手土産、お歳暮、贈り物。3人のツウが選ぶギフト用ワイン【日本の白・編】
年末、大切な友人やお世話になった人に感謝の気持ちを伝えるのに相応しい贈り物として、いつもとはひと味違う「おいしい」ギフトはどうだろう。喜ぶ顔を想像しながら贈ってもいいし、お宅に持って行って一緒に楽しんでもいい。取り寄せて、我が家でもてなすというのも楽しい。
そんな年末を彩る食ギフト、今回はツウや達人のおすすめに基づいてハレの酒、シャンパン&人気高まる日本ワインをラインナップ。さて、誰にどれを贈ろうか。
ギフトとしてシャンパンや日本ワインを選ぶ際のポイントを、ソムリエの露木崇浩さんに聞いた前回に続き、ツウが「これを贈れば喜んでもらえる!」と明言する、6本の国産白ワインをピックアップ。
「酒先案内人に聞く。ハレの日ギフトに最適なシャンパン6本」を読む。
グレイスワイン「キュヴェ三澤 明野甲州」

世界に通用する銘醸ワインを目指すワイナリーの特別限定醸造のワイン。日本を代表するワイン用ブドウ品種・甲州の可能性を最大限に引き出すため、栽培方法からこだわっている。
「醸造家・三澤彩奈さんが山梨県北杜市明野で栽培した甲州で世界に挑む、日本ワインのひとつの極み。穏やかかつ凛とした骨格と醗酵を感じるフレーバー、そして重厚感と品格。美しい甲冑をまとった古武士のよう。多くの料理人たちからも厚い信頼を寄せられているワインです」。(武笠さん)
中央葡萄酒
0553-44-1230
www.grace-wine.com
高畠ワイナリー「2017ラ・クロチュア・エレクトリック・エン・上和田シャルドネ」

その名前は「上和田の電気牧柵」の意。山の麓のブドウ畑ゆえ、電気牧柵を使って獣害からブドウを守っている。そうやって大切に育てられたシャルドネを使用したワイン。
「醸造家・松田旬一さんをリーダーに『世界に通用するワイン』に挑む山形県の高畠ワイナリー。高畠町の契約栽培圃場のシャルドネを使い、ブルゴーニュの最高峰にも匹敵する味わいを表現。豊潤なコクと蜜感、スモーキーな樽香が妖艶!」(武笠さん)
高畠ワイナリー
0238-57-4800
www.takahata-winery.jp
キザン「スパークリング トラディショナルブリュット」

丁寧に造られた良質のブドウの個性を最大限に表現し、調和のとれた高品質のワイン造りを目指している家族経営の小さなワイナリーの、甲州種100%のスパークリングワイン。
「醸造家・土屋幸三さんが、山梨県産甲州種をシャンパン製法(瓶内二次発酵)で造り上げたスパークリングワイン。非常にキメの細かい泡。雑味がなく、繊細でありながらコクと滋味深さ、蜂蜜様のフレーバーが上質感を感じさせます」。(武笠さん)
機山洋酒工業
0553-33-3024
https://kizan.co.jp
まるき葡萄酒「まるき 甲州 2018」

現存する日本最古のワイナリーであるまるき葡萄酒は、日本の食事に合うワインを、と考えてワイン造りを行っている。その歴史あるロゴが描かれたラベルが印象的な「まるき 甲州」は、山梨県原産のブドウである甲州の魅力が十分に引き出された1本。
「爽やかな酸味とほんのり残した甘味・渋味のバランスが◎。煮物や焼き魚、お寿司など、日本食のおいしさを引き立てます!」(鈴木さん)※2018年のものが終売次第、2019年のものに切り替わります。
まるき葡萄酒
0120-84-2488
www.marukiwine.co.jp
シャトージュン「ソーヴィニヨンブラン 2018」

ファッションブランドをいくつも手掛けるジュングループが運営しているワイナリー。おすすめは、ワインどころの山梨県甲州市勝沼産のソーヴィニヨンブラン100%のワイン。
「アパレルグループが手掛けるワインですが、エチケットの高級感が目を引き、ヨーロッパ品種のブドウ、ソーヴィニヨンブランの味わいを他の国に負けないほど引き出しています。トータルバランスに優れていてギフトに最適です」。(露木さん)
シャトージュン
0553-44-2501
www.chateaujun.com
熊本ワインファーム「菊鹿シャルドネ」

熊本県熊本市に1999年設立以来、地域とともに成長しているワイナリーで、そのワインはさまざまな賞を受賞。こちらは、熊本県山鹿市菊鹿町で契約農家とともに育てているシャルドネを使った主力の白ワイン。
「日本ワインの進化を感じさせてくれる1本です。九州の熊本という意外性のある場所で生産されているにもかかわらず、その味わいは世界でもトップクラス。日本のワインの素晴らしさを十分に楽しんでいただける贈り物になると思います」。(露木さん)
熊本ワイン
096-275-2277
www.kumamotowine.co.jp
本特集の酒先案内人
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中山文子=写真 常田朝子=イラスト 川瀬佐千子=編集・文