Camp Gear Note Vol.31
2020.02.16
LEISURE

わずか2.2kgで折りたたんで背負える!「ココペリ」が作る船のポテンシャル

連載「Camp Gear Note」
90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。

 ココペリ

自分だけの船を所有することは男のロマンだろう。船があれば誰もいない場所まで行き、ひとり静かに釣り糸を垂れることだって、愛犬と共に川をのんびりと下ることだってできる。想像は膨らむばかりだ。

とはいえ、現実は厳しい。船といえばそれなりに値段が張るし、そもそもうちに船を置いておける場所なんてないのは明白だ……。

しかし、あるところにはあるのだ。お手頃な価格で、しかも小さく畳めて、背負えるほど軽い船が。アメリカ・デンバー発のブランド、ココペリが作る「パックラフト」と呼ばれる超軽量の船こそが、あなたの夢を叶えてくれるかもしれない。

ココペリ

アラスカの大自然を自由に旅するために生まれた

ココペリを語る前に、まずパックラフトとはどのような船なのかを知る必要があるだろう。

そもそも、パックラフトとは名前の通り、パック(収納)できるラフトボート(船)のこと。折りたためて、背負って移動できるように設計された超軽量なボートで、2000年代になって登場した新しいアウトドア道具だ。

ココペリ
収納時はバックパックに収まるほどのサイズに畳むことができる。

もともとはアラスカの奥地を旅するような人たちが、川や湖を渡ったり、下ったりするための移動手段として生まれた。

ココペリ
トレッキングを楽しんだ帰りに、船を膨らませて帰ってくるなんて使い方もあり。

パックラフトの船としてのポテンシャルに着目した耳の早いアウトドア好きたちが、フィールドに持ち出し始めたのが2010年代。彼らは登山や自転車と組み合わせることで、新たなフィールドと楽しみ方を次々と開発していった。以降、さまざまなブランドが参入し、世界中に愛好者を増やし続けている注目のギアなのである。

まあ、細々と説明するよりも、まずは動画を見てもらうのがパックラフトの世界観を理解してもらう近道だろう。

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パックラフトとインフレータブルカヤックを比較してみよう

ココペリ
[写真左]がパックラフト、[写真右]がインフレータブルカヤック。両サイドのチューブの大きさが高い浮力の秘密。尖って見える方がお尻側。

従来のインフレータブルカヤック(折り畳んで収納でき、使用時は膨らませて使うモデル)との違いは、なんといっても重量と収納性。従来のひとり乗り用モデルが10〜15kgほどあったのに対し、ココペリのパックラフトはモデルによっては3kg以下のものもあるほど圧倒的に軽い。川下りの途中に浅い場所や堰堤では、簡単に背負って歩けることもメリットだ。小さく折り畳めるので、持ち運び時だけでなく、収納時に場所も取らない。

また、両サイドの大きなチューブに空気を充填するため、高い浮力と安定感が出る。この構造により喫水(船の水に沈んでいる部分)が浅くなり、水深の浅い川も船底を擦らずに楽々クリアできるのだ(水深50cmほどあればOK!)。

ココペリ
両サイドの大きなチューブが高い浮力の秘密。尖って見える方がお尻側。

反面、丸っこいフォルムなので直進性が低く(漕いでも進みづらいが、回転性能は高い)、水から出ている部分が多いので風の影響を受けやすいのがデメリット。この点は、静水域や川下り(あまり漕いで移動する必要性が薄い)を主な使用用途に設定して作られているからだろう。荷物の積載能力においては、インフレータブルカヤックのほうが上だ。

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設営はわずか10分ほどで完了!

カヤックをメインに扱ってきた会社など、現在は数多くのブランドがパックラフト開発に参入し始めている。そんななか、ココペリはパックラフト専門ブランドとして、2014年にクラウドファウンディングで立ち上がった会社である。

他社と比べての特徴は、軽さを追求しつつも、「丈夫さ=安全性」に重きを置いていること。ちょっと特殊な道具であるパックラフトだが、これから使ってみたいユーザーに対して敷居を下げてくれる扱いやすさ、ハードユーザーの要望にも応える頑丈さを併せ持っているのだ。

また、専門メーカーならではの気の利いた細部の作り込みからも、彼らの意志を感じることができる。専用の袋を使えば、10分もあれば設営は完了してしまう。

ココペリ
膨らませた袋を抱きしめるようにして空気を送る。
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まずは静水域での使用がおすすめだが……

ココペリ
岸からは歩いて行けないポイントでの釣りや、クライミングポイントへのアプローチなど、使い方は無限大だ。

荷物の積載量や安定性を考慮して、日本総代理店を務めるモンベルでは、まずは湖や入江など静水域での使用をおすすめしている。リバーツーリングやリバーランニングでは、従来のインフレータブルカヤックやホワイトウォーターカヤックに利があるからだ。

ココペリ
ハードなホワイトウォーターで使えるモデルの開発も進んでいる。

しかし、このアクティビティとギア自体がまだ発展途上にあり、遊び方もまだ確立されていないのが事実。海外では、釣り船のように使ったり、ホワイトウォーターカヤックとして使ったりと、年々その用途は広がりをみせている。

日本でも、首都圏であれば多摩川や桂川など電車でのアクセスが容易な川だけでなく、山間部の源流域や山上湖や島旅など、背負って歩けるメリットを活かしたフィールド開発が熱心に行われている。

ココペリ
生地が丈夫なので釣りに使っても問題ない。場所によっては、魚を独り占めできるかも?

ちなみに、ココペリの3名の創業者も熱心なアウトドア愛好家である。仕事が忙しくなると、彼らの遊びに行く時間は減ってしまう。ビジネスではあるが、日本からのオーダーがたくさん届くとちょっと嫌がるのだそうだ。

そんな本当にアウトドア遊びが好きな人たちが手掛ける船だからこそ、信頼がおけるのである。日本からたくさんの注文を送って、彼らを困らせてやろうじゃないか。

ココペリ

[問い合わせ]
モンベル・カスタマー・サービス
0088-22-0031(フリーコール ※携帯電話、IP電話などから利用不可)
06-6536-5740
www.montbell.jp

池田 圭=取材・文 宇佐美博之=写真

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