2019.05.26
FASHION

コレだけで加水分解は防げる!ハイテクスニーカーを守る4つのマストアイテム

連載「愛する靴の愛し方」
お気に入りを履き潰しては買い替えて……なんてもったいない! 愛する一足を守る術をフットウェア・ラバーたちに教えてもらった。

>第1回「ローテクスニーカーのケア」を読む

スニーカー愛好家がもっとも恐れているのが、ソールがボロボロになったり剥がれたりしてしまう「加水分解」。

スニーカーによって加水分解が起こりやすいものと起こりにくいものがあるが、読者諸兄が実感している通り、なかでもハイテクスニーカーはとくに注意が必要だ。

なぜハイテクスニーカーは加水分解が起こりやすいのか。

その原因と正しい保管方法について、スニーカーに特化したクリーニング専門店「スニーカーアトランダム」の店長であり、350足以上を保有するスニーカーコレクターでもある城所 匠さんに話を聞いた。

城所さん

加水分解の原因は、過度な水分

そもそも加水分解とは、化学物質と水が反応して分解を起こす現象のこと。スニーカーのソールには、水分に弱い性質を持つポリウレタンやEVA(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)が使われており、それらの化合物質が、空気中の水分を吸収しすぎると、加水分解を起こし、ソールがボロボロになってしまう。

加水分解例
加水分解を起こしてしまった例。写真提供/スニーカーアトランダム

 

「機能性を求めたハイテクスニーカーは、軽量でクッション性が高いEVAが使われている場合が多いです。EVAはソールが水分を吸収しやすいので、ハイテクスニーカーは加水分解が起こる可能性が高いと言えます」(城所さん、以下同)。

続けて、長期保管についても注意が必要と語る。

「通常スニーカーのソールは、履いたときにソールに含まれた水分を外に押し出すことができるのですが、長年履かずに保存しているスニーカーは、ひたすら水分を吸収し続けている状態。そのため、久しぶりに履いた瞬間、化学反応を起こしてボロっと壊れてしまうんです」。

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<必需品1>
「木製のシューキーパー」で水分量を調整する

シューキーパー

大事なスニーカーほど、キレイな状態を長く保つために履かないという選択肢を選ぶ人も多いだろう。しかし、未使用の場合でも保存状態が悪いと10年ほどしか保たないという。では、具体的に加水分解を防ぐにはどうしたらいいのだろうか。

「加水分解の原因は水分であり、スニーカーにとって水分は大敵。ですが、極度の乾燥状態では生地が傷んでしまう場合もあります。そこで役立つのが、木製のシューキーパー。プラスチック素材ではなく、ある程度の水分を吸収してくれる木製を選ぶことが重要です」。

100円均一のものでも十分効果を発揮するため、ぜひ取り入れたいアイテムだ。

 

<必需品2>
「プラスチック・バッグ」に入れて空気中の水分の吸収を防ぐ

プラスチック・バッグ

スニーカーを整理する場合、湿気を防ぐため、収納棚に乾燥剤を置く人も多いだろう。城所さんいわく、「それだけでは空気中の水分を防ぎきることはできない」とのこと。

「シューキーパーをつけたままプラスチック・バッグに入れてしっかりと空気を抜き、外気をシャットアウトすることを推奨しています。大げさかと思われるかもれませんが、タバコやカビなどの生活臭、色移りなども防ぐこともできる効果的な方法です」。

 

<必需品3>
「シリカゲル乾燥剤」で水分を逃さずキャッチ

シリカゲル乾燥剤

「プラスチック・バッグ内の水分対策のために、シリカゲル乾燥剤も同封しましょう。このとき、シリカゲル乾燥剤をアッパーに乗せると黄ばみの原因にもなるため、ソールの下に入れるのがポイント。安価な製品でも、最近では吸湿状態が色でわかるタイプも発売されているので、定期的にチェックして乾燥剤を入れ替えることも大切です。お菓子についてくる乾燥剤でも十分に役立ってくれますよ」。

 

<必需品4>
スニーカーの変色防止には「黄ばみ防止剤」が有効

黄ばみ防止剤

「微量の水分でもソールやアッパーの黄ばみにつながることもあるため、念には念を入れて黄ばみ防止剤と乾燥剤を併用することをおすすめしています。とはいえ、靴用の黄ばみ防止剤はあまりメジャーではなく手に入れにくいので、ドラッグストアで発売している衣類用防虫剤でOK。一度黄ばんでしまうとなかなか落としにくく、ビジュアルにも影響してしまうため早めの予防が効果的です」。

4つのアイテム
スニーカーを加水分解から守る4つのマストアイテム。シューツリー、密封できるプラスチック・バッグ、シリカゲル乾燥剤、黄ばみ防止剤。どれも安価で揃えられる。
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普段のお手入れは、日々のブラッシングと2週間に1度の防水スプレー

意外にも加水分解は身近にあるアイテムで予防できることがわかった。しかし、水分がNGということは、水洗いも避けたほうがいいはず。ちなみに普段使いしているスニーカーを長くキレイに保つには、どんなクリーニング方法があるのだろう。

防水スプレー

「まず行いたいのは防水スプレーを吹きかけること。近年のハイテクスニーカーは数種類の素材を組み合わせたデザインが多く、素材ごとにお手入れを変えるのは非現実的です。防水スプレーなら2週間に1回ほど全体にまんべんなく吹きかけるだけでOK。ただしソール内に空気を入れたエア部分は、曇ってしまうため避けるほうがベターです」。

エア部分
エア部分は避けるように吹きかける。

また、履いた日は付着した汚れを定着させないために、シューズブラシで磨くことが大切だという。この2点を続けていれば、約1年間はキレイに履き続けることが可能だ。

 

困った汚れは、アルコールを含む除菌シートで落とす

「どうしても汚れてしまったときは、アルコール成分を含んだウェットティッシュで拭きあげてください。アルコールは水分よりも蒸発が早く、スニーカーの素材に対して負担も少なく、手軽にキレイにすることができますよ」。

ソールの拭き上げ

 

機能性やデザイン性の高さが人気なハイテクスニーカー。その分ケア方法が難しいと思われがちだが、NG要素をしっかりと把握し、日頃のメンテナンスを心がけることで、愛用品を長く楽しむことができる。お気に入りの1足と長く付き合うためにも、小まめなケアを心がけたい。

【話を聞いた店】
スニーカーアトランダム 高円寺
スニーカーアトランダム 高円寺
各種スニーカーのクリーニングに特化した専門店で、アッパーの破損やソールの剥がれといった修理も可能。ヴィンテージスニーカーのリペアの相談にも対応している。店舗は高円寺店のほか、千葉県に本八幡店がある。

 

住所:東京都杉並区高円寺南3-53-8
電話番号:03-5913-7690
営業:10:00〜19:00
水・土曜定休
http://sneaker-at-random.com/

平安名 栄一=撮影 長浜優奈(EditReal)=取材・文

# ケア# スニーカー# ハイテクスニーカー# 加水分解# 愛する靴の愛し方
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