2019.11.08
LIFE STYLE

夫に不満があっても言わない妻。それは「優しさ」ではなく「負い目と諦め」

>連載「夫たちが知らない、妻の本音」をはじめから読む

妻を叱る夫

妻が夫に言えない本音を聞き出す連載の第8回。前回、妻たちがずっと心に溜め込んでいる夫への代表的な不満10選をご紹介しました。

今回は、なぜ不満を夫にストレートにぶつけられないのか、その理由をご紹介します。

Q.夫に対して言いたいことを言えずにいる理由を教えてください。

「養ってもらっている負い目があるから」(岐阜県・44歳)

「言えば喧嘩になるから。相手のほうが口が強いから口論になると勝てない。言い返せずにストレス溜まるくらいなら、言わないほうが賢いと思っています」(茨城県・39歳)

「いい大人なのに、なぜこんなことまで言わないといけないのかと思ってしまう。自分の子供なら育てる義務があるが、夫を育てるのはうんざりです」(宮崎県・42歳)

「言っても直らないから、言うのが疲れる」(千葉県・41歳)

「夫には共感力が不足しているし、そういうグチをこぼせば、私の努力不足のように言われるだけなので」(大阪府・44歳)

「言っても無駄だから。いつか『卒婚』という三行半を渡すまでは、少なくとも今の生活でいるしかないため、あまり雰囲気悪くしても……という感じです」(沖縄県・44歳)


外で働いていないことに負い目を感じている

専業主婦であるために、外で働いている夫に対して負い目や引け目を感じている女性は多いようです。今回のアンケートのなかではズバリ「自分が専業主婦だから」(大阪府・45歳)という回答もありました。

妻が専業主婦になることは、多くの家庭では夫婦で話し合って、お互いに納得してそういう選択をしたのではないかと思います。だから、本当は引け目を感じる必要はないはず。

もし妻が専業主婦でも、子育てや家事が自分のキャパを超えているのなら、それを夫に相談したり、手伝ってほしいと頼んだりするのは悪いことではないと思います。

だって会社や職場でも、もし自分のキャパを明らかにオーバーしていて、周りに迷惑がかかりそうだったら、早めに上司やチームの仲間・同僚に相談するのは社会人としての常識。それと一緒なのではないかと思うのです。

その一方で、女性のなかには、こうした相談や改善が苦手な人もいます。その場合、建設的な話し合いではなくて、どうしても夫への「文句」として言ってしまうかもしれません。そうすると、言われたほうは責められたと感じ、いい気持ちはしないですよね。

そこで、できれば夫のほうから困っていること、大変なことはないかと、たまには聞いてみてもらえると、妻のほうも話しやすいのではないでしょうか。

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聞く耳を持ってくれない夫に諦めている

家事・育児への協力以前に、夫が自分のことをやらない、できない。そして、家事・育児をひとりで担っている妻に対して気遣いがまったくない。それに対していくら言っても直さないという不満も、アンケートでは寄せられました。そういう夫には、「もう言ってもしょうがない」と、妻たちは諦めの気持ちを感じてしまっています。

「いい大人なのに、なぜこんなことまで言わないといけないのかと思ってしまう」と回答した方は、夫が部屋を常に散らかす、食事の準備ができているのにスマホゲームをやめないと言った困りごとがあるそう。

また、「言っても直らないから、言うのが疲れる」と回答した方の場合は、夫がすべてにおいてだらしがなく、何度注意してもなおらないことに、諦めの気持ちになっています。

いくら家のことと育児については妻に任せていると言っても、家事・育児は重労働。妻を思いやる気持ちが少しでもあるなら、大人として最低限の自分のことはやりましょう。

さらに言えば、自分のことを自分でできることは、自分自身のためでもあるんです。なぜなら、将来、家のことが何もできないまま、万が一妻に先立たれたりしたら……。そういう可能性だってゼロではありません。

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自分が嫌な思いをしないためという理由も

3つ目に多かったのは、自分が嫌な思いをしたくないので言わないという声。じつは、次のようなコメントもありました。

「言いたいことを言うこともあるが、以前に言いたいことを言ったら、『そんなに嫌ならここ(家)にいなきゃいいだろ』と怒鳴られたので。 また、言いたいことを言えば、『うるせぇな』と大声で怒鳴られる。何度言っても、聞く耳もたずなので、いないものとして対応してます」(岩手県・42歳)

何か不満を言えば「怒鳴られる」「口論になる」「努力不足のように言われる」。こういうことを言う人は、妻のことを何だと思っているのでしょうか。何を言っても許してくれる自分のお母さんとでも思っているのでしょうか。

夫婦は所詮他人同士。ここまで気遣いのない相手では、確かにコミュニケーションを取りたくなくなります。「私が我慢すればいい」という気持ちになってしまうと思います。

また、ここまでのひどい対応をされれば、さすがに堪忍袋の尾が切れて、最悪の場合離婚しようと考えている妻もいるはず。上のコメントでも「いつか卒婚という三行半を渡す」とまで書いている方もいます。

おそらくその場合、子供が自立してからと考えるので、長年かけてお金を貯めるなどの準備を着々と進めていくのだと思います。

女性は、一度嫌いになると、相手のすべてが嫌になる生き物だと思います。おそらく、一度嫌いになった相手をまた元のように好きになることはないでしょう。

というわけで、不満がありそうなのに何も言わないという状況はとっても危険。夫を立ててくれて、おとなしく言うことを聞いてくれる「できた妻」だと思っていたら、後から大変なことが起こるかもしれませんよ。


相馬由子=取材・文
編集者、ライター。合同会社ディライトフル代表。雑誌、ウェブ、書籍などの企画・編集・執筆を手掛ける。会社員の夫と小1の娘の3人家族。ここ数年は、子育てをテーマにした仕事を数多く手掛けている。

石井あかね=イラスト

ネオ・マーケティング=アンケート協力
※調査対象:既婚子持ちの35〜45歳の女性200人

# 夫たちが知らない、妻の本音# 夫婦# 家事# 専業主婦
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