おもちゃが少ないと刺激が不足するんじゃないかと気になっていたので、安心しました。
 
中西 重要なのは、道具ではなく遊びの体験なんです。しかも、親御さんが一緒に遊ぶのが、とても大切。幼い子にとっては遊びは対人コミュニケーションの場でもありますからね。
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お悩み②  “キャラもの”ってどう?

祐介 いつかは通る道だと思うんですが、なるべくキャラもののおもちゃは避けたいって思っちゃうんですよね。なんか中毒性があるような気がして……。
 
中西 キャラものはインパクトが強いですからね。うちの娘も、家では観せていないアニメのキャラクターを、いつの間にか保育園で全部覚えてきたりします。

祐介 やっぱどこの家でもそうなんですね(笑)。
中西 男の子はヒーローに、女の子はプリンセスに憧れる傾向は強いと思います。自分の子供の頃を振り返れば、当然のことですよね。
祐介 キャラクターの話題についていけないと、保育園や学校などで仲間外れになるって話も聞いたりして。「○○くん、なんでキャラものの服を着ないの?」って友達から言われたりすることもあるようなんです。
中西 上手に付き合っていくことは大切だと思います私の場合は、キャラものに対しての考え方を変えてみたんです。
祐介 どういうことですか?
中西 よくよく考えてみると、キャラクターの出てくるコンテンツ自体はいいものなんですよ。じゃあ、親は何に違和感を感じるのかそれって物語やキャラクターが悪いわけじゃなくて、大人たちが、子供の物欲を強く刺激するような商品を作っているからなんですよね。大人の事情を取り払って純粋な目でキャラものを見ると、以前より受け入れられるようになりました。
 
祐介 なるほど。一旦フラットに考えたほうがいいってことか。
 

お悩み③ タブレットって、要りますか?

祐介 騒ぐ子供に、タブレットをわたすとピタッと大人しくなる。知り合いの家でもよく見かける光景なんですが、どうなんですかね?
中西 タブレットには動画やアプリなど、子供の好きなものが詰まってますからね。
祐介 子供を大人しくさせるっていう効果を知っているので、つい頼りたくなりそうです。うちの息子も今、『きかんしゃトーマス』にハマって、アニメを観ながら「シュッシュー」ってモノマネするんですよ。だからそのうちタブレットでも観たいって言い出すかもなって。
 
中西 子供がタブレットに興味を持つのは当然のこと。例えば、電車に乗っている大人は、片手にスマホやタブレットを持っていますよね。それを目にしている子供たちは、大人と同じことをやりたいと思うに決まっています。なのに「あなただけはダメ」と禁止するのは子供にとっては不条理。「大人はみんな、持ってるじゃん」ってなりますよね?
祐介 そうですね。中西さんはどうしてますか?

中西 我が家では、タブレットを子供と一緒に楽しむようにしています。これも、キャラもののと同様、親がなんで悪いと感じるかを考えるといいでしょう。タブレット自体が害悪ではない。動画に付随する大人向けの広告や、没頭しすぎて親とコミュニケーションが不足してしまうということが挙げられると思います。だったら、タブレットは親子で一緒に観るようにして、コミュニケーションの手段として使えばいいんです。
 
祐介 うちも、テレビはそんな感じで子供と一緒に見ています。リビングで息子が『きかんしゃトーマス』を観ているとき、後ろにいる僕のほうをたびたび振り返って笑うんです。そのときに何か声をかけられるように、常に彼の様子を見ながら、スタンバイしています。
中西 祐介さん、バッチリです! 
祐介 大事なのはコミュニケーションなんですね!
遊びについての悩みが解決し、すっきりとした様子。
中西 そのとおり。いまや学校の授業でもタブレットが使われる時代ですから、子供から遠ざけるより、むしろコミュニケーションを取りながら、上手な付き合い方を教えてあげるべきでしょう。遊びのなかでタブレットを上手に取り入れることは、私たちボーネルンドにとっても課題です。
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