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2019.10.11

ライフ

自己破産は怖くない? 弁護士に聞いた「借金を返せないとどうなるの?」

連載「賢い借金」
ローンや借金というと、ネガティブに捉えがち。でもちょっと待った! 借金とは、いわば“未来のお金を先に使うこと”。使い方次第で利用価値は大いにある。家やクルマといった大きな買い物も増える年代。一度フラットに借金を考え直してみよう。
住宅やクルマのローンなど、30代後半になれば「借金」を利用したいシーンも増えてくる。そこで前回、債務整理3000件の相談実績を持つ“敏腕”弁護士の鈴木淳也氏に「賢い借金」のコツを教えてもらった。
このとき言われたのが「たとえ借金を返せなくなっても、十分にやり直せる」との言葉。けっこう半信半疑だけど、先生が言うなら詳しく聞いてみたい! ということで、返済不可の場合にどうなるのか、いろいろと質問をぶつけてみた!
鈴木さん鈴木淳也/大手法律事務所で活躍したのち、2018年4月に鈴木淳也総合法律事務所を設立。借金の債務整理から企業法務など幅広く対応。気象予報士や防災士の資格も保有するマルチ弁護士。
 

自己破産は、あまり痛くない?

鈴木先生
--3000件も債務整理の相談を受けていると、いろんな人を見ていますよね。「もう人生終わりだ」みたいに落ち込んでいる人とか……。
まあ、それはそうですね(笑)。でも、その逆もありますよ。
--逆ですか?
はい。あるとき、借金が返せず債務整理の相談に来た方は、自分がはめている腕時計の自慢をし始めて……。「手動でネジを巻くんです」とか。正直、心の中で「今はそんな場合じゃないでしょう」と思ったり(笑)。
--楽観的というか何というか……。そんなケースでも、先生の敏腕でうまく債務整理を成功させるんですか?
債務整理といっても、そんなに難しいことはありません。私たちはその手続きを担うのがメインで、揉めることは少ないですね。ほぼ成功します。
--ほんとですか? 借金を返せなくなって債務整理って、人生の終わりだと思っているんですけど。
皆さんそう思いますよね。前回少し話しましたが、人生終わらないですよ。債務整理は、自己破産や民事再生、任意整理といった「返済不可の場合の解決手段」の総称ですが、どれもそのあとのダメージは決して大きくない。
破産手続開始・免責許可申立書
債務整理を行う人に記入してもらう、「破産手続開始・免責許可申立書」。なかなかハードな書類に見えるが……。
--自己破産も? “破産”って言葉のインパクトわかっています?
わかっています(笑)。自己破産の場合、税金などの一部を除いてほとんどの借金が帳消しになります。その分、失うものが多いかというと、そうでもないんですね
--みんなに知られて仕事辞めなきゃいけないとかは?
それはないですね。基本的に、お金を貸している業者は正当な理由なく勝手に職場へ連絡してはいけないんです。職場からの借入がない限り、職場に知られる可能性も低いですね。
--怖い人が取り立てに来たりは?
今はその辺のルールもかなり厳しくて、正当な理由なく、早朝や夜間に業者が勝手に押しかけるのは絶対NG。押しかけても「帰ってください」と言われたら業者は帰らないといけません。連絡の時間帯も、早朝や深夜はダメなんですよ。そもそも、弁護士に債務整理を依頼すれば、その後業者は取り立てや直接連絡はできなくなります。債務整理の手続きをきちんと取っていれば大丈夫なんですよ。
 


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