たのしい睡眠 Vol.12
2020.05.12
HEALTH

ひとつでも当てはまれば要注意! ”睡眠の質”の良し悪しがわかる10のチェックリスト

「たのしい睡眠」とは……

厚生労働省が発表している、新型コロナウイルス感染予防対策のひとつとして盛り込まれているのが「普段から十分な睡眠を心がけること」。

睡眠が心身の疲れをとることで免疫力が高まり、新型コロナウイルスに打ち克つ体づくりに良い影響を与えることが医学的に明らかになっているからだ。ただし、ただ眠ればいいというわけではない。

睡眠は量より質。質が低ければ、免疫力を高める効果は半減してしまうのだ。そこで今回は、睡眠の質を高めるための方策を紹介していこう。

心と体の状態をチェックして、睡眠の質を自己評価してみよう

「睡眠負債」という言葉に注目が集まるなど、ここ数年、睡眠の質の重要性がクローズアップされている。睡眠の主な働きとしてあげられるのは、損傷した身体組織の修復、心のメンテナンス、体内時計の調整、記憶の定着。

これらは、人間が健康的に社会生活を営むうえで最低限必要な要素といえる。このことから、いかに睡眠は重要なものかが理解できるだろう。しかし、「質の高い睡眠」とは具体的にどのようなものなのかがわからないと思っている人は多いのではないだろうか?

端的にいえば、睡眠の質の判断基準は、「心と体の両方の疲労をとれているか否か」だ。ここで、睡眠の質が高いのか低いのかを客観的に判断する、10の要素をご紹介する。下記の項目をチェックして、ひとつでも当てはまるようなら睡眠の質が低下している可能性大だ。

①目覚めたときになんとなく体がダルい、眠気が強い。
②朝食を美味しく食べられない。食欲がない。
③日中、強い眠気に襲われることが多い(通勤電車で居眠りすることが多い)。
④布団に入ると5分以内に寝てしまう。
⑤寝る直前までスマートフォンやパソコンを使用している。
⑥休日の起床時間が平日よりも2時間以上遅いことが多い。
⑦食事を就寝の2時間以内に食べることが多い。
⑧睡眠時間が7~8時間未満である。
⑨飲酒をする。
⑩就寝後の2時間以内に目が覚めることが多い。

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就寝直後の約2時間が眠りの質の良し悪しを左右する

睡眠の質を根本から改善する最大のポイントは、「ノンレム睡眠とレム睡眠のサイクルを維持すること」だ。睡眠の1サイクルは約70~110分とされ、深い眠りのノンレム睡眠から始まり、徐々に浅い眠りのレム睡眠へと移行。この1サイクルを一晩で平均4~5回、一定のリズムで繰り返していく。もし「夜中に目が覚める」なんてことがあると、基本の睡眠サイクルを乱すことになり、睡眠の質の大幅な低下につながってしまう。

特に眠りが深くなるのが、最初の1サイクル目で、その後のサイクルで徐々に眠りが浅くなっていくことで自然と目覚める、というのが眠りの基本メカニズム。そして睡眠の質を高めるうえで特に注意すべきなのも、最初の1サイクル、つまり就寝直後の約2時間だ。

なぜなら、この時間帯に損傷した身体組織の修復や肉体疲労回復に必要不可欠な「成長ホルモン」の分泌が集中しているからである。したがって就寝直後の約2時間で眠りが浅いと、肉体疲労がとれず、免疫力を高めることもできなくなってしまう。

「就寝前、TVや照明を消さないままうっかり寝てしまう」。そんな人は最初の1サイクルで眠りが浅くなるので注意。また、成長ホルモンが分泌されるときに発汗量が多くなることに備え、就寝前に水分を適量とっておくことも、脱水で目が覚めることを防ぐのに効果的だ。

ここで、最初の1サイクルの眠りを深くし、成長ホルモンの分泌量を増やすのに効果的な7つのコツを紹介しよう。ひとつでも多く実践すれば、良い睡眠、さらには免疫力アップまで期待できる。

【1サイクル目の眠りを深くする7つのコツ】

[1]就寝1時間前までに湯船につかる。湯の温度は38~40℃程度(心地良いと感じる温度)。
[2]就寝の最低でも1時間前からは、PCやスマホの画面を見ない。寝室の照明は、暖色系のものを使用し、LEDライトは避ける。
[3]コップ1杯(約200~250ml)の水を就寝前に必ず飲む。ただし、糖の入ったものは避けること。
[4]体温が高いままだと眠りが浅くなるため、就寝時には夏場は氷枕などを使って頭を冷やし、冬場は足元を温めて体温を下げる。
[5]室温は、夏場は26℃、冬は16~19℃に、湿度は50%程度に保つ。
[6]食事は最低でも就寝2時間前には終わらせる。深酒&寝酒はNG!
[7]筋トレや夜ランなど、強度の高い運動は就寝の3時間前まで。就寝前は軽いストレッチ程度にとどめること。

日々、忙しく働く40代にとって、多少の睡眠不足は避けられないケースが多い。そんなときこそ「睡眠は量より質」という意識が大切。

睡眠の基本サイクルを乱さないコツを押さえて実践することが、心身の健康を保ち続ける基本なのだ。

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「たのしい睡眠」
日本生活習慣病予防協会によると、「慢性的な不眠」に悩まされているのは日本人の5人に1人。読者のなかにも「最近寝つきが悪くなった」「早朝に目が覚めてしまう」など、“睡眠”にまつわる悩みを抱えている人がいることでしょう。果たして睡眠の質を高めることはできるのでしょうか? さまざまな角度で検証していきます!上に戻る

篠原絵里佳=監修
管理栄養士/睡眠改善インストラクター/上級睡眠健康指導士。総合病院、腎臓・内科クリニックを経て独立。長年の臨床経験と抗加齢医学の活動を通し、体の中から健康を作る食生活を見出し、最新情報を発信している。アスリートの栄養指導経験も豊富で、食事と睡眠の観点から健康にアプローチする「睡食健美」を提唱。

楠田圭子=取材・文

# たのしい睡眠# ノンレム睡眠# レム睡眠# 新型コロナウイルス感染予防対策
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