看板娘という名の愉悦 Vol.21
好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。
数年に1度程度しか訪れないが、なんとなく好感を抱いている街がある。江古田もそのひとつだ。
地名は「えごた」で駅名は「えこだ」と読むが、ほとんどの人は「えこだ」の方に馴染みがあるのではないだろうか。
北口を出て3分ほど歩くと、「とろわる」という名店がある。名店には往々にして看板娘がいる。
店内に入ると、さっそく大勢の客で賑わっていた。
どうやら、地元の人に愛されている店のようだ。皆さん、くつろいだ表情で楽しそうに飲んでいらっしゃる。
2/3