週末ファーマーズライフ Vol.3
2019.08.11
LIFE STYLE

親子で野菜との触れ合い。週末農業入門に恰好のイベント「ベジトレ」とは?

連載「週末ファーマーズライフ」
都市部に住む大人の男の間で、ちょっとした話題となっている「週末農業」。子供の食育にもいいし、なにより土をいじって野菜と向き合えば、心も体もキモチいい! 週末ファーマーズ志願者たちに送る、農業スタイル提案。

子供

子供の食育を兼ね、一度は実践してみたい家族揃っての農業体験。とはいえ都市部に生活の拠点を置いているため、その機会を得るのが、なかなか難しいと思っている人は多いはずだ。

しかし最近では、若い世代を中心とした農業への関心の高まりもあり、都内またはその近郊でも、手軽に農業体験ができるイベントが増えている。そのひとつが、食育の要素も兼ね備えた親子向けの農業体験イベント「ベジトレ」だ。

今回は、農業との“超短期な触れ合い方”のひとつとして、「ベジトレ」の概要とその魅力を紹介しよう。


青空の下で子供と一緒に収穫体験。農業の楽しさを知るひとときに

そもそも「ベジトレ」とは、子供の野菜嫌いを克服するトレーニングの総称だ。食品メーカーのカゴメなど関連企業がベジトレに役立つレシピやプログラムを紹介しており、食育にも役立つことから、特に小さな子供を持つ家庭で注目されている。

今回体験した「やさいとなかよし体験イベント」を主宰するのは、都内及びその近郊で貸し農園サービス『シェア畑』を展開するアグリメディア。

自社の貸し農園を使い、実際に農業体験ができるほか、収穫された野菜を利用した遊びや食事を通じて、野菜嫌いの克服を目指すこともできる、総合的「ベジトレ」イベントとなっている。

農業風景

イベントは「育てる」「遊ぶ」「食べる」という3つの体験で構成されており、同社が考案したベジトレプログラムの一部を1日で体感できる。参加者が最初に体験するのは、農業体験のパートにあたる「育てる」だ。

普段は『シェア畑』の利用者に野菜の育て方や農園の管理法などをアドバイスする「菜園アドバイザー」と一緒に、水やりや収穫といった野菜を育てる手順を体験するのだが、その前に学習シートを使い、(収穫に適した)美味しい野菜の見分け方について簡単に勉強する時間が設けられている。

菜園アドバイザー
菜園アドバイザーは、農作業に関するアドバイスのほか、『シェア畑』利用者が不在時には農園の管理も代行(有料オプション)してくれる。
ベジトレ
イベント参加時に配布される資料類。学習シートは会場で用いるだけでなく、家庭でのベジトレにも役立つ。
農業風景
クイズ形式で行われる学習の主役は、もちろん子供たち。トマトやピーマンといった野菜の見分け方を、元気よく答えていた。

美味しい野菜の見分け方を学んだら、いよいよ収穫体験がスタート。長梅雨の影響で、今年はやや不作らしいが、それでも立派に育ったナスやトマトの姿は十分に魅力的にみえる。

農業風景
事前の予想よりも男性の参加者が多かったのは意外。特に農業体験では、率先して収穫を楽しむ父親の姿が目立っていた。
親子
初めて自分で収穫した野菜を抱いてニッコリ記念写真。

子供たちはもちろん、両親も初めて野菜の収穫をするという人が多かったようで、親子揃って目を輝かせながら野菜と触れ合い、収穫をしていたのが印象的だった。収穫の喜びを訪ねれば「美味しそう!」と表現する子供が大半。早くもベジトレの効果が出ているようだ。

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野菜と直接触れ合うアクティビティも。野菜への興味がさらに湧く

小さな子供を交えた炎天下の農業体験ということで、収穫体験の時間は事前学習を含め30分弱。農園をあとにした一行は、提携するレストランに移動し、さらに野菜と親しむための「遊ぶ」体験をすることになる。

今回行ったのは“野菜はんこ”を使った、オリジナルのランチョンマットづくりだ。

ランチョンマット
ピーマンやニンジンなど、切り口の異なる野菜をハンコに見立て、ランチョンマットにスタンプしていく。

最終的には、野菜によって切り口の形が違うことを学ぶことが目的なのかもしれないが、ここで大切なのは、子供たちにまず「野菜って面白い!」と思ってもらうこと……なんて能書きをしなくても、最初から子供たちはエンジョイモードになっている。

制作風景
泥遊びと同じく、絵の具遊びも子供たちはみんな大好き。自由な発想で、思うままにスタンプしていく。
制作風景
大人たちも童心に返るひとときを過ごす。あっという間に「遊び」の時間は終了を迎えた。

思い思いのランチョンマットが完成したら、お次はいよいよ「食べる」体験の時間。料理研究家の阪下千恵さんが考案した、子供たちの野菜嫌い克服に役立つカレーライスを味わうことになるのだが、ここでも野菜と実際に“触れ合う”要素が盛り込まれていた。

カレーにトッピングする野菜が豊富に用意されており、自由なレイアウトが楽しめるようになっているのだ。

食事
安心して野菜を直接扱えるように、食卓には除菌シートが用意されているなど、衛生面での配慮も。
野菜タワー
野菜のタワーが完成! 小さな子供ほど、思いがけない“作品”をつくりあげていた。

トッピングという形で料理に参加する喜びを味わえることもあるためなのか、ほとんどの子供たちが野菜を含め料理を完食していた。

親たちに話を聞いたところ「イベントなら支度や片づけの面倒がないけど、家でこんな“遊び”をしたらテーブルが大変なことになってしまいますよね(笑)」という意見があったのには、思わず納得。こうしたところにも、イベントの魅力が隠されているのかもしれない。

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子供を飽きさせない構成が魅力。家族で農業体験の入り口として好適

「育てる」「遊ぶ」「食べる」という3つの体験ができるイベントの所要時間はだいたい2時間ほど。

体験風景

小さな子供たちが多かったため途中で飽きてしまうかも? という心配もあったが、進行がテキパキしていたことや全体の時間が短めだったこともあり、どの子も最後まで楽しめていたようだ。

一方、大人たちの中には、今回のイベントを通じて、あらためて農業体験に魅力を感じた人も多かった模様。『シェア畑』のサービスに関してスタッフに質問をしている姿を、あちこちで見かけたのが印象的だった。

畑

コンパクトにまとめられたイベントながら、農業体験を含む野菜にまつわる食育を包括的に行っているアグリメディアの「ベジトレ」イベント。子供たちと一緒に、無理のない範囲で農業体験をしてみたい家庭には、恰好の入門編となるのではないだろうか。

なお、アグリメディアでの次回のイベント開催は8月30日(金)、31日(土)の2日間。東京(大泉学園)、千葉(千葉検見川)、神奈川(湘南藤沢)、埼玉(川越新河岸)、大阪(箕面中央)のシェア畑でそれぞれ実施される。

「831(やさい)」の日にちなんで8歳、3歳、1歳のお子さん連れの方は野菜の収穫、あるいは野菜プレゼントが行われるそう。予約や申し込みは不要だが、野菜がなくなり次第終了とのことなので、参加したい方は早めの時間にご参加を!

次回は、「ベジトレ」イベントを主催するアグリメディアが展開する貸し農園サービス『シェア畑』について紹介する。自分の農園を気軽に手に入れたい人は、そちらもあわせて参照してほしい。


石井敏郎=取材・文 山本恭平=写真

# ベジトレ# 子供# 農業# 週末ファーマーズライフ# 食育
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