37.5歳からの愉悦 Vol.193
2021.05.13
FOOD&DRINK

神保町のホテル併設型カフェで、看板娘がワールドワイドに働いていた

「看板娘という名の愉悦」とは……

緊急事態宣言が5月31日(月)まで延長された。飲食店は引き続き、酒類の提供ができなくなる。

そこで、こう考えた。お酒がなければノンアルドリンクを飲めばいいじゃない。看板娘はいるのだから。向かったのは神保町。

街の象徴である古書店は、軒並みシャッターを下ろしていた。

神保町駅から徒歩2分で、目指す「サクラカフェ神保町」に到着。

サクラカフェ神保町
開放感に満ちたテラス席が嬉しい。

本来は年中無休・24時間営業だが、現在は時短営業となっている。

店内には看板娘の姿。

いつもなら、カフェ自慢の“世界のビール”を吟味するところだが、現在アルコールの提供はしていない。

中には見たことがない銘柄もあった。

頭を切り替えて、メニュー拝見。ノンアルドリンクも充実しているようだ。

「エジプト風ココア」に「サクラレモネード」か……。

決めかねていると、看板娘が声をかけてくれた。

「今のイチ推しは野草のお茶です。東北にうちのカフェ直営の牧場があって、定期的に届く完全無農薬のお野菜や野草をメニューに使っています」。

おお、体にも良さそうだ。

「野草茶」、いただきましょう。ポットで300円。安い。

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看板娘、登場

「お待たせしました〜」。

こちらは川越育ちの平山 舞さん(29歳)。

「蔵造りの町並みは誰にも自慢できます。最近は、インスタ映えする飲食店も増えているんですよ」。

川越にかかるとスタバもこうなる。

一方で、フードのオススメは世界の旅人料理。メニューを見せてもらうと、現在はニカラグア、スイス、トーゴ共和国というラインナップ。

迷った末にニカラグアの「ガジョピント」(850円)を注文した。

「ガジョピント」はニカラグアの国民食で、にんにくや玉ねぎの旨味を効かせた豆ご飯とのこと。

ほどなくして、日本と中央アメリカのマリアージュが完成。

コリアンダーとサルサソースが香る「ガジョピント」は、赤飯を柔らかくしたような料理。すっきりとした苦味が特徴の「野草茶」とよく合う。このコンビは朝食にぴったりなのではないか。

さて、実はここ、上階の「サクラホテル神保町」に併設されたカフェなのだ。

「オーナーが昔、海外旅行に行った際に現地ですごく親切にしてもらったそうでして。その恩返しを日本でも、という思いから30年ぐらい前に作ったのが『サクラホテル』です。トイレやシャワーは共同なので、どちらかというとゲストハウスに近いですね」。

同ホテルは、トリップアドバイザー『2020トラベラーズチョイス』でベストバリューホテル部門の2位を獲得した。そして、舞さんは29歳の若さでホテルの支配人を任されている。

宿泊客の9割は外国人だという。

先ほどの「世界の旅人料理」は、宿泊客から自国の名物料理のレシピを教わってメニュー化しているものだ。

せっかくなので部屋も見せてもらった。

2名で利用できるセミダブルタイプは1泊4000円〜5000円。
ほかの宿泊客との交流が深まるドミトリーは1泊2000円〜3000円。

さらに、舞さんたちはさまざまなイベントも用意している。

徒歩圏内にある皇居でのランで国際交流。

「皇居ランはとくに人気のイベントで、もちろん、宿泊客以外も参加可能です。あとは、こういうご時世なので最大10時間滞在OKで2000円という『テレワーク応援プラン』も始めました」。

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撮影スタジオから購入した当時の勇姿写真。

子供の頃から運動が得意だった舞さん。中学高校時代は陸上部に所属し、高校では三段跳びで埼玉県7位に入賞した。

「遠くまで飛ぶコツは、踏み切るときにいかに踏ん張れるか。スクワットとかで脚を超鍛えて、片足だけで100m飛び続ける練習もしましたね(笑)」。

接客やサービスが好きだったこともあり、大学卒業後は飲食チェーンに就職。その後、得意の英語を活かそうと今の会社に転職した。なお、「サクラホテル」は神保町の他に池袋、幡ヶ谷、日暮里、浅草にもある。最初の配属先は浅草だった。

浅草時代の記念写真。

「これはコロナが流行り始めた頃で、自分の国に帰れないメンバーたちです。家族のように仲良くなっていました。右から2番目のアルゼンチンの方は、まだ日本にいらっしゃって、たまに神保町に遊びにきてくれます」。

「サクラホテル幡ヶ谷」にはムスリムの人たちが使うお祈り部屋も。

同僚の篠原絢子さんにも話を聞こう。舞さんってどんな人ですか?

「やさしくて明るい漫画オタクです(笑)。お部屋には溢れるぐらいの漫画があると聞いています。私ですか? 今は『はたらく細胞』にハマっています」。

制服の丈をやたらと気にする舞さん。

そうだ、舞さん。「サクラカフェ」では世界の旅人直伝の料理を食べられますが、逆の立場で海外で日本の味を伝えるとしたら何にしますか?

答えは即答で肉じゃがだった。

「ずっと火をつけて煮込むのではなく、ある程度煮込んだら余熱で食材を柔らかくするんです。そのほうが、味がより染み込みます」。

若き支配人は漫画と同じぐらい料理も好きでした。

本の街、神保町で世界の息吹を感じられるスポットがあったとは。では、最後に読者へのメッセージをお願いしますね。

勢いのある筆致で「サクラ」も添えてくれました。

 

【取材協力】
サクラカフェ神保町
住所:千代田区神田神保町2-21-4
電話番号:03-3261-3939
www.sakura-cafe.asia/jimbocho/

「看板娘という名の愉悦」Vol.150
好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。
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石原たきび=取材・文

# サクラカフェ神保町# 看板娘
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