2020.06.08
FAMILY

それは「愛情」ではなく「甘やかし過ぎ」かも? 子供への接し方に関するNG行動

娘を叱る父親

「シングルオトーチャンの生活白書」とは……

「愛情」と「甘やかし過ぎる」ことは違う

「愛情」と「甘やかす」とは、似て非なるもの。筆者も常に意識をしていますが、とても難しいものです。ただでさえ、父子家庭となり母親の愛情を常にもらえない状態で、我が子には寂しい思いをさせているので、ついつい甘やかしてしまうこともあります。

しかし子供を「愛する」ということと「甘やかす」ことが混同してしまうと、多くの場合は「甘やかし過ぎ」てしまう傾向にあります。親は「私はこんなにも子供に愛情を注いで愛している」という自己満足と優越感を得ることはできますが、実際には子供の成長に悪影響を与えてしまう可能性があります。

では、なぜ親が子供を甘やかし過ぎてしまうのか。それは、「子供を守りたい」「子供に嫌われたくない」「自分自身が良い親でありたい」という想いがあるからです。この3つの想いは、親となれば当然の感情です。しかしこの想いが強いがゆえに、子供を精一杯甘やかせば親の愛情が子供に伝わり、「不安で寂しい気持ちを抱かなくても済む」という間違った解釈を親たちはしてしまうのです。

また、子供からの愛情を失うことを恐れるあまり、「子供に嫌われてしまうのではないか?」と親が下手に出てしまうケースもあります。このような考え方や親子関係では、子供が悪いことをしても注意ができず、子供がすることを許し過ぎてしまいます。そしてこの状態が続いてしまうと、子供は自分の行動が他人に対してどんな影響を与えるのかを考えず、自分勝手な自己中心的な行動をとる可能性が高くなります。

このように甘やかされた子供は欲求不満に耐えることができず、我慢すること集中することが苦手になり、最終的には子供自身も親も困ることになってしまいかねません。

NEXT PAGE /

「愛情」を持った接し方とは

愛情を持った接し方とは、「子供の行動を信じ見守ること」です。ときには子供が辛く思う出来事にも、親はグッとこらえることが必要になってきます。

例えばですが、道を歩いていて、目の前に段差があるとします。そこで子供がつまずいて転んで怪我するのを心配した親は、その危険を回避する。これは愛情ではなく、甘やかしです。

確かに、子供が転べば、痛い思いをするし、怪我もしてしまうかもしれません。ですが、これらを親が幾度と危険回避をすると、子供は危機回避能力を育むことができなくなります。段差は気をつけて歩くという危険回避を体で覚えさせることが、子供にとっては大切です。

また、心配しすぎて何でも親がしてあげたり、子供が辛いと思うことを親が手助けしたり、子供が何か物事を始める際に「失敗しないように」と親が口を挟んだり……といったことを続けていくと、子供は辛いことや不安なことがあると、すべて親が助けてくれるという感覚を持つようになります。すると、自分自身では物事を決められない決断力の欠乏に繋がり、社会に出ても自分では責任を持てず、自然と他力本願の考え方に。結果的に、社会での団体行動に馴染めず、孤立してしまう可能性が高くなります。

「子供から愛されたい」「子供を守りたい」「良い親でありたい」という気持ちは、親である以上、必ず思うことです。しかしながら、一時的な親の自己満足が、長い目で見れば、子供に深刻な問題を生じさせてしまいます。親である我々は、そのことをまず自覚しなければなりません。

親の子供への正しい愛情は、失敗したときに周りの人が助けてくれるありがたさ、感謝の気持ち、次回失敗しないようにするにはどうすれば良いのか?など、これから生きていくうえで必要な感覚を学び、成長させていけるようにすることです。

そこで親は子供に対して、信頼し、理解し、決定権を与える、という意思を示すことが何よりも大事です。子供は親から信頼されることで安心感が生まれ、理解されることで信頼感を持てるようになり、決定権を与えられることで責任感と肯定感を芽生えるようになっていきます。

「子供を甘やかす」という行動が我が子の将来にどのような影響を与えてしまうのか。それを理解したうえで、どのように対応すべきなのかを考え、子供に接していくようにしましょう。子供が自分自身で幸せになれるような力を身につけさせることこそ、愛情のある子育てです。

NEXT PAGE /

今回は過度な甘やかしで起こる子供への悪影響のお話をさせていただきましたが、決して珍しいお話でもありません。特にシングルファザーの方は、責任感も強く、そして子供を守る意識も強くあり過ぎるため、どうしても甘やかしてしまうことが多くなると思います。

しかし、これから極端に態度を改めて厳しくする必要もなく、子供自身が自分でできる範囲のことを自分でさせることからはじめていく、それだけでも良いのです。難しいこと、新しいことにチャレンジする際には、区切りをつけてみてはいかがでしょう。子供にはここまでは自分でやってもらって、あとは親がサポートをしながら見守るなど、メリハリをつけるだけでも十分です。そこから徐々に徐々に、大事なことや責任あることを行って行くようにすれば良いのです。

そして、今まさにこの瞬間の幸せを子供に与えるのではなく、私たち親は「子供を自立させるための子育てをしている」という重要な責任を担っているということを覚えておきましょう。

連載「シングルオトーチャンの生活白書」一覧へ

「シングルオトーチャンの生活白書」
今やシングルファザーの存在は珍しくない。しかし、シングルファザーはどのような生活を送っているのか、父子家庭の悩みなど、その実態を知る人はまだまだ少ないはず。そこで本連載では、リアルシングルファザーであるてっちゃんさんの子育て生活を覗いてみることに。彼の苦労や悩みを通して、自分の子育てや親子関係を改めて考えるきっかけにもなるはず。 上に戻る

シングルファザーてっちゃん=文
30代後半、大阪府在住の9歳の息子を育てるシングルファザー(歴1年半)。チャイルドカウンセラー・家事療法カウンセラーの資格保持。「シングルファザーでも子育ては十分にできる。愛情を注げばシングルファザーであっても子供はちゃんと育ってくれる。息子に寂しい思いをさせず、やりたいこともさせてあげて、不満なく、子供の無限の可能性の選択肢を広げてあげること。そして何より、笑いが絶えず、色んなことを楽しく、そして色んなことにチャレンジして乗り越えていく」をモットーに息子と生活を送る。父子家庭や子育てに関しての悩み解決ブログ「シングルファザーてっちゃんの子育てお悩み解決」を運営。
# シングルオトーチャンの生活白書# 子育て# 親子
更に読み込む
一覧を見る