昨季スキーを手にした人がいれば、冬の山に再び戻ってきたスノーボーダーもいる。
雪山の前では彼らは皆、平等に雪を愛する男たちなのだ。彼らがなぜ雪山に魅せられることになったのか、その熱い想いを語ってもらった。
須摩光央さん(48歳)職業:家具店オーナー
スキー歴:20年
よく行くスノースポット:北信エリア(長野)
年間滑走日数:50日
愛車:ボルボXC70 2012年式
平日休みを活用して、年間50日も滑走する須摩光央さん。そこまでのめり込んだきっかけは、東京・中目黒に自身のショップを構えた30代前半に、仕事漬けで心身のバランスを崩してしまったことにある。
「身体の調子が悪くなって整体師に診てもらったとき、もう一度好きなことをやりなさい、と言われたんです。それで昔好きだったスキーをやろうと、ニセコへ行きました」。
ニセコには未知なる世界があった。パウダースノー、山スキーのショップ、美しい雪山を滑っている数々の写真、テレマークスキー。そうした新たな世界に夢中になるうちに仕事も身体も調子が上向きになった。だからスキーには「命の恩人です。雪を駆って得られる解放感や、冬の自然の美しさは自分のバランスを整えてくれるもの」と特別な想いを抱く。
今では踵の上がるテレマークスキーをメインに、長野の北信エリアや北海道、海外にまで訪れることも。気の合う仲間や奥さまとともに、大人のスキーライフを満喫している。
雪山を滑れて歩けるテレマークを始めて、スキーがもっと楽しくなったんです
「ブリザード」のスキー板
初めて履いたときに性能の良さに驚いたという「ブリザード」は、テレマーク仕様で使用している。ヨーロッパのスキーブランドならではの、スピードに強い品質と落ち着いたグラフィックが好み。
上品なネイビーが大人の選択
「フーディニ」のスキーウェア
スリーシーズンにわたり愛用しているウェアは、東京・自由が丘にあるショップ「2ドアーズ」で購入。上下ネイビーのワントーンでシックにまとめ、小物はホワイトでコーディネイト。テレマークスキーのゆったり感に調和する。ソフトシェルなので動きやすさも抜群。
「オンスリーピー」のスキー板、ビリーゴート179
米国ポートランドを旅しているときに出会った「オンスリーピー」は、ハンドメイドのスキーブランド。オンラインで購入した際には、ウッドシートの張り替えオプション付きでオーダーした。
「ボーゲン」のダウンパーカ
昨年購入し、着心地、使い勝手が最高で、スキーに行くときに着ていく定番アイテム。スウェットパーカのようなカジュアルさを持ちながら、ダウンという逸品。財布や携帯がすっぽりと入る大きなポケットも◎。街着にも使える。
「アルバ」のバックパック
バックカントリーで滑走するときに使用するバックパックは、6年前に原宿で購入。アバランチ(雪崩)ギア専門のブランドで、レスキューを第一に考えられた機能が盛り込まれている。
「スカルパ」のテレマーク用ブーツ、T2 ECOと「ソレル」のスノーブーツ
左●テレマークスキーを始めた4年前に購入したテレマークブーツ。北海道のニセコにある専門店「トイル」のオーナー、高梨穣さんのおすすめで、ゲレンデからツアースキーまで活躍してくれる。
右●北海道や八甲田など、自走で行かないときの足元は必ず「ソレル」。いつ買ったのか覚えていないほど愛用しているこのモデルは、レッグの長さと厚みが程良く、動きやすいのがいい。
「クレトム」のスノーブラシ
ガソリンスタンドで購入したスノーブラシは、ゴム、ブラシ、スクレーパーが組み合わさった伸縮する仕様。これさえあれば、夜の間に雪が車に積もっても朝イチのリフトに出遅れない。
SNOW STYLE NEWSスノーボードブランドの雄「バートン」から1990年代テイストのモデルが登場世界中でスノーボードが花開いた1990年代前半。往時を思わせるデザインを最新マテリアルにのせたアイテムが、「バートン」からリリースされた。このレトロコレクションでは、ボードからソックスにいたるアイテムを用意。当時を知る、我らオッサンの心をときめかせてくれる。
PAK OK SUN(CUBE)、高橋賢勇、板倉淳夫=写真 野上大介、尾日向梨沙、高橋 淳=取材・文