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2019.07.13

たべる

デ・ニーロとテキーラ、両者の関係を追ったら見えたディープな話


テキーラで夏の初体験●もしもあなたが、テキーラを罰ゲームの酒だと思っていたらまだまだ若輩。テキーラは世界を夢中にする今いちばんHOTな酒なのだ。多くの日本人が知らないテキーラのディープな魅力。クッとアツい酒の初体験をテキーラで!


昨今のプレミアムテキーラブームの火付け役はアメリカ西海岸であり、その優雅な嗜み方は日本でのそれとは大きな隔たりがある。我々にそう教えてくれたのは、世界最大級のテキーラバー「AGAVE(アガヴェ)」のバーテンダー兼マネージャー・佐々木宗彦さんだ。  






佐々木宗彦さん
「アガヴェ」のマネージャー兼バーテンダー。テキーラに魅せられて20年余り。現地の蒸留所やバーを訪れるなど、テキーラに関する博覧強記ぶりは業界でも知られている。テキーラカクテルのレシピは本場メキシコ仕込みで絶品。趣味は愛車のハーレーダヴィッドソンでのツーリング。

 

日本では何かと誤解されがちなテキーラだが、実は美味しいだけでなく、とてもお洒落で、カッコいい、歴史のある酒らしい。知ればきっと飲みたくなる、テキーラのディープな魅力を佐々木さんにうかがった。

あのロバート・デ・ニーロも虜にした「ポルフィディオ」の反骨精神


佐々木さんをテキーラ道へ導いた「ポルフィディオ」。なかにはサボテンのガラス細工が。ボトルのひとつひとつが職人の手作りなのだ。


今では日本テキーラ界の“プロフェッサー”である佐々木さんだが、実はキャリアのスタートからテキーラ党だったわけではないらしい。テキーラにハマったキッカケって何だったんですか?

「20年前くらいに『ポルフィディオ』というテキーラを見かけて、デザインに惹かれて買ったんです。特に期待せずに飲んだのですが、その芳醇な味わいはテキーラに抱いていた固定観念を根底からひっくり返すものでした。ちなみにこれは、あのロバート・デ・ニーロも溺愛している銘柄なんですよ」。

ダーティ・グランパ』でディック役を演じるロバート・デ・ニーロ(写真右)。


なんとあのハリウッドのレジェンド俳優まで虜にしているとは、テキーラ恐るべし。でも佐々木さんによると「ポルフィディオ」は厳密にはテキーラではないらしい。

前回紹介したとおり、メキシコの指定5州で決められた製法と原料に基づいて造られたものしか「テキーラ」とは名乗れない。ポルフィディオはそのどちらも満たしているが、メキシコの権威ある非営利団体「テキーラ規制委員会」に属していないため、名乗ることが許されないのだという。

「もともとは委員会に加盟していたのですが、脱退しました。生産者がオーストリアからやってきたニューカマーだったのですが、その飛躍的な活躍を古参の生産者たちに疎まれ、いろいろケチもつけられたみたいで。で、『だったらテキーラを名乗れなくてもいい!』と脱退したんです。

ただ、中身は紛れもなくテキーラで、その品質と味はプレミアムテキーラのなかでもトップクラス。自由な身となった今はさらに面白い試みに挑戦していますよ」。

カ、カッコいい……。その反骨精神は、ミュージカル界における世界最高峰の「トニー賞」の授賞式で「ファ○ク・トランプ!」とスピーチしたロバート・デ・ニーロの気概と通じるところがある!?



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