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2018.08.14

ライフ

不便さが心地いい。八ヶ岳の麓でカフェを営む元ビームス店長


連載「37.5歳の人生スナップ」
もうすぐ人生の折り返し地点、自分なりに踠いて生き抜いてきた。しかし、このままでいいのかと立ち止まりたくなることもある。この連載は、ユニークなライフスタイルを選んだ、男たちを描くルポルタージュ。生き方のヒントが見つかるはずだ。
「37.5歳の人生スナップ」を最初から読む

生まれ育った長野県原村にオープンしたブックカフェ

八ヶ岳の麓に位置する長野県原村の別荘地には、連休や夏季休暇の時期になると、豊かな自然を求めて都会から人が集まってくる。
そこで彼らの新たな憩いの場となっているのが、今年6月30日にオープンしたブックカフェ「K」だ。

建物は全面ガラス張りのドーム型。雄大な八ヶ岳の自然をパノラマビューで一望でき、緑に囲まれた明るい店内には爽やかな風が吹き抜ける。
店主の伊藤拓也さん(38歳)は、ここ原村の出身だ。現在は両親が住む家で兄を含めた4人で暮らしている。この時期の原村は避暑に訪れる人で賑わい、ブックカフェも大盛況だという。
開放感のあるオープンスペース。
店内には子供が遊べるスペースも完備している。
営業時間は11時から21時まで。伊藤さんは朝9時ごろから準備を始め、閉店後も遅いときは24時ごろまで働く。それでも、「ハードですが、毎日楽しいですよ」と爽やかに笑い、カウンターに立ち続ける。

しかし、飲食店の仕事をするのは、じつはこれが初めて。伊藤さんは、昨年11月まで大手セレクトショップ「BEAMS(ビームス)」の店長を務めていた経歴を持っているのだ。ファッション業界から飲食業界への転身。なぜ伊藤さんはそんな選択をしたのだろうか?


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