37.5歳からの愉悦 Vol.94
2019.05.23
FOOD&DRINK

池袋のラーメン店で、レースクイーンと兼業の看板娘に花が咲いた

看板娘という名の愉悦 Vol.66
好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。

池袋のラーメン店でレースクイーンが働いているという情報を得た。RQ(ラーメンクイーン)の看板娘。ぜひ、お会いしたい。

西口から徒歩10分弱で目指す「中華そば 六感堂」に到着。

人気店ゆえ、並び方の説明付き。

店頭では看板娘が開店準備をしていた。

店舗外観
いちばん乗りは令和のマダム。

ラーメンのメニューを見ると「白」と「黒」が二大巨頭のようだ。

メニュー
細麺と手もみ麺が選べる。

迷った末に「トリプルスープを使用した懐かしい味わい」とある「白」の特製(980円)、手もみ麺を選ぶ。

この店は東口にある「麺屋 六感堂」の2号店で、今年3月末にオープンしたばかりだという。

ショップカード
系列店ながらメニュー構成はまったく異なる。

お酒はクラシックラガー(小瓶)、角ハイボール、レモンサワー、ウーロンハイの4種類。ラーメンならビールでしょうということで、クラシックラガー(430円)を注文した。

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看板娘、登場

「お待たせしました〜」

レースクイーン兼ラーメン店の看板娘、華月 咲さん(25歳)。「咲(さき)」は本名で付けてくれた親に感謝しているそうだ。

クラシックラガーとおつまみ
嬉しいおつまみ付き。

ラーメン店で働く看板娘といえば、昨年6月に原宿のシマちゃんにご登場いただいているが、なんと咲さん、シマちゃんのことを知っていた。ラーメン業界は広いようで狭い。

ほどなくしてラーメンも運ばれてきた。

中華そば 白
丼に収まる小宇宙。

煮干し、鶏ガラ、豚ガラのトリプルスープ。昭和23年創業の老舗製麺所「山口や」製の特注麺。皮ワンタン。味玉。メンマ。ナルト。そして、炙りチャーシュー。すべてが美しい。

ビールとラーメンを静かに味わいながら、咲さんの話を聞く。

厨房の様子
二刀流でチャーシューを炙る看板娘。

彼女は『クレヨンしんちゃん』の舞台として知られる埼玉県の春日部出身。今年3月から浅野レーシングサービス所属のレースクイーンとして働いている。

サーキット場での写真
宮城県のSUGOサーキットにて(左端が咲さん)。

咲さんは車の運転免許を持っていないこともあり、レースの世界に飛び込んでみてレーシングカーの速さに驚いたそうだ。

「何事も経験だと思って始めました。華やかな世界と思いきや、かなり体力勝負の仕事です。勝ったときも負けたときもチームやファンのみんなと同じ気持ちを分かち合えるのも楽しいですね」

なお、インスタのラーメンアカウント「ramenxgirl」のフォロワーは8000人超。週に4回ペースでラーメンを食べまくっているのだ。

Instagram
それぞれ愛のある長文レビューが添えられる。

「実はもともとラーメンはそんなに好きじゃなかったんです。でも、2年前に食べた荻窪の春木屋のラーメンに衝撃を受けました。これは1000円以上払う価値があるなあと」

「春木屋」のラーメン
いちばん安い「中華そば」でも850円。

地元の春日部にも「煮干乱舞」という有名店がある。最近、外苑前に「煮干乱舞 TOKYO」という系列店を出店した。

「煮干乱舞」のラーメン
「食べログ ラーメン百名店」にも選出。

いずれにせよ、春木屋の衝撃以来、「自分でもびっくりするぐらい」ラーメンにのめり込んだ咲さん。

この店で働くことになったきっかけも面白い。東口の「麺屋 六感堂」を友人と訪れた際に、当時そこで働いていた店長が会話の内容から「麺スタグラムのさーちゃんだ!」と推察。若い人の味の嗜好をリサーチするために話しかけたのが縁で、新店舗のスタッフとして採用されたという。

プリクラ
大宮の磯丸水産でアルバイトをしていたギャル時代。

「ノリがいいせいか、追加オーダーをバンバン取っていました。私はお酒が飲めないんですが、お客さんに飲ませるのは得意なんです」

また、看板娘あるあるで家族仲が非常に良い。

「こないだもパパとママと3人で銚子に行ってきました。銚子電鉄に乗るのと美味しい海鮮丼が目当てです」

母親との写真
姉妹のようなママとの2ショット。
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いい意味でも悪い意味でも、行動力がすごい

咲さんは「スタッフが足りない」と嘆く店長のために親友を誘い込んだ。

咲さんと加奈さん
4月に左の加奈さんが参入。

「知り合ったのは中3のとき。SNSの『前略プロフィール』で同じ高校に進学することがわかって私からアプローチしたんです」

そんな加奈さんは咲さんについて「いい意味でも悪い意味でも、とにかく行動力がすごい。後先を考えずに突っ走るタイプ」と評する。

インドとフィジーに2年間住んだのも、その行動力の賜物だ。

インドのホーリー祭
インドのホーリー祭を満喫する。
フィジーでの様子
友人のホームステイ先でフィジーの家族に溶け込む

「ホーリー祭は本当に楽しかった。そういうときは言葉がいらないんですね。フィジーの人たちはとにかく明るい。すぐに仲良くなりました」と振り返る。

トイレに貼られたポスター
トイレには東口「麺屋 六感堂」の店主が愛するYAZAWAのポスター。

最後にラーメンに関する今後の抱負を聞いた。

「このお店で働いて、スープの作り方、仕込み方法、麺の茹で時間など、美味しい一杯を作り上げるには繊細な作業の繰り返しなんだとわかりました。まだまだ半人前ですが、ゆくゆくは自分にとって最高の一杯を極めたいですね」

油そば
賄い用に自作した油そば。

「自分のお店を出すなら汁なしラーメン専門店がいい」という咲さん。店名は「親に付けてもらった『咲』という字が好きなので、この一文字は入れたい」とのこと。

ぜひ、美しいラーメンの花を咲かせてください。最後に読者へのメッセージをお願いします。

看板娘のメッセージ
「ファミリー」を大事にする看板娘でした。

【取材協力】
中華そば 六感堂
住所:東京都豊島区池袋2-23-5 サンフェニックス山田101
電話:03-6912-6009
https://twitter.com/Rockan_Do2

石原たきび=取材・文

# ラーメン# ラーメンクイーン# レースクイーン# 中華そば六感堂# 池袋# 看板娘
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