ツウが太鼓判を押す極上肉ギフト4選。暮れに“おいしい”を贈ろう!
年末、大切な友人やお世話になった人に感謝の気持ちを伝えるのに相応しい贈り物として、いつもとはひと味違う「おいしい」ギフトはどうだろう。喜ぶ顔を想像しながら贈ってもいいし、お宅に持って行って一緒に楽しんでもいい。取り寄せて、我が家でもてなすというのも楽しい。
そんな年末を彩る食ギフト、今回はツウや達人のおすすめに基づいて牛肉ギフト各種をラインナップ。さて、誰にどれを贈ろうか。
極上肉で、口福を分かち合う。
おいしい牛肉は専門店に行って食べるもの……だけじゃない。みんなで集まって乾杯、というときや、お世話になったあの人においしいものを贈ろうというときにも、気の利いた牛肉を取り寄せて、「この肉うまいね〜」と言いたい、言われたい!
というわけで、今回は肉ツウの皆さんにお知恵を拝借したわけだが、その推薦品をチェックする前に、まずは牛肉ギフトの選び方について、今回の肉ツウの1人であるYUICHIさんに教えてもらった。牛肉好きが高じて食肉業界に転身したというYUICHIさん、最近まで東京・芝浦の食肉市場にて修業していたそう。そこでまず聞いたのが、A5ランクって、何?
「和牛の格付けの最上級ですが、アルファベットで示されているのは『歩留等級』といって、牛1頭あたりどれくらいの量の食肉が取れるかという割合を表すもので、Aが1頭からいちばんたくさん取れたものということです。消費者にはこれはあまり関係のない等級ですね。そして、数字で示されるのが肉質等級です。これはざっくりいうと『脂の質と量、その入り方』のこと。和牛の魅力はやはり、脂のおいしさなので、 A5ランクの肉といえば、脂のサシの入り、霜降り具合が評価されているというわけです」。
でも近年は、ヘルシー志向で「霜降りは胃に重い」なんていう声も少なくない。赤身派が増え、その先に熟成肉ブームも花開いた。しかしYUICHIさんは「脂が重いからと赤身を選ぶ前に食べてほしい和牛がある!」と言う。
「実は、世の中に出ているほとんどの肉は去勢牛、つまり雄なんです。そして、脂が重いと感じている方には、雌牛を食べてみていただきたい。同じA5でも雌牛の脂はぐっと軽やか。牛肉を選ぶときに、等級で判断するだけでなく雌牛を選んでいただくことが、ひとつの『おいしさの目安』になると思います」。
YUICHIさんの周囲にも、雌牛のおいしさを知ってしまったがゆえにそれ以外を選ぶ気にならない、という人も少なくないそう。でも、それどこで買えますか?
「雌牛を専門にしている精肉店もありますし、ウェブサイトや店頭にそれがうたわれていたりします。あと、牧場直営の精肉店はおすすめですね。ハンバーグやローストビーフなどの加工品は、牛肉専門のレストランや料亭のものはもちろんですが、精肉店と名店のコラボ商品や、レストランを併設している精肉店の商品に注目です」。
なるほど、牛肉ギフトを選ぶポイントがわかってきた。あとは、誰にどんなものを贈ったら喜ばれるかを考えながら、肉ツウの方々の推薦品をじっくり見てみよう。
「こういった食のギフトは近しい間柄の人と『おいしい』を分かち合うもの。今回、僕らの選んだ肉ギフトで、そういう機会をつくってもらえたらうれしいですね」。
銀座 吉澤「すき焼き折詰 ロース」

日本一の和牛市場である東京食肉市場の仲卸でもある、銀座 吉澤。肉ツウの間でも人気が高く、今回のリサーチでもたびたび、その名前が挙がった。
「長期肥育された雌の黒毛和牛にこだわる精肉店です。その肉は、コクがあり、風味豊か。すき焼き用のロースを食べれば、霜降りでありながら、あっさりとした上品な甘味に驚くはずで、老若男女、ギフトを受け取る人には間違いなく喜ばれるでしょう。店頭のショーケースを見て、自分の目で選べるのも◎」。(小池さん)
銀座 吉澤(精肉部)
03-3542-2983
www.ginza-yoshizawa.com
松阪肉元祖 和田金「すき焼用 特撰肉」

三重県松阪市で明治11(1878)年に創業したすき焼きの老舗からお取り寄せ。箱の佇まいにも老舗の矜持を感じる。和田金では自社牧場で牛を育てており、こだわりは但馬産の未経産雌牛を時間をかけて育てていること。
「なかでも数量限定品の『すき焼用 特撰肉』の中身は、美しくサシの入ったリブロースのみを厳選。この冬は、ご自宅で歴史ある老舗の味を家族や仲間と堪能してみてはいかがでしょう?」。(大島さん)
松阪肉元祖 和田金(通信販売部)
0598-21-3291
www.wadakin-bestbeef.jp
肉処 樹(TATSUKI)「ロースすき焼き(わりした付)」

質の良い雌牛にこだわり、環境やエサに配慮しながら、但馬牛・神戸ビーフを肥育する川岸牧場。直営の精肉店では、家庭用に極上の神戸ビーフを販売する。
「名門中の名門と呼ばれる川岸牧場の神戸ビーフ。そのロースという最高級のすき焼き肉に、川岸牧場の神戸ビーフを知り尽くした京都祗園の肉割烹・にくの匠 三芳の特製わりしたがセットになった、肉好きにはたまらない奇跡の組み合わせです」。(小池さん)
肉処 樹
0795-24-1229
http://tatsuki-beef.com
肉ぷく「モモすき焼き・しゃぶセット」

家庭でも気軽に本物の和牛を楽しんでもらいたいと、A5ランクの主に雌牛を扱い、加工や保存にもこだわっているオンラインの精肉店。100gから買えるのもうれしい。
「モモすき焼き・しゃぶしゃぶ」は、モモ肉の代表的な部位であるウチヒラだけでなく、その日に取れたモモの稀少部位も使用している。「厳選した国産雌牛を扱っている信頼の精肉店。自分で食べたいときも人に贈るときもここです。ギフトなら肉色の美しさにテンションが上がるこのセットがおすすめ」。(才賀さん)
肉先案内人
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中山文子=写真 常田朝子=イラスト 川瀬佐千子=編集・文