特集「男はどうして旅に出るのか?」
なぜ旅は、いつの時代も男心をかき乱すのか。年を重ねると、長旅に時間を割くいとまもないかもしれない。しかしそこには紛れもなくロマンがあり、胸を熱くする体験が待つに違いない。そんな旅の前段で、楽しくも難しいのがパッキング。その道のプロにテクニックを教わろう。日用品や着替えのほかに、“夢”もたっぷり詰め込みたい!
着替えやケアグッズ、現地で使うバッグ……など、旅行へ持って行くアイテムはたくさんの準備が必要。「このオーガナイザー、パッキングに便利そう」「旅先でこのバッグ使えそう」なんて、旅行用アイテムをあれこれ買ってしまうかもしれないけど、本当に使える便利なモノは限られている。それなら、旅の達人の愛用品を見せてもらえば、アイテム選びのコツが得られるかも。
旅の愛用品を見せてくれたのは、F/CE.のディレクターを務める山根敏史さん。F/CE.はバッグを中心にユニセックスで使えるウェアや小物を世に送り出しているブランド。第4回TOKYO FASHION AWARDを受賞し、先日3月末に初のコレクションをランウェイ形式で発表したばかりだ。
シーズンごとにひとつの国をテーマに定めたコレクションを発表しているため、イマジネーションを広げようとさまざまな国を訪れてきたのだそう。また、海外からの人気も高いバンドtoeのベーシストとしても活動を行う山根さん。ツアーで世界中を飛び回ることも多いという、まさに旅の達人!
増える小銭をスマートに。コインケースが取り出せるウォレット
ホーウィン社のクロムエクセルレザーを使用したトラベル ウォレット。小銭入れが差し込み式になっているので、ちょっと近くのコンビニへ、なんて場合は小銭入れだけで出掛けることも。
「僕はあまり小銭を増やしたくない派で。海外ではカードを使うことがほとんどなので、コインケースはホテルに置いて本体だけを持ち歩きます」。
日本未発売! ちょっと目を引くデザインのZiplocの圧縮袋
「完全にデザインだけで選びました」というジップロックの圧縮袋。フードコンテナや、食品を保存する袋のイメージが強いアメリカ生まれの密閉グッズブランドだが、本国ではこんなアイテムを展開している。
かさばるウエア類の収納には、やはり便利。このデザインなら人前に出してもカッコいいはず。ちなみに、旅先にはTシャツを多めに持って行くという山根さん。インナーとして体温調整の役割も果たすTシャツは、さっと着替えができて便利。
PCスリーブ付きバックパックは、ビジネスマンの強い味方
セイルクロス世界トップシェアを誇る、 “X-PAC”という生地を採用したバックパック、X-PAC DAY。X-PACはアメリカのDIMENSION-POLYANT社が開発した特殊な素材。防水性も高く軽量なので、旅先で突然の雨に降られても安心。
また、PCスリーブも付くが、これは山根さん自身の経験から生まれた仕様。PCスリーブがつけば、出張先での携帯バッグ、機内持ち込み用にこれひとつで手荷物のパッキングが可能になる。旅先にPCやタブレットを持っていきたい人はもちろん、出張の際にもありがたい。
用途を選ばない、防水ジップ付きガッジェットケース
海外を訪れた際は、資料として動画や写真を撮るため、ビデオカメラやデジカメは必需品。こちらはF/CE.で展開するDRY LINEのプロトタイプのポーチ。中にクッションが入り、仕切りが付く。
また無縫製・完全防水になっているので、水に濡らしたくないガジェット収納にももってこい。2児の父親という顔も持つ山根さんにとって、子供の成長記録にハンディカメラはマストアイテム。これなら安心して野外でも記録を残せそう。
思い出兼収納として。国別に分けた海外通貨
これまで何十カ国と旅して来た山根さん。訪れたことのある国の通貨は、再度訪れた際にまた使えるようにと国別に分け、わかりやすいようにビニールの袋に保管。一度行ったことのある国へ行く場合は、お金の袋ごと持って行くそう。今では12カ国分のお金が保管されている。
「おもしろいことに、街がキレイな国はお札もキレイです。海外の紙幣はデザインがおしゃれで、見ているだけでも楽しい」と、デザイナーらしい目線で教えてくれた。
手ぶら派の相棒は、サコッシュが間違いなし
「極力、荷物を持ちたくない」と話す山根さんは、普段から手ぶら派。それでも何かと荷物が必要になる旅先では、サコッシュが便利だそう。最近愛用しているサコッシュは、こちらも先ほど紹介したバックパックと同じ耐久性・防水性の高いX-PACを採用したX-PAC SACOCHE L。
ちなみに、海外でホテルの外に出る際は、荷物を減らすためパスポートをコピーして持ち歩くそう。そんな時も、本体と前ポケットが付くこのデザインなら、細々したモノが取り出しやすく収納できる。長財布が入る大きさも、デイリーユースで活躍してくれる。
モノの多さ=パッキングのスマートさではない!
旅行に出張など、外泊の多い人はパッキングにまつわるアイテムが増えてしまいがち。しかし、年に数回しか使わない旅行用のアイテムだけが増えるのはもったいない! 山根さんのように、「日常でも旅先でも」という視点でのアイテム選びは大いにアリかも。不用意にクローゼットのアイテムを増やさずに済むばかりではなく、使い慣れたアイテムで旅に出かけられるなど、なかなかメリットがありそうだ。
取材・文=川村しより(RIDE MEDIA&DESIGN)