トランクに積むのは必要最小限のギアたち
16年間も同じ車に乗り続けるだけあって、土田さんはとにかくモノ持ちがいい。キャンプギアを拝見すると、モノに対する姿勢が一貫しているのがわかる。
「この飯盒(はんごう)は30年ものだし、小学生のボーイスカウトで使っていたアルミのプレートなんてもっと古いかな。それもまだ使えますよ。一回買ったら、ずっと使うタチなんですよね」。
モノ持ちがいいとは言え、新しいものを拒絶しているわけでもない。ワンタッチで開くテントがあると聞けば、もちろん興味は湧くし、欲しいとも思う。それでも、キャンプショップに足を運ぶことはないという。その理由は……
「見ると欲しくなるので、新しいギアは見ないようにしています(笑)。キャンプショップにも行きません。やっぱり僕の場合は、幼少期のボーイスカウトがキャンプの原点で、なんだかんだそのスタイルがいちばん好きなんです」。
言わずもがな、ボーイスカウトは野外活動を通して子供たちの自発性を育む取り組みだ。
そこで行われるキャンプは、レジャーというよりもサバイバルに近い。必要最小限のギアを使い、火おこしから防寒などを学ぶのが基本で、土田さんのバックボーンもまさにボーイスカウト・スタイルである。
「家のリビングをそのまま外に持ってきました、みたいなキャンプは好みじゃないので(笑)。ギアも必要最小限で、トランクに積めるだけの量しか持っていきません」。
クラシックラインのバックドアは、他の車と比べて決して大きくない。むしろ、軽自動車とそう変わらない容量だ。それでも厳選したギアはすべて収納できるし、当然、夫婦で楽しめるだけのキャンプ道具は揃っている。
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