看板娘、登場
千代田区生まれ文京区育ちのアーバンガール、キャロさん(29歳)。
「高校時代に仲の良い女子グループで貴族みたいなあだ名を付けるのが流行って。私はキャロラインになりました」
この店は幼馴染の男性の紹介で働くことになったという。
フードメニューを見ていると、キャロさんがまた囁いた。
「前回は、『生牡蠣』と『とうもろこし天ぷら』を注文されましたよね」
すごい。1カ月ぐらい前なのによく覚えているものだ。
あまりの美味しさに感動した「とうもろこし天ぷら」(880円)はマスト。さらに、「生メカジキの串カツ」(420円)と、客のほぼ全員が頼むという「刺身盛り合わせ」(980円)も追加しよう。
とうもろこしは芯を外しているので、そのままガブッといける。
キャロさんによる刺身の解説にも感動した。もちろん、囁きボイスだ。
「インドまぐろの脳天、神奈川県の佐島漁港で揚がったヒラメと松輪沖で獲れたアジ、愛知産のトリ貝、銚子の金目鯛、島根の白イカ、宮城のホタテ。ヒラメとアジは朝締めです」
話すスピードがちょうど良く、言いよどむこともない。α波でも出ているかのようだ。
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