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2020.02.21

ライフ

「わからなかったら遠慮なく聞いてね」という上司は20代から嫌われる

上司と部下
「20代から好かれる上司・嫌われる上司」とは・・・

育成は「やらせる」か「教える」か

言うまでもないことですが、上司という役割の中には、一般的には部下を育てることが含まれています(「業務遂行」や「目標達成」しか期待されていない上司もいるかもしれませんが)。育成の仕方には、仕事をアサインしてまずはやらせてみるというものもあれば、最初から事細かに教えるというものもあります。
時間に余裕があったり、失敗してもリカバリーの効く仕事だったり、リスクを背負ってでも自分だけで一度やってみることでしか獲得できない能力(判断力など)の育成だったりすれば、「教えない」で「やらせてみる」ということもあるでしょう。

時間がないから「教える」しかない

しかし、この現代の「働き方改革」&「グローバル大競争時代」において、そんなのんびりした育成が許されるケースはなかなかないでしょう。
本当は部下に試行錯誤をさせてあげたくても、そんな時間はなく、効率的にすぐに成果を出してもらわないといけないので、最初からきちんと「教える」ことが多くなっているのではないでしょうか。
育成の効果としては、「教える」=「言語的教示」だけよりも、山本五十六のように「やってみせ」から始めて、それから「教える(言って聞かせて)」を挟んで、その後に「させてみて」という流れがよいでしょう。しかし、時間がないのだから仕方がありません。

教える人に必要な能力、「言葉にする力」の難しさ

言い換えれば、これからは以前よりも「言葉を用いて説明する力」が育成能力に大きな影響を与えるということかもしれません。ところが「言葉だけで」という制約条件つきで人に何かを教えないといけないのはなかなか難しいことです。
説明したいことを示す的確な言葉を使える語彙力を身につけないといけないのはもちろんのこと、野中郁次郎先生のSECIモデル的に言えば「暗黙知の形式知化」をしなければならないからです。
プロは自分がプロである理由をうまく説明できません。なぜなら、多くのことを無意識に(暗黙的に)やっているからです。日本語ネイティブの私たちは日本語の文法は意識していませんが、すらすらと話ができるということと似ています。


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