休日にフラッと家を出て、本を求めて書店をハシゴする――神保町ではよく見られる光景だ。
特に古本屋で貴重なアーカイブを求めてさまよう人は後を絶たないが、実は古本屋には、店頭にはなかなか並ばない貴重なお宝もたくさん眠っている。そんなお宝の数々が現在、渋谷パルコで“蔵出し”されているのをご存知だろうか。
渋谷パルコの「ポップ バイ ジュン(POP BY JUN)」で開催中のアートブックフェア、その名も“蔵出し”。全3章で構成されるポップアップシリーズの第1章目として今回出店したのが、海外のアートやカルチャー好きの巡礼地として知られる古書の老舗「小宮山書店」。
キュレーターは20年以上にわたって「ボンジュールレコード」でディレクションを行ってきた選曲家の
上村真俊さん が担当。彼の作り上げた独創的な空間は、パルコの一画で特別な存在感を発揮している。
店内壁面は横尾忠則のポスターがウォールジャック。 存在感を放つ90年代ギャル雑誌代表、『egg』。 店内を彩るのは、ブルース・ウェーバーをはじめとした海外アーティストの写真集や、『i-D』や『ELLE』などの海外誌。国内ものでは森山大道やアラーキーなど大御所写真家の写真集や『スタジオボイス』など、オーシャンズ世代が思わず興奮してしまう懐かしの雑誌も並んでいる。
売り切れ続出の『スタジオボイス』。 エロティックアートの取り扱いも豊富な小宮山書店。有名なブルース・ウェーバーの男性ヌードの他にも神保町の店舗ではアジアのゲイ向け写真集なども並び、男のエロスも売り出すなど時代の先端を行く書店である。
男のエロス満載、開放感抜群のブルースの写真集。 ケイト・モスのポスターの上に三島由紀夫の直筆の書が掛けられるなど、その空間は身を置くだけでも刺激的だ。
思わず見入ってしまう三島由紀夫、直筆の書。 なんと、オンラインでも
特設サイト が設けられており、店頭に並ぶ希少な写真集やアートピースの購入が可能。もちろん、商品は基本的に一点ものばかり。売り切れ御免である。
自分の世界観を打ち砕く、または豊かにしてくれる、そんな時代を超えた作品に遭遇できるこのポップアップストア。第1章の開催は6月28日(日)まで。アートやカルチャーの歴史を感じたい人は、ぜひ足を運んでみよう。
[イベント詳細] “蔵出し” 期間:6月13日(土)〜28日(日) 住所:東京都渋谷区宇田川町151 渋谷PARCO 1F POP BY JUN 営業:11:00〜20:00 www.junonline.jp/special/popbyjun-kuradashi [問い合わせ] ジュンカスタマーセンター 0120-298-133 小宮山書店=写真提供