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2019.11.11

ライフ

日本一のスペシャリストが提言!「住宅ローンの見直しで“2000万円問題”も解決!?」

連載「賢い借金」
ローンや借金というと、ネガティブに捉えがち。でもちょっと待った! 借金とは、いわば“未来のお金を先に使うこと”。使い方次第で利用価値は大いにある。家やクルマといった大きな買い物も増える年代。一度フラットに借金を考え直してみよう。
30代後半は、大きな「借金」を経験する人が多くなる年頃でもある。その代表格は、やっぱり住宅ローン。家を買うならほとんどの人が通る道だと思うけど、その割に知識がない……。だから、選び方もよくわからない。
そこで取材したのが“日本一住宅ローンに詳しい男”こと、iYell株式会社の代表取締役社長・窪田光洋氏。前職では、大手住宅ローン会社でローン商品の組成や販売、審査など、すべてのトップを歴任。現在は、iYellで住宅ローンの相談アプリやメディアを運営している。ということで、窪田氏に根掘り葉掘り聞いてみた!
窪田光洋/iYell 代表取締役社長兼CEO。1984年神奈川県生まれ。2007年に新卒でSBIグループのモーゲージバンクに入社し、2014年に最年少で執行役員に就任。住宅ローン商品の組成から販売、審査、債権処理など、すべてのフェーズでトップを歴任。2016年に独立しiYellを設立。セミナー講演や執筆も手掛ける。
 

1000万円損する人が毎月10人以上?

--住宅ローンって、ぶっちゃけどう選べばいいかよくわかりません。失敗も多いと聞くし……。誰かに勧められても、ちょっと信用できないというか。
おっしゃる通り、失敗している方は珍しくないですよ。私たちの会社は、住宅ローンをすでに借りている方からの相談もアプリなどで受け付けていますが、1000万円単位で損をしている人が毎月20〜30人はいるんじゃないでしょうか。
 住宅ローンの解説 
--そんなにですか!?
はい。少し前に「老後2000万円問題」が話題になりましたよね。大げさでなく、僕は住宅ローンがあの問題を解決するひとつの手段になり得ると思うんですよ。
--2000万円問題の解決に住宅ローン……。どういうことですか?
つまり、住宅ローンを適切に選ぶだけで2000万円浮くケースがあるということです。住宅ローンは、借りたい金額(借入額)があり、そこに金利が乗って、最終的な総返済額が決まりますよね。たとえば、こんなケースがありました。借入額が8000万円、金利4%の35年住宅ローン。総返済額は1.4億円です。借りた方をAさんとしましょう。
--なかなかの豪邸ですね。
そこは置いておきます(笑)。ポイントは金利の4%。僕らからすると、これってかなり高いんですよね。4%で借りている人はあまり多くない。でも、その感覚を持っていない方はたくさんいる。
--僕もピンと来ていませんでした。
ですよね。この方も、あまり知識がなく金利4%の住宅ローンを借りてしまった。でも、よく調べると実はもっと低い金利で借りられたんです。そこで、Aさんに別の住宅ローンへの借り換えを提案した。それが、金利0.7%の住宅ローン。Aさんは借りられたんです。
--4%から0.7%って……。
どのくらいの差だと思います? もし最初から金利0.7%の住宅ローンを選んでいれば、総返済額は9000万円。これだけで5000万円の差です。Aさんは0.7%を選べたのに、4%を選んでいた。
--それは大きいですね。こんなことがよくあるんですか?
4%→0.7%は珍しい例ですが、2%ほど高く金利を設定している方は少なくない。それだって大きな差ですよ。Aさんの場合なら、金利4%が2%になるだけで、総返済額は1.1億円に減りますから。このレベルの失敗は、本当に月20〜30人くらいいます。その方々は、住宅ローンを適切にするだけで2000万円問題が解決できてしまうかもしれない。
--なるほど。
大前提として、日本で住宅を買う場合、9割以上の方は住宅ローンを組みます。億単位の年収がある方でも、その分、高い家を買うので、結局は住宅ローンを選ぶ。現実的に考えて、家を持つ人のほとんどは住宅ローンを組んでいるわけですよね。ということは、その選択を適切にすれば相当数の方が助かるわけです。


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