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2018.12.26

ライフ

フェアな関係を望み、選んだ「事実婚」。自分らしい”結婚”を実現した夫婦【後編】

[前編はこちら

事実婚の良さは、自分たちらしく「カスタマイズ」できること


一般的な法律婚であれば、基本的には婚姻届の提出をもって「結婚」は成立する。受理後、法律に則って夫婦の義務や権利が生じることになる。
一方、「事実婚」の場合、法律婚と同等レベルの夫婦関係を作るためには、さまざまな手続きを踏む必要がある。ただ、それをどこまでやるかはあくまで当人たち次第。夫婦の状況や希望に合わせ、“カスタマイズ”できるのが事実婚の特徴だと晋太朗さんは言う。
晋太朗さん「事実婚という言葉の定義は広く、簡単に言ってしまえば“法律婚ではない結婚関係の形はすべて事実婚”ということになります。ですから、人によってスタンスもやり方も全く違う。法律でパッケージ化された法律婚とは異なり、自分たちの意思で互いの権利や義務を設定し、ありたい形にするのが事実婚なのではないかと考えています」。
例えば、ふたりの住民票の世帯を同一化することで、事実婚の証明とするケースもあれば、夫婦間で契約書などを交わし、法律婚における権利や義務を明文化することもある。
晋太朗さんと萌子さんの場合、「責任ある家庭生活を確立させたい」という意思のもと、「事実婚に関する契約公正証書」を作成。契約書を交わすことで、夫婦別姓を維持したまま法的な結婚に近い関係を結んでいる。
取材では、実際の公正証書と遺言書を見せていただいた。
萌子さん「契約書は全部で25カ条。行政書士の水口尚亮さんのサポートを受けながら作成しました。水口さん自身も事実婚をされていて公正証書も作成していたので、水口さんの契約書の雛形をベースに、自分たちに合う形に変更しています」。


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