2021.07.04
LEISURE

’92年製ゴルフカブリオレ・クラシックラインでキャンプ!積載ギアがすべて黒なワケ

「突撃、隣のキャンプカー!」とは……

今回突撃したのは、横浜・山手に住む一級建築士の土田拓也さん。築40年のマンションを自らの手で設計・リノベーションしたこだわりの自宅で、奥様と愛犬と生活を送る。週末はサーフィンをメインに楽しむアクティブ派だ。

デザインと機能性、そして快適さを追究するのが仕事の建築家は、どんなキャンプスタイルを築いているのか。土田さんの車やキャンプへかける思いを聞いた。

土田拓也さん●「no.555 一級建築士事務所」代表。福島県生まれ。関東学院大学建設工学科卒業。使われ出して「ちょうどいい」建築を目指している。
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乗り続けて16年、メンテナンスは購入費の3倍!?

落ち着いたボルドーが美しい土田さんのキャンプカーは、’92年製の「ゴルフカブリオレ・クラシックライン」。購入したのは2004年で、かれこれ16年選手になる。

ゴルフカブリオレ・クラシックラインはフォルクスワーゲンのなかでも特別な人気モデルで、日本でもマニアックなファンが多い。もちろん、土田さんも例に漏れず並々ならぬ愛を注いでいる。

16年間で故障した回数はそれなりだが、「もともと物は必ず壊れるものだし、修理して乗ればいい」と土田さんは考えている。

クラシックな車種だが、ボタンひとつでオープンカーに早変わり!

「修理した回数なんて、わからないくらいですよ(笑)。その費用は、車を買った金額の3倍くらいはかかっていますが、高級車を購入するよりは経済的だと思います」。

維持の苦労はそれなりだと思うが、その手間を上回る美点とは一体、どこにあるのだろう。

「好きなものに手間をかけるって、最高に楽しいんですよ。行きつけの修理屋から元気になって戻ってくるとすごくうれしいし。周りにも不思議がられますけど、面倒を見ること自体が喜びなんですよね」。

手塩にかけるとはまさにこのこと。ちなみに、積み重なる修理費については、そろそろ奥様へ改めて弁明する必要があるのだそう……(笑)。

 

ドイツ製へのこだわりは祖母からの伝言

見るからに重そうなハンドルだが、それも“乗っている感”を味わえる醍醐味のひとつ。車への愛情あってこそか、16年間で1度も事故はないそうだ。

社会人になって以降はゴルフll、カブリオレと、ゴルフだけを愛車にしてきたという土田さんだが、これにこだわる理由も実に興味深かった。

「小学生のときにおばあちゃんからボールペンをもらったんですけど、それがドイツ製だったんですよ。品質が良くて、デザインに無駄がない。『まさにそれがドイツ製なんだ』って、おばあちゃんが言っていて。それがずっと記憶に残っていて、すっかり意識するようになりましたね(笑)」。

祖母の影響もあって、土田さんのゴルフ偏愛は頑なで一途。ほかの車種が選択肢に入る余地もない。

「仕事用にフランス車のカングーを買いましたけど、現行車らしく、普通に快適すぎるんですよね(笑)。ゴルフはやっぱり品があるし、乗り心地もちょうどいい。16年間乗っていますが、これからも乗り換えることはないと思います」。

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トランクに積むのは必要最小限のギアたち

16年間も同じ車に乗り続けるだけあって、土田さんはとにかくモノ持ちがいい。キャンプギアを拝見すると、モノに対する姿勢が一貫しているのがわかる。

「この飯盒(はんごう)は30年ものだし、小学生のボーイスカウトで使っていたアルミのプレートなんてもっと古いかな。それもまだ使えますよ。一回買ったら、ずっと使うタチなんですよね」。

30年使い続けているという年季の入った飯盒。

モノ持ちがいいとは言え、新しいものを拒絶しているわけでもない。ワンタッチで開くテントがあると聞けば、もちろん興味は湧くし、欲しいとも思う。それでも、キャンプショップに足を運ぶことはないという。その理由は……

「見ると欲しくなるので、新しいギアは見ないようにしています(笑)。キャンプショップにも行きません。やっぱり僕の場合は、幼少期のボーイスカウトがキャンプの原点で、なんだかんだそのスタイルがいちばん好きなんです」。

ソロキャンプのときなどは、このバックパックひとつで十分なのだという。

言わずもがな、ボーイスカウトは野外活動を通して子供たちの自発性を育む取り組みだ。

そこで行われるキャンプは、レジャーというよりもサバイバルに近い。必要最小限のギアを使い、火おこしから防寒などを学ぶのが基本で、土田さんのバックボーンもまさにボーイスカウト・スタイルである。

「家のリビングをそのまま外に持ってきました、みたいなキャンプは好みじゃないので(笑)。ギアも必要最小限で、トランクに積めるだけの量しか持っていきません」。

カブリオレのトランクはとにかくコンパクト! 車を仕事で使うこともあるため、ギアの積みっぱなしはNG。

クラシックラインのバックドアは、他の車と比べて決して大きくない。むしろ、軽自動車とそう変わらない容量だ。それでも厳選したギアはすべて収納できるし、当然、夫婦で楽しめるだけのキャンプ道具は揃っている。

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コンパクトなトランクに積んだコンパクトなギア類

キャンプギアをほぼ黒で統一しているのは、ボルドーの車体に配慮してだという。「3年前までヒルバーグの赤いテントを使っていましたが、車の横に設置すると色が喧嘩しちゃって。それで黒のムラコに変えました」。

土田さんがトランクに積むのは、3人用のテントやウォータージャグ、チェアやクーラーボックス、カトラリーなど。

本当にキャンプに事足りるのか? と首をかしげたくなる量だが、もちろん問題なし。むしろ、積むのも降ろすのも苦にならない量が絶対条件だという。

「荷物が多いと積むのも下ろすのも大変でしょう? それに、時間も取られたくないんですよね。家に着いて荷物を下ろして元の場所に戻す。荷物が多いと、それが大変だからキャンプを辞めたという話も聞くので」。

土田さん夫妻は、なんと荷物の積み込みから発車まで20分程度で済むそうだ。

水陸両用のノースフェイスのパンツや速乾性のあるルームウェアとタオル、ビーサンにキャップ。古くなれば買い換えるものもあるが、このセット内容は30年変わらない。この一式だけは常に車に積んでいる。

「あ、そうそう。この袋には、僕の命を守るツールが入ってるんですよ」。

そう話してギアの中からコンパクトな袋を選んで指を指した土田さん。

「ビーチサンダルと短パン、Tシャツとキャップ、タオルが入っていますが、これさえあれば、いつでもどこでも海に入れる。暑くて暑くてどうしようもないときに、僕の命を守ってくれるツールです」。

 

無駄を省き徹底的に遊ぶスタイル

100%遊びに振り切ってアウトドアを楽しむ土田さんは、キャンプ飯にも特に興味なし。

「料理はそうめんを茹でるだけでOKです。料理をしている時間があるなら、水浴びに時間を割きたい派ですから。20代の頃は仕事で忙しくて、なかなか休みも取れなかったのですが、10日間の休みが取れたときはテントとサーフボードだけ持って無人島で野営しました。しかも全裸で(笑)」。

ちなみに、そのときは全身がひどく日焼けして、どエライ目に遭ったのだとか。根っからの遊び人であることが伝わってくるエピソードである。

「やっぱり、僕は普段の生活とは違う何か特別なことを思い切りしたいんですよね。そんなライフスタイルを支えてくれるのが、この車なんです」。

そんな土田さんの愛車をいつもケアしてくれているのが、日本唯一のゴルフII専門店「スピニングガレージ」。土田さんのキャンプカーを語るには、どうやらこの稀有なカーショップの存在にも触れなければならない。

ということで、次回に続く!

「突撃、隣のキャンプカー!」とは……
キャンプスタイルは十人十色。それぞれ魅力がある。だからこそ気になるんだ。隣でテントを張っているあの人たちがどんな車に、どんなギアを詰め込んでいるのかが……。ってことで、正面から突撃。バックドアをご開帳〜!
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山本 大=写真 ぎぎまき=取材・文

# アウトドア# キャンプカー# ゴルフ
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