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2021.09.25

あそぶ

仕事の“付き合い”で走り始めた30代ランナーがハマった「試行錯誤の面白さ」

大坪航
「Running Up-Date」とは……
湘南の海沿いを走る国道134号。特に鎌倉から江ノ島までの間はちょっとしたランニングのメッカだ。
南側に開けた海面は陽光をキラキラと反射し、波の音に混じってSUP乗りたちの嬌声がどこからともなく聞こえてくる。BGMは海鳥の鳴き声だ。
向こうからはショーツ一枚姿の年配ランナーがゆっくりと近づいてくる。犬の散歩をしてるローカルと、同じ道を共有しながら。
ビーチリゾートに足を伸ばしたら「海岸沿いを走る」という人も少なくないと思うけれど、この辺ではそれが日常のひとコマになっている。

取引先に誘われて、いきなりフルマラソンデビュー

都内の印刷会社でセールスプロモーション業務を担う大坪航さんは、134号沿いの由比ヶ浜を望むマンションに住んでいる。時世柄、テレワークの日が増え、現在の住環境の恩恵を満喫しているひとりだ。
学生時代は、いや社会人になってからも、柔道や相撲で体を鍛えていただけあって、よく引き締まった体躯の持ち主だ。趣味はキャンプと筋トレ。
そして、3年前からはランニングにもハマっている。お気に入りはもちろん、134号の海沿いを心地よいペースでクルージングすることだ。
大坪航
「取引先にフルマラソンを走るようなランナーの方がいて、『今度レースに出てみませんか?』とお誘いいただいたんですよね。それがちょうど2019年のことで、11月にある横浜マラソンという大会に出ることになりました」。
その時点でランニング経験はゼロ。しかし、もともとアクティブな趣味を楽しんでいたぶん抵抗もなく、フットワーク軽く走ってみることに。
初マラソンは4時間37分で見事完走。そこで、ランニングならではの、数字を追う楽しさに気が付いたと言う。
「当たり前に思われるかもしれませんが、それまで対人スポーツをやっていた身としては、一歩ずつ前に進んでいく感覚に新鮮味がありました。
ランニングって、距離だったりタイムだったり、ひとつひとつ目標を達成することに喜びを感じられるのがいい。その点は筋トレとも似ていて、体を動かすモチベーションが得やすいと思います」。
大坪航
現在、ランニングのペースは週に2回ほど。土日どちらかの朝に、134号沿いを15kmほど走るのと、毎週水曜日の夜に逗子・葉山界隈を起点とするトレイル&ランニングチーム「ランボーズ」の練習会に参加して、仲間と汗を流している。
「今年からトレイルランに出合って、走る面白さがアップデートされました。キャンプ好きでアウトドアをずっとやっていたこともあって、森の中で自然を感じながら体を動かすトレイルランは最高に気持ちが良いんです。
トレイルランのレースはまだ1回しか出たことがありませんが、フィジカルもメンタルも、タフさが試されるので、そこも面白い」。
まだやっている人が少ないので、取引先や馴染みの店での会話のネタにもなっているとか。


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