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2018.09.17

ライフ

バナナの叩き売りから、大学院へ進学。公認会計士の道へ進んだ男


連載「37.5歳の人生スナップ」
人生の折り返し地点、自分なりに踠いて生き抜いてきた。しかし、このままでいいのかと立ち止まりたくなることもある。この連載は、ユニークなライフスタイルを選んだ、男たちを描くルポルタージュ。彼らの生活・考えを覗いてみてほしい。生き方のヒントが見つかるはずだ。
「37.5歳の人生スナップ」を最初から読む

現在、公認会計士見習いとして東京の大手監査法人に勤める鎌田三郎さん(33歳)。真面目で誠実な人柄は、その見た目にも表れている。「監査」というと、よく耳にする割にいまいちピンとこないが、一体どんな仕事なのか?
「相手は千差万別ですが、今、大きなやりがいをもって臨んでいる仕事相手は自治体です。自治体がやるべきことに予算をつけ、正しくその予算を管理・使用しているかを、資料やヒアリング、現地調査を通して監査しています」。
公認会計士といえば、合格することが非常に難しいとされる、医者・弁護士と並ぶ、三大士業の一角だ。しかし鎌田さん、ストレートでこの道に進んだわけではなかった。大学卒業後、就職して社会に出るものの、26歳で大学院に入り直した。過去にはバナナの叩き売りを往来で行ったり、ベンチャー企業で働いていた経歴もある。
「現在の会社には、ずっと勤めたいと思っています。経験を積んで一人前になった40歳頃には、地元・福岡に転勤したいと入社当初から相談もしているんです」。
今でこそ、いかにも“勤め人”然としたキャリアパスを語る鎌田さんだが、幼い頃から自営業の父の背中をみながら、独立を意識しながら生きてきた。大きな方針転換にも思える選択だが、なぜ鎌田さんは、公認会計士という道を選ぶことになったのだろうか?


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