メンズのシャツといっても素材や襟の形、生地や柄の違いを含めるとたくさんの種類があり、着用シーンを含めると組み合わせは膨大にある。どんなシャツを着たらいいか迷われたこともあるのではないだろうか。
この記事では、まず素材3種について紹介。そして生地や襟、柄の種類について説明しながら、スタイルの違いや着用シーンについても紹介していく。
シャツの素材による違い
シャツを買うときに、タグにポリエステル100%や綿60%ポリエステル40%といった表記されているのをみたことはないだろうか。
シャツの素材には大きく分けて3種類ある。
1つの素材だけで作られたものもあれば、それぞれの良いいところを補うように混ぜ合わせて作られたものもある。
- ポリエステル
- 麻(リネン)
- 綿(コットン)
こちらの3種類は、素材の特徴から季節によって着る時期が変わってくる。通気性がいいものや手入れが簡単なものなど素材の特徴を理解して、季節に合わせた素材選びをするとより快適なシャツ生活を送ることができる。
今回は着る時期・素材による特徴の違いを解説していく。
ポリエステル
ポリエステルはペットボトルと同じ原材料のPET素材から作られている化学繊維である。
美しい光沢がでることから、カジュアルなものだけでなくフォーマルのものまで幅広く使われている。
着用時期:オールシーズン
特徴
・耐久性がある(=洗濯に強い)
・しわになりにくい
・熱に強い
・日焼けしにくい
・速乾性がある
・虫の被害にあいにくい
・価格を抑えられる
ポリエステルの中で一番大きな特徴はなんといっても耐久性があるところである。生地が強いだけでなく、型崩れしにくいので立体的な形を保ちたいYシャツにはぴったり。
形状記憶や形態安定などの加工がされるのもポリエステル素材の強みの一つ。
また石油が原材料の一部に使われているため、虫が寄り付きにくく保管が簡単なのは嬉しいところ。
デメリット
ただほかの素材と混ぜ合わせることで、これらのデメリットの部分を補っているので、気になる方は素材の割合を見てみるのもいいだろう。
麻(リネン)
ポリエステルと違って天然素材の麻(リネン)。
独特なシャリっとした肌触りがあり、日本では昔から夏の洋服の素材として重宝されていた。
着用時期:春、夏
特徴
・通気性がいい
・吸水・吸湿性に優れている
・繊維が伸びにくい
・回数を重ねると生地が柔らかくなっていく
なんといっても清涼感が大きな特徴。
だらだら汗をかく盛夏でも、通気性がよく吸水性が優れているので、肌に張り付くことなく爽やかさを保ってくれる。
またカチッとした印象を与えやすいシャツでも、麻なら素材の抜け感からカジュアルな印象を与えてくれる。
デメリット
麻は染まりにくい素材のため、色落ちもしやすい。濃い色の服は特に洗濯時に注意が必要になる。
また、最初の洗濯時と乾燥時に痛みが発生しやすいため、洗濯はネットに入れて単体で洗った方がいいかもしれない。
洗濯時にケアが必要な麻だが、着ていくほどに経年変化を楽しめるのでぜひ育てていく感覚で楽しんでもらいたい素材である。
綿(コットン)
シャツ素材の中でポピュラーなのが綿(コットン)素材。なんと5000年以上前から使われている歴史の古い天然繊維だ。
天然素材なので肌にも優しく、シャツだけでなく肌着やTシャツなどにも使われている馴染みのある素材である。
着用時期:オールシーズン
特徴
・肌触りがいい
・通気性や吸収性に優れている
・耐久性がある
・染めやすいので発色がきれい
・適度な保温性がある
吸水性に優れているため、汗を発散させるときに身体の熱も奪うため夏は涼しく感じられる。
また綿は繊維の中心が空洞になっているため、熱が伝わりにくいので保温効果が高い。自分の熱を逃さないため、冬は暖かさをキープしてくれる。
デメリット
水に強いが吸水性も高いため、乾きにくい一面もある。また乾燥すると縮みやすいので干すときに注意が必要な面もある。
シャツを種類別に解説!【生地・襟・柄・スタイル】
素材の違いまでを紹介したが、素材だけ選べばお気に入りのシャツに出会えるかというとそうではないのが悩ましいところ。生地や襟の形、柄やスタイルなどシャツ選びのポイントは多種多様だ。
ここからはそれぞれの代表的なものを、特徴や着る時期と合わせて紹介していく。
人気な生地10種
そもそも生地と素材の違いとはなんなんだろうか。
生地とは、先ほど紹介した素材の糸を、単一もしくは混ぜ合わせて使用し、織ることで一枚の布にした状態のことをさす。
織り方にも種類があり
・平織:縦糸と横糸が1本ずつ交差している
・綾織:縦糸複数本に対して横糸1本の割合
・しゅす織:縦糸・横糸ともに5本ずつ以上で織られている
の3種類に分けられる。
素材だけでなく、織り方にも着目するとシャツ選びがより楽しくなってくる。
ブロードシャツ
表面に適度な光沢感があるため、キレイ目な印象
定番カラーが白やサックスブルーという淡い青なので、ネクタイや
スーツなどアイテムで遊べる
ヘリンボーンシャツ
名前の由来が「にしんの骨(Herring bone)」というように、
開いた魚の骨に似ている織り目が特徴的
綾織特有の上品な光沢があり高級感がある。
白シャツしか許されていない職場にもおススメ
サテンシャツ
なめらかで柔らかい手触り
華やかな光沢がある
裏地に使われることも多い
ナイーブな生地で引っかけるとほつれてしまうので注意が必要
オックスフォードシャツ
ボタンダウンカラーシャツによく使われている
厚手生地なのでしわが目立ちにくい
通気性に優れている
ポロシャツ
元はスポーツウェアなこともあり、高い通気性が特徴
シャンブレーシャツ
縦糸は色付き、横糸は白と色の違う2種の糸を使うことで独特な
色合いを生み出す。
霜降り効果(シャンブレー効果)と呼ばれている
フランネルシャツ
保湿性・保温性が高く起毛感がある
フェルト生地の中では柔らかく軽い
柔らかくチクチクしない肌触りである。
リネンシャツ
シャツの形をしていてもカジュアル感を出せる
ほどよいハリがあり形が崩れにくく、シワになりにくい
デニムシャツ
ジーンズと同じ織り方だが生地の厚さが違う
耐久性に優れている
経年変化が楽しめる
初期のころは色落ちしやすいので洗濯に注意
コーデュロイシャツ
凸凹した畝がある
耐久性・保温性に優れている
生地は厚めで重い
代表的な襟5種
素材や生地の違いについて説明してきたが、ここからは襟の形について紹介していく。
顔周りの印象を大きく変えてくれる襟。シーンによって相応しい襟の形もあるので、使い分けが必要になってくる。
ここからは代表的な襟5種を、向いている着用シーンとともに紹介していく。
レギュラーカラーシャツ
ワイシャツの定番中の定番で、シーン・スタイル問わず使えるレギュラーカラーは、時代によってわずかにスタイルが変わるのも特徴の一つ。
何にでも合わせやすい分、ジャケットやネクタイ・靴や小物にこだわれる。
ボタンダウンカラーシャツ
襟先をボタンで留めているので形が崩れにくいのが大きな特徴。第一ボタンを空けたりネクタイが無くてもきれいな形を保てるので、クールビズ推奨やオフィスカジュアル化の流れとともに普及した。
ワイドスプレッドカラーシャツ
レギュラーカラーより襟の開きが広いので、ネクタイを締めたときのバランスがいいのがワイドスプレッドカラー。また首回りがスッキリして見えるので、肩幅が広い人やがっちりした体型の人におススメ。
イギリスのウィンザー公爵が好んで着用していたことから、「ウィンザーカラー」と呼ばれることも。
ホリゾンタルカラーシャツ
180度開いている襟をさすホリゾンタルカラーは、英語で水平(horizontal)から名前の由来がきている。ジャケットとも相性バッチリだが、ノーネクタイでも襟の形がキレイに保てる。
首の長さや太さが気になる人には、シルエットを綺麗に見せてくれるホリゾンタルカラーがおススメ。
バンドカラーシャツ
折り返した襟羽の部分がなく、土台部分だけが残ったものがバンドカラーシャツ。
爽やかさや清潔感を残しながらラフな印象を与えてくれる。開放感や抜け感を演出してくれるので、プライベートやオフィスカジュアルなシーンで大活躍なこと間違いなしだ。
シャツの柄5種
ここまではビジネスシーンで使えるシャツの情報について、紹介してきた。
しかしシャツは、知っての通りプライベートでも着れるカジュアルなものもたくさんある。
カジュアルシーンでは素材や柄をメインに選ぶと、自分スタイルのコーディネートを見つけやすいのではないだろうか。
ここからは代表的なシャツの柄を5種類紹介していこう。
無地
無地のシャツはコーディネートの脇役にも主役にもなれる万能選手。
無地のシャツこそ素材や生地、身体へのフィット感に徹底的にこだわってみてはいかがだろうか。
ストライプ
ストライプ柄は幅で選ぶとシーンに合わせた着こなしができる。ビジネスシャツでも取り入れられている定番な柄だが、細目の幅だとキレイ目な印象に。プライベートでも、キレイ目コーディネートを目指したいなら細目の幅を選ぼう。
太めのストライプ
カジュアルさを出したいなら太めのストライプがおススメ。ゆったりサイズでラフ感を出しながら、コーディネートの主役に置いてみてはいかがだろうか。
チェック
カジュアルシャツの代表的なチェック柄。色の組み合わせは多様にあるので、カラーリングで遊べるのもチェック柄のいいところ。明るいチェックなら他のアイテムは色味を抑えて、逆に暗めのチェックなら明るいインナーを重ね着してみたり、どこか抑えた組み合わせをすると失敗しにくい。
ドット
ドット柄もストライプ同様キレイ目にもカジュアルにもなる柄の一つ。
小さめなドットならキレイな印象を与えるので、ビジネスシャツにもドット柄ははたくさんある。
ドットが大きくなるほどカジュアルな印象を与えるので、シャツのサイズ感とともにドットの大きさにも注目しよう。
総柄
同じ柄が一面に広がっている総柄。総柄になじみが無くても、アロハシャツと聞けばイメージしやすくないだろうか。
一枚で主役になるアイテムだが、柄のインパクトから敬遠されがちでもある。総柄の中には色味が入っているものだけでなく、モノトーンにまとめた柄もある。
まずはコーディネートしやすいモノトーンの総柄から試してみてはいかがだろうか。
シャツのスタイル5種
ここまで素材や柄、襟の形などを紹介してきたが、最後にシャツのスタイルについて紹介していく。
形やスタイルによって着た時の印象をガラッと変えられるのもシャツのいいところ。
代表的なスタイル5種類を、自分に合うサイズ選びのポイントや着用シーン共に紹介していこう。
ワイシャツ(ドレスシャツ)
ビジネスシーンで大活躍なワイシャツ。
スーツの下に着てフォーマルな印象を与えるので、ドレスシャツと称されることもある。
ワイシャツは自分の体型にフィットしたものを選ぶことが何よりも大切。
首回りと裄丈のフィット感で選ぶと体型にあったものが選べる。
クレリックシャツ
襟と袖口は白く、胴体の部分が柄もしくは無地の生地が組み合わされたシャツのこと。
柄生地と白襟が組み合わされていればクレリックシャツと言うので、襟の形は関係がない。シーンに合わせて襟の形は選ぼう。
シャツ1枚で華やかな印象を与えるので、クールビズやシャツのみスタイルのときにピッタリ。
結婚式の二次会やカジュアルパーティなど華やかな場所に向いている一方、カジュアル寄りなシャツなので、重要な商談や会議には不向きなところもあるので注意が必要。
ロングシャツ
カチッとした印象を与えてしまうシャツも、丈を変えればイメージを変えられる。コーディネートが難しいと敬遠されがちなロングシャツだが、ラフな印象を与えつつ、爽やかさも損なわない。
軽い羽織としても使えるので、季節の変わり目でも大活躍する。
丈の長さだけでなく、全体のバランスやシルエットに気を付けて、だらしなく見えるのは回避したい。
ブロッキングシャツ
ブロックごとに分け、それぞれ異なる色や素材を組み合わせて作られたブロッキングシャツ。
それだけでコーディネートの主役になるアイテムなので、ボトムはシンプルにシャツのブロッキングを楽しみたい。
ワークシャツ
元は作業着がルーツのワークシャツ。実用性があるだけなく、丈夫なのも大きな特徴。
薄手の生地ならインナーとして活躍するが、厚手の生地ならジャケットとして羽織る事ができる。
ワークシャツの中にはアメカジファッションには欠かせないウエスタンシャツや軍隊用に開発されたミリタリーシャツもある。
男らしさを演出でき、日常使いでガシガシ着る事ができる丈夫さを備えているワークシャツは、一枚は持っていたいシャツである。
シャツの種類の違いを知ってうまく着こなそう!
素材別・種類別に紹介してきたが、いかがだったろうか。
形や素材が異なると相手に与える印象も大きく変わる。
着用シーンや季節に合わせてシャツを選び、ぜひ色んなシャツコーディネートを楽しんでいただきたい。