2020.05.06
FOOD&DRINK

あの「ヒゲダン」に聞く、2000円以下でルネッサンスな日本ワイン3選

「絶対に家飲みすべき安旨ワイン」とは?

“ヒゲダン”と聞けば、まず「ルネッサ~ンス!」を思い浮かべる。それがアラフォー世代の性(さが)である。

このギャグで一斉を風靡したお笑いコンビ「髭男爵」。現在、山田ルイ53世さんは文筆家としても活躍しているが、相方のひぐち君は何をしているかというと……実は、ワインのスペシャリストとして活動の場を広げているのだ。

ただのワイン好きのレベルではない。日本ソムリエ協会認定の「ワインエキスパート」も取得し、現在は「日本のワインを愛する会」副会長も務める歴とした専門家である。

そんなひぐち君がイチオシする日本の安旨ワインとは?

話を聞いたのは……

ひぐち君●サンミュージック所属のお笑いタレント。1999年に「髭男爵」を結成し、貴族ネタで2008年頃にブレイク。持ちギャグは「ひぐちカッター」。ワインエキスパートの有資格者で、「日本のワインを愛する会」副会長。オンラインサロン「ひぐち君の日本ワイン会」も主催している。

そもそも、なぜ「ワインエキスパート」に?

オススメのワインを聞く前に、まず、いつの間にワインを極めていたのか。「ソムリエ」は飲食店で働いている人、「ワインエキスパート」は飲食店で働いていない人が取る資格で、知識量は同じ。つまり、かなりの難関を突破したということだ。

「『ルネッサ〜ンス!』が流行ったときに、フランス大使館の方たちも参加するようなボジョレーヌーヴォー解禁のイベントに呼ばれたんです。そこで『今年のワインはどうですか?』と聞かれて、それっぽいことを言わなきゃと『今年のは重いですねぇ』と答えてしまって(笑)」。

訪問したワイナリーは全国100カ所以上とのこと。

ボジョレーヌーヴォーは「ガメイ」という品種の新酒で、若くて軽やかな味を楽しむのが特徴。「重い」などとは無縁なのである。案の定、会場は失笑に包まれ、ひぐち君はあまりのこっ恥ずかしさに名誉挽回を決意したという流れだ。

その勉強量が尋常じゃなかったことは想像に難くない。今では日本ワインを中心に年間1400種類以上のワインを口にし、年内には日本ソムリエ協会(会長は田崎真也氏)から「ソムリエドヌール(名誉ソムリエ)」に任命される予定だという。

さて、ここからが本題。これまでに全国100カ所以上のワイナリーを訪問したというひぐち君が厳選する、日本のハイコスパ・ワインはこれだ!

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①「これなんぼやと思う?」

「金徳葡萄酒デラウェア」●ヴィンテージ:2019、ブドウ品種:デラウェア、産地:大阪府、価格:1400円

まず紹介してくれたのは、大阪で100年以上の歴史を誇るワイナリー「河内ワイン」が造る白ワイン。

「持ち寄りワイン会を開催したときに、フランスの国家資格を持つボルドー在住のソムリエールが紹介してくれたワインですね。口に含んだ瞬間、白い花やレンゲの蜜のようなフローラルな甘い香りがお花畑へと連れて行ってくれます。それでいてドライな味わいにギャップ萌えですね」。

ひぐち君によると、パクチーを使ったサラダやアジア系の料理と相性がいいそう。

「何よりこのワイン、価格が衝撃なんです。歴史あるワイナリーで造られたこの一本、なんと2000円以下で買えてしまうんです。『これなんぼやと思う?』と聞くと、みんな必ずもっと上の値段を答えます。正解を教えると全員ビックリするので、クイズを出すのが楽しみになってますね(笑)」。

それは面白そう。必ずウケる“鉄板ネタ”みたいなものですね。

「生産地はコテコテの大阪、河内地方ですが、オーストラリアやニュージーランドのシュナンブランのようなニュアンスがあります。ワイン会では、みんなで『ブラインドだったらどこの国のワインかわからない』と大盛り上がりでした。ワイン上級者にもオススメです」。

ひぐち君曰く、とにかくコスパ最強とのこと。おおよそ1500円では考えられないほど豊かな味わいなのだという。気前のいい関西ならではの価格設定か? 世間が大騒ぎになる前にゲットしとこか。

 

②大人感を演出するセクシーロゼ

「シャトージュン JAPAN SELECT 巨峰&ピオーネ ロゼ」●ノンヴィンテージ、ブドウ品種:巨峰、ピオーネ、産地:山梨県、価格:1500円

続いてひぐち君が挙げたのは、山梨県甲州市のワイナリー「シャトージュン」が造る、山梨産の巨峰とピオーネを使用したロゼワイン。

「すもものような甘酸っぱい香りにスッキリした酸味もあって、味わいはドライ。この酸味が餃子など胡麻油の香りがする中華料理にピッタリなんです。筑前煮などの煮物料理に合わせるのもオススメですよ」。

日本の一般的な食卓にはピッタリのワイン、というワケですな。

「今、世界的にロゼのブームが来ています。このワインも淡いピンク色がとてもセクシーなので、間接照明の薄暗い部屋で飲むと、テーブルがグッと大人の雰囲気になりますよ」。

これは大人の男にとって聞き逃せない情報。さっそくムーディーなおうち時間を演出してみよう。

 

③“激レアさん”を造ってみた!

「ミュゼドゥヴァン oasis ブラッククイーンスパークリング」●ノンヴィンテージ、ブドウ品種:ブラッククイーン、産地:長野県、価格:1800円

最後は果実の宝庫、信州で造られる赤のスパークリングワイン。

株式会社アルプスが造ったこの一本は、「長野ワインフェス in 東京 2020」でもかなり話題になったという。

「日本固有の黒ぶどう品種“ブラッククイーン”を使ったスパークリングワインは、とても珍しい存在なんです。ソムリエ資格をお持ちの営業の方のアイデアで誕生したそうです」。

そもそも赤ワインのスパークリング自体が日本の市場ではそこまで多くはないので、メイド・イン・ジャパンとなると、なおさらチェックは欠かせない。

「ブラックベリーの香りに、泡からくる清涼感、そして豊かな酸となめらかなタンニンがバランスよく、心地いいんですよね。タレの焼鳥やすき焼き、肉じゃがなどに合いますから、普段の家庭料理をいつも以上にリッチにできますよ!」。

食事にも合うレアな1本は、入手困難になる前に買っておきたいところ。赤だけどしっかりと冷やして飲むといいみたいだ。

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ひぐち君と月1、飲まないか?

ひぐち君が主催する「ひぐち君の日本ワイン会」。

ひぐち君は「ひぐち君の日本ワイン会」というサロンも運営しており、メンバーらと月1ペースでワイン会を開催。現在はオンライン配信に切り替えてワイン会を毎週実施している。

ひぐち君自身、もともと酒が得意ではなかったことからワイン初心者へのサポートも手厚く行っている。もちろん、ワイン玄人に対しても気軽にワインをセレクトしてくれるから頼もしい。

今後は自身のYouTubeチャンネルで、ワインに合うおつまみのレシピやお菓子とのマリアージュを研究し、発信していく予定だ。芸人からワイン道を切り開いたひぐち君のルネッサンスな動きに目が離せない。

絶対に家飲みすべき安旨ワイン
自宅時間の増加に比例して増える、家飲み時間。そのパフォーマンスを効率良く上げるため、名だたる業界人から愛飲する安旨ワインをヒアリング。ルールは3000円以下! それだけだ。上に戻る

七瀬あい=取材・文

# ひぐち君# ワイン
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