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2021.07.07

ファッション

業界関係者に聞いた「オニツカタイガー」の本質。世界が注目するワケが明らかに

2018年を代表する映画『ボヘミアン・ラプソディ』。劇中でフレディ・マーキュリーを演じるラミ・マレックが履いていたのはオニツカタイガーのレスリングシューズだった。
今回俎上に載せた「モンスターピース」は、ハリウッドに愛されたブランドが2020年にリリースした話題沸騰のシリーズだ。
モンスターピースには文字どおりモンスター級のモデルがラインナップされる。このたび新色がリリースされる「アルティメイト 81 MP」と「レビラック ランナー MP」を通して、その凄みを検証したい。
新たに加わった「アルティメイト 81 MP」(上)、「レビラック ランナー MP」(下)。ともにペールベージュ/リーフベージュ、ブラック/ブラック、メトロポリス/キャリアーグレーの3色。いずれもシックの極みといっていいカラーパレットで、どんなスタイルにも溶け込む。7月9日(金)発売予定。各2万2000円/オニツカタイガー(オニツカタイガージャパン 0120-504-630)
「アルティメイト 81 MP」は1981年に登場したジョギングシューズのハイエンドライン、アルティメイトをベースにしたモデルだ。
ラバーで覆われたトウやプラスチック製のヒールプロテクターが、どこかいなたい体躯の魅力を引き立てている。
1981年に登場したジョギングシューズのハイエンドライン、アルティメイト。
「レビラック ランナー MP」は1980年に登場し、カルト的人気を誇ったランニングシューズ「エクスカリバー」をベースにしたモデル。メリハリのあるシルエットと異素材のコンビネーションはモダンのひと言だ。
いずれもオリジンのアイデンティティを受け継ぎつつ、現代のテクノロジーでブラッシュアップ。クッション性と反発性を兼ね備えたフライトフォームプロペルのミッドソールや、クッション性に優れたオーソライト中敷といったスペックは象徴的である。
それぞれ単体でみれば、ヘリテージの成り立ちを踏まえて慎重にスペックを選定しているのがわかる。
「アルティメイト 81 MP」にはフライトフォームとの二層構造とすることで軽量性を高めたミッドソールや通気性を確保するエアホールが、「レビラック ランナー MP」にはグリップ力に富んだ千鳥格子状のトレッドパターンを描くラバーソール、屈曲とクッショニングを両立させるクッシュホール、着地時にかかとが内側に倒れ込むのを防ぐデュオマックスが搭載される。
1980年に登場し、カルト的人気を誇ったランニングシューズ「エクスカリバー」。「レビラック ランナー MP」のベースとなったモデルだ。
モダンな佇まいからは想像もできないてんこ盛りのスペックはすべて自社で開発されたものだ。1985年に設立したスポーツ工学研究所がその拠点である。
「オニツカタイガーはソールひとつとってもそれこそ無尽蔵といっていい規模でアーカイブされており、彼らはそれを誇りとしています」(業界関係者)。
街で履くには過剰なスペックは、オニツカタイガーの気概をあらわしている。


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