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2020.03.20

たべる

上野桜木のビアホールで、青森出身の看板娘が満開の笑みを咲かせた

看板娘という名の愉悦 Vol.108
好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。
桜のシーズンを前に、じつに心ときめくスポットを見つけた。3軒続きの古民家を再生して2015年にオープンした複合施設で、その名も「上野桜木あたり」。
最寄りの日暮里駅から向かうと徒歩10分。谷中霊園の桜並木を通るコースだ。上野駅からだと徒歩15分。こちらは上野公園の桜が迎えてくれる。
昨年4月の谷中霊園の桜並木
昨年4月上旬の谷中霊園の様子。
敷地内には、ビアホール、ベーカリー、オリーブオイル専門店、そしてイベントスペースが入居している。訪れたのは「谷中ビアホール」。
外観
「ビアホール」とはいえ、この佇まい。
店内を覗くと、看板娘の姿と8つのタップ(樽に繋がった注ぎ口)。そう、ここでは本格的なクラフトビールが楽しめるのだ。
内観
イチ推しは店オリジナルの「谷中ビール」。
取材日の3月18日は最高気温が18度というポカポカ陽気。桜も満開に向けて一斉に蕾を膨らませる気候である。
テラス席
こんな日は路地に面したテラス席一択でしょう。
なお、1階は土足で上がれるが2階の座敷は靴を脱ぐスタイル。
座敷
ビール好きの宴会には打ってつけの場所。
壁にはこの家が建てられた昭和13年に起きた出来事をまとめたパネルが掲げられていた。いわく、「小石川後楽園が開園」し、「東京駅構内の人力車が廃業」となり、「チャップリンの映画『モダンタイムス』が大ヒット」した年だそうだ。
パネル
『海軍厨業管理教科書』に肉じゃがのレシピが掲載された年でもある。
さて、ビールだ。定番の「谷中ビール」を飲もうと思ったが、看板娘のおすすめは3月14日のオープン5周年に合わせて特別に醸造された「谷中霞桜」。おお、最高じゃないですか。1070円のMサイズを注文した。


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