神田のイベントバーで、看板娘が「年下にめっちゃモテる」と聞いた
看板娘という名の愉悦 Vol.94
好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。
日替わりでマスターが変わるイベントバーがある。その名も「エデン」。本店の池袋店を始め、全国に13店舗を展開する。
訪れたのは今年6月にオープンした神田店。

地下に続く階段を下りる。

扉を開けると、そこはまさしくスナックだった。


何はともあれ、お酒をいただこう。メニューを見るとチャージ500円でドリンク1杯500円〜。

チーママ兼看板娘のお気に入りは赤ワインだという。しかし、メニューにないので色が似ているマルベリー(桑の実)リキュールをソーダ割りでいただくことにした。
看板娘、登場


さて、今回の看板娘はよしえぴっぴこと、よしえさん(34歳)。副業を支援するベンチャー、株式会社シューマツワーカーで働いている。そして、「スナック採用モンスター」とは、人事・採用系の仕事に従事する女性スタッフとお客さんが集う場だった。

右から2番目がイベントを主催するママ、おっしーさん。もともとは企業の人事部で働いていたが、上司から「お前の採用はモンスター級だな」と言われるほど優秀な仕事ぶりだった。今年の10月に独立し、株式会社採用モンスターを立ち上げたという。
おっしーさんの隣は、おかきさんとありよしさん。いずれも、ITベンチャーの採用担当だ。

よしえぴっぴさんとおっしーさんは飲み仲間でもある。


さて、よしえぴっぴさんの仕事内容は?
「カスタマーサクセスとかイベントの企画運営とか。あと、コミュニティマネージャとしてユーザーさんのフォローやエンゲージメントを高めるお仕事もしています」。
エンジニアが1000人ぐらい加入するコミュニティ、「シューマイ」も立ち上げた。

イベントではリアルシュウマイも振る舞われる。

出身は千葉県市川市。
「市川あるあるとしては、東京のすぐ隣なので天気予報は東京のものを見るということ。小さい頃は負けん気が強くて、お兄ちゃんとガチの喧嘩をしていました。毎回負けて泣いていると、お父さんが挑戦してきてわざと負けてくれるんです」。
さらに、「サッカーのあれだよね」「象の国か」としょっちゅう言われるが、市川市民は呼吸をするように「それは市原」と返すそうだ。
店には同僚も続々とやって来た。

松村さん、よしえぴっぴさんの良いところを教えてください。
「うーん、ありすぎて困るなあ。とりあえず、年下の男子にめっちゃモテます。仕事面では細やかな気配りで若い社員のフォローをしてくれています」。

お客さんからは上海土産の差し入れ。聞けば、前職で非常にお世話になった先輩だそうだ。

好きな男性のタイプなども聞いてみた。
「とにかく、顔が大事。薄めで口が大きい人がいいですね。私の100点満点は向井 理。国仲涼子に似てるって言われたことがあるから、ちょうどよくないですか?」。

さらに、脈絡なく実家のイヌの写真も見せてくれた。

取材の合間にも楽しそうに接客するよしえぴっぴさん。将来は自分のスナックを開きたいという。
「場所は銀座寄りの新橋がいいですね。セルフマーケティングによれば、私は新橋で受けそうな顔かなと。店名? うーん、『ぴっぴ』にしようかな」。
ここで、おもむろに何かを取り出して首に貼る看板娘。
「あ、『フィードバックディスク』っていうむくみ取りです。顔の筋トレみたいな効果があって表情筋を引き締めてくれます。だから、本当はもっと顔丸いんですよ」。

自由な振る舞いに感銘を受けたところで、名残惜しいがお会計を。読者へのメッセージをお願いします。

【取材協力】
バー エデン神田
住所:東京都千代田区神田多町2-11-27 第19岡崎ビルB1
電話:03-6903-8897
https://twitter.com/eden_kanda
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石原たきび=取材・文