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住宅ローン選びを失敗する2つの理由

--でも待ってください! 何でそんなに住宅ローン選びで間違える人がいるんですか?
大きくは2つの問題があります。1つ目は、住宅ローンの相談を専門に行う機関が日本に少ないこと。弊社は住宅ローンをテクノロジーで解決する住宅ローンテックベンチャーですが、アメリカには40社ほどこういった企業がある。でも日本は、うちを含めて3社ほどしかありません。すると、家を購入する際は、みなさん誰に聞いたらいいかわからない。となると、どうしますか。
株式会社iYell
創業3年半のiYellのオフィス。着々とスタッフは増えているベンチャー企業だ。
--えっと……。
大抵は、購入物件を担当した不動産会社にそのまま相談するのではないでしょうか。
--それはダメなんですか?
ダメではありません。ただ、彼らの本業は不動産売買で、住宅ローンの返済を実際に担当するわけではない。すると、どうしても今までの関係性や声をかけやすい金融機関から紹介するわけです。お客様の意向に添う住宅ローンを紹介したいという想いがあるものの、やはり彼らの本業は住宅を販売することで、住宅ローンの専門家ではない。ですから、最適な住宅ローンを探すことは難しいわけです。そうなると不動産会社は全く悪くないのに、住宅ローン選びで失敗するケースが出てくる。ほかにもっといい住宅ローンがあるのに、別で契約してしまう人が多いんです。
--そういうことですか……。
一方、借りる側も住宅ローンの知識が少ないので、適切かどうかわからず勧められたものにしてしまう。これが2つ目の理由です。みなさん、不動産の価格には非常にこだわるんですよね。8000万円の物件が7800万円にならないか値段交渉をする。でも、同じくらい住宅ローンや金利を勉強した方がいいと思うんです。そっちは数千万円変わるんですから。
--実際、住宅ローンの選び方がよく分からないので反論できません。
住宅ローンはあくまで「手段」であって、まずは自分が欲しい家を探すのが最優先。その順番は大切です。ただ、家選びと同じくらい住宅ローン選びの準備もした方がいいとは思いますね。返せない方もたくさん見てきたので。
--やっぱり、返せないケースってあるんですか……?
前職のとき、返済が難しくなった方の「債権整理」を担当する部署のトップを経験しましたから。契約者のもとに行って「返済できませんか」とお願いしていましたよ。無職になって返せない方には「なんとか働きましょう」と言ったり、「一時的に親御さんからお借りしましょう」と話したり。明日までに返さないと家が競売にかけられるというシーンも多々ありました。


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