看板娘という名の愉悦 Vol.73好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。
ふらりと入った店が当たりだと嬉しい。水道橋の「伊賀屋」もそんな一軒だった。しかも、看板娘がいる。本連載にぴったりだ。
会計の際、店長に取材オファー。快くOKをいただいた。
そんなこんなで夜の水道橋へ。店頭では「もろこし天ぷら」の大看板が圧倒的な存在感を誇る。
前回は、これに引き寄せられるように入店したのだ。ランチライムも営業しており、夜の部は17時半から始まる。
看板娘の姿もキャッチ。席に着いてメニューを開く。
ビール、ハイボール、サワー、焼酎。どれにしようか。看板娘にオススメを尋ねると、囁くような声で「うちの日本酒は美味しいですよ〜」。
おお、こんなところにもドリンクメニューが。「『豊盃』で知られる青森の三浦酒造さんが夏限定で出している『ビキニ娘』、飲んでみますか? 知る人ぞ知る大人気の日本酒です」
1合980円。いただきましょう。
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