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2020.08.09

ライフ

遊びに溢れた “森の家” で、趣味に没頭するひととき[セカンドハウスのある生活 CASE.2]

どのような場所で、いかにして「職遊融合」のライフスタイルを確立すればいいのか。その疑問への回答を見つけるべく、ひと足お先にを実践している4人の生活を覗き見する企画第2弾。
名古屋でアンティークショップを経営する杉戸さんは、長野県・八ヶ岳に遊び心の詰まった別荘を持つ。「仕事と遊びもすべて地続き。ライフスタイルの循環のなかに、自然な形でこの家があります」。
第1弾 神奈川県・葉山の家も併せてチェック

時間とともに美しさを増す家

自営業・杉戸伸行さんの長野県八ヶ岳の家。1階のガレージに停まっている愛車はフォルクスワーゲンのヴァナゴン ウェストファリア。
自営業・杉戸伸行さんの長野県八ヶ岳の家。1階のガレージに停まっている愛車はフォルクスワーゲンのヴァナゴン ウェストファリア。名古屋の自宅から下道で。途中で良さそうな川を見つけたら、すぐに竿を出せるからだ。
「この別荘は両親が建てました。残念ながら、こんな家を建てられる稼ぎは僕にはありません(笑)」。
杉戸伸行さんはそう言って招き入れてくれた。八ヶ岳連峰のほぼ中央部、天狗岳西麓の森の中。竣工から20年の時を経て、その森に美しく溶け込む別荘である。
室内には畦地梅太郎の版画、鍛冶職人・山内東一郎作のピッケル、山岳写真家・田淵行男のモノクロプリントなどが飾られている。実は杉戸さんは、名古屋でアンティークショップ「コンパス」を経営。その目利きはまさにプロフェッショナルなのである。
相棒のボーダーコリー、アックスとともに。名前の由来は登山用具のピッケルから。英語圏ではピッケルのことをアイスアックスと呼ぶのである。
相棒のボーダーコリー、アックスとともに。名前の由来は登山用具のピッケルから。英語圏ではピッケルのことをアイスアックスと呼ぶのである。北海道の友人が製作したハンドメイドのバンブーロッドを手にして。多数の電球が付いた個性的な照明はアメリカのハリー・アレンのもの。
「キッチンや家具なども僕が調達しました。建てた当時は、東京で、海外の家具を扱う輸入販売会社に勤めていたんです。
システムキッチンはドイツのポーゲンポール。テーブルはジャン・ヌーヴェル。ここぞとばかり自分の趣味に合うものを選びました(笑)」。
チェアにもソファにも照明にも、モダニティとクラフトの温かみが同居する、通底したセンスを感じる。どの家具もこの家にとてもマッチしていると思う。
「実を言うと、この家を設計した建築家も友人に紹介してもらったんです。そもそもこの家自体がクラフト的なんですよね。
上から見るとS字形の、厚い二重壁で屋根を支える構造。その二重壁の間に収納や階段、浴室をうまく配置しているんです」。
リビングルーム全景。「S字構造の壁」とは、写真の焦げ茶色の杉板部分。右サイドの壁がそのまま前方の外壁につながっているのだ。
リビングルーム全景。「S字構造の壁」とは、写真の焦げ茶色の杉板部分。右サイドの壁がそのまま前方の外壁につながっているのだ。


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