登山するにあたり、まず気を付けたいポイントが服装だ。初心者向けの標高の低い山でも天候や気温は変わりやすく、登山による上り下りで体温の変化が起こったり、強風に煽られることもあるだろう。
そこで登山ファッションの基本スタイルや季節別でおすすめのアイテム、登山ファッションをおしゃれ着るうえでのポイントを紹介していこう。
登山では服装が重要な理由
山では急な天候悪化はよくあること。登山をするのに相応しい服装をしないと風雨にさらされて体温が急激に下がって低体温症になったり、転倒や滑落といった事故につながる可能性もあるため、登山では服装選びはとても重要なポイントだ。
一昔前までは機能重視だった登山ウェアも、近年では機能性＋普段使いも出来るようなおしゃれさも備わったアイテムが多く販売されているため自分の好みにあったファッションで格好良く登山にチャレンジしよう。
登山での服装の基本
登山は常に暑いと寒いの繰り返しだ。登っている時は体が常に動いている状態のため汗が出るくらい暑くなるが、休憩で体が動いていない状態の時や、稜線などで強い風に吹かれると一気に体が冷やされて寒くなる。
体温が急激に低下すると体調が悪くなって動けなくなったり、動きにキレがなくなり怪我につながる原因にもなるため、少しでも寒さを感じたら上着を羽織るよう心掛けよう。山の急激な天候の変化に対応できるようアイテムを揃えておくのも大切だ。
そこで登山における基本的な服装と必須のアイテムについて紹介しよう。
- 「レイヤード」スタイルが基本
- 雨具は常に持っておく
- ハイキング場所の気温に合わせた服装にする
それぞれ説明していこう。
「レイヤード」スタイルが基本
登山における基本的はウェアの構成は「アウターレイヤー」「ミドルレイヤー」「ベースレイヤー」の３アイテムを重ねて着るレイヤリングだ。
レイヤリングの最大の目的は体温を低下させないことで、状況に応じて組み合わせを変えることで体温調節すること容易になり行動不能・低体温症といったリスクを軽減させることが出来る。
雨具は常に持っておく
事前に天気予報を確認して登山に行った場合でも、先述でも述べたとおり山の天候悪化はよくあるため雨は常に降るものと考えてレインウェア(雨具)は必ず準備しよう。
ハイキング場所の気温に合わせた服装にする
突然の天候の変化や、ハイキングをするような場所では標高の高い所が多いため、風が吹くと寒く感じたり、街中よりも気温が低いケースが多いため事前に必ず現地の気温を調べ、夏でも防寒着は忘れないように準備をしておこう。
寒い季節では保温と防寒ができる素材の服で重ね着をしたり、暑い季節にはメッシュ生地などの風通しの良い素材を中心に選んで、熱中症や熱射病などに対策できる服装を選ぶのが良いだろう。
登山する上で持っておきたいアイテム
登山初心者は、山に登る際にどんな準備をすれば良いのか分からずに悩む人も多いのではないだろうか。ここでは登山時に最低限必要となるアイテムとその役割について紹介しよう。
ベースレイヤー
まずはレイヤリング中では一番下に着用するものとなる、登山運動でかいた汗を素早く吸収して汗冷えを防ぐなど肌をドライに保つ役割を担う。汗冷えをしないよう乾きやすい化繊素材のものを選ぶのが良いだろう。
綿などの天然繊維は肌触りが良く吸水性もあるが、乾きにくい一面もあるため体温低下の原因に繋がりかねない。また春秋の寒い時期にはウール素材のアンダーウェアもおすすめだ。
ミッドレイヤー
ベースレイヤーの上に着用するのがアウトレイヤーだ。ベースレイヤーで吸収した汗の拡散と防寒着の役割を担う。登山時の寒暖に応じて着脱を適宜行うことで温度調節行う重要なアイテムだ。
アウターレイヤー
レイヤリングの中では一番外側に着用するアイテムがアウターレイヤーだ。雨・風・雪などから体を守るため防水性、浸透性、防風性に優れた一枚地のものを選ぶのが良いだろう。
ハイキングパンツ
急な雨風にも対応できるようハイキングパンツは撥水性と防風性を備えたアイテムがおすすめだ。また、運動の妨げにならないよう伸縮性(ストレッチ性)があるのを選ぶと良い。
ハイキングシューズ
登る山によって選ぶべきシューズは変わるため、まず自分が登山をする季節や標高、山の特徴などを知っておこう。
例えば、日帰り登山が目的ならミドルカットのタイプのシューズでカバーできるが、ゴツゴツとした岩場が多い場所ではソウルが硬いハイカットタイプのシューズの方が向いている。目的に適したシューズを選ぼう。
靴下
登山用靴下はクッション性に優れているため靴擦れを防止して足を保護するや役割を担う。また、歩行時の衝撃をやわらげたり汗を吸収・発散して足先からの冷えを防いでくれるのが特徴だ。
帽子
近年ではファッション性の高いカラフルな柄やデザインが多くある帽子であるが、ただのおしゃれアイテムだけじゃない。紫外線や直射日光から頭部を保護をして熱中症を防止したり、急に雨に降られても帽子で視界を確保できるので雨対策にも有効。
リュック
タウンユースで仕様されている様なリュックと違い、登山向けの機能が装備されたリュック(ザック)はベルトやストラップも多く、正しい使うことにより身体にかかる負担を軽減する役割を持っている。
雨具
レインウェア（雨具）は防水性に特化したアイテムであるが、透湿性が無いと中の湿気を逃がす事が出来ずに身体が濡れた状態のままになってしまう。その状態のまま風で身体が冷えると風邪や体力の消耗に繋がってしまうため透湿性があるものが良い。
【季節別】おすすめ登山コーデ
登山をする際の基本のファッションは「レイヤード」スタイルだ。季節によって変化する気温や気候にそったアイテムを紹介していく。
春の登山におすすめコーデをアイテム別に紹介
春の温かい日差しでポカポカ陽気でも、標高が高い場所ではまだまだ残雪があり休憩時等には身体が冷え込みやすい状況のため、寒暖の差がある時期に有効なのがレイヤリングだ。動いて暑くなったらミッドレイヤーやアウターを脱いで、寒く感じたら着て…を繰り返して防寒対策をしっかりと行おう。
ここでは春登山に準備したいアイテムを紹介していく。
【春登山用】ベースレイヤー
登山だけじゃない、様々なスポーツにも対応できるCW-Xのトップス、吸汗速乾やUVカット率90%以上といった機能を備えている。
【春登山用】ミッドレイヤー
保温性・透湿性も併せもつ、尚且つコンパクトにたためられるミレーのグリッドフリースジャケットは使い勝手が抜群。
【春登山用】アウターレイヤー
軽量で薄手なアウターはオールシーズンで使用できるぞ、表面は撥水加工が施されているため急な天候悪化にも対応できる。
【春登山用】ハイキングパンツ
伸縮性のある素材で作られており抜群に動きやすいハイキングパンツ、収納性も◎！
【春登山用】ハイキングシューズ
シンプルなデザインのためタウンユースにも使えるシューズだ、もちろん防水性を備えているため雨やぬかるみでも濡れを防いでくれる。
【春登山用】靴下
ウールの保温性と生地が厚手でクッション性があるため中山までの登山におすすめ。
夏の登山におすすめコーデをアイテム別に紹介
夏の暑い時期でもあっても高山の場合は冷え込むため防寒対策は必須、汗で体が冷えたり突然の雨に降られて身体が冷えると低体温症になってしまうリスクが常にあることを意識しよう。低山では気温は高くなるためドライ性能が備えているアイテムをコーデに取り入れると良いだろう。
【夏登山用】ベースレイヤー
ポリエステル100％の素材で出来ており、適度な保温力と汗の吸収発散性のバランスに優れた汎用性の高いアイテム。
【夏登山用】ミッドレイヤー
内側の生地はワッフル構造となっており湿気を効果的に外に逃がしてくれる。また、スッキリとしたデザインで超軽量のため快適に着こなせる。
【夏登山用】アウターレイヤー
防汚性と耐摩耗性に優れてちょっとした土汚れなどは簡単にふき取ることが出来る、もちろん軽量でコンパクト収納が出来るためリュックに収納してもかさ張らないのがポイント。
【夏登山用】ハイキングパンツ
ゆったりとしたシルエットの通り、リラックスした穿き心地で軽いハイキングからタウンウェア、スポーツにもおしゃれに着こなせる。
【夏登山用】ハイキングシューズ
高い通気性と速乾性に優れておりドライで快適に履くことが出来るKEENのハイブリッドハイキングブーツがおすすめ。
【夏登山用】靴下
メリノウール素材の靴下は吸湿、吸水性が特徴としてあげられる。汗や湿気を吸収してくれるためサラサラとした履き心地を提供してくれるぞ。
秋の登山におすすめコーデをアイテム別に紹介
秋の季節は日中と朝晩の気温差や天候の変化が大きいため適切なレイヤリングを行なうことが重要となる、着用するアイテムの選び方を間違えると体温調節が上手にできず低体温症などに陥る可能性があるため、保温性のあるアイテムを選びつつミッドレイヤーやアウトレイヤーを脱ぎ着して効果的に対応調節を行おう。
【秋登山用】ベースレイヤー
メリノウール混素材のベースレイヤーは軽くて暖かく、調湿性・保温性・天然の抗菌効果の作用をもつ。身体に絶妙にフィットするサイジングは登山だけでなく様々なアクティビティにも対応できて汎用性の高いベースレイヤーだ。
【秋登山用】ミッドレイヤー
耐久性・熱伝導性に優れたグラフェン素材のフリースジャケットで、明るく灰みがかったブルーの配色は柔らかい優しい印象になる。
【秋登山用】アウターレイヤー
機能性や運動性だけじゃない、シンプルな印象ながらもデザイン性を兼ね備えたコロンビアのジャケットがおすすめ。表地は丈夫なキャンバスダック素材で、裏地にはコロンビアオリジナルのポリエステルフリース素材を使用しており抜群の保温性を実現してくれる。
【秋登山用】ハイキングパンツ
オールシーズンを通して山岳エリアでの行動できる機能を備えたハイキングパンツ。シンプルなシルエットは使うシーンを選ばないデザインと着用感を演出してくれる。
【秋登山用】ハイキングシューズ
キャラバンシューズの代表的なモデルで、履き口まわりには柔らかな生地やクッション材を使用していて、足首をサポートしてくれる設計は登山初心者でも違和感なく履けるおすすめのシューズである。
【秋登山用】靴下
メリノウールと化学繊維の混合生地のソックスは調温調湿効に優れているので靴の中の蒸れを軽減して快適な登山のサポートをしてくれるアイテムだ。
冬の登山におすすめコーデをアイテム別に紹介
冬の登山では細かくレイヤリングをして体温調整を行なおう。ベースレイヤー、ミドルレイヤーを着用軸に、アウターなどで休憩時や風の強い場所では身体を冷やさないように注意が必要だ。登山初心者でいきなり冬の高山に挑むのは難易度が高いため、まずは低山からチャレンジしてみるのが良いだろう。
【冬登山用】ベースレイヤー
保温性と快適性を両立させたハイブリッド・ロングスリーブシャツだ、ストレッチ性もあるため重ね着で動きにくくなりがちな冬のファッションでも動きやすさをサポートしてくれるだろう。
【冬登山用】ミッドレイヤー
ファイントラックから優れた汗処理性能と厳冬期に対応可能な保温性を両立したアイテムをご紹介。肌ざわりも良く、裾口には冷気の侵入を防いでくれるアジャスターコートがついているので冬期・厳冬期に対応してくれるジャケットとなっている。
【冬登山用】アウターレイヤー
冬のアウターにはミレーの高い防水透湿性と快適な着心地を両立させた高機能プロテクティブジャケットがおすすめ。
【冬登山用】ハイキングパンツ
楽天中厚の裏地にはが微起毛のストレッチソフトシェル素材を使用されており、耐摩耗性に優れているため険しい岩場を含む登山でも安心して使用できる。
【冬登山用】ハイキングシューズ
軽量性に優れた防水ブーツは雨や雪のある冬山登山でも活躍してくれる。
【冬登山用】靴下
厚手生地のソックスは保湿性・保温性に優れており、その生地の厚さからクッション性も抜群に高いため、冷え込みで体力を消耗しやすい冬登山をサポートしてくれるぞ。
【初心者向け】登山にチャレンジする際に知っておきたいこと
軽いハイキング程度であれば自分が持っているアイテムでも十分対応できるケースもあるが、山の状況に適していない装備だと不要なケガや事故に繋がる可能性があるため、徐々にでも登山用品を揃えたほうが安心して登山を楽しめるだろう、そこで登山初心者がチャレンジしやすい季節や、おすすめの登山ブランドを紹介していく。
おすすめの季節と標高
気候的にも歩きやすくチャレンジしやすい春、秋の登山がおすすめ！登山コースの目安として1日分のコースが標高差600m以内なら初心者向き、600～1200mになると中級者向きになると思っておいた方が良い。まずは日帰りで行ける登山やハイキングから徐々に経験を積んでいこう。
おすすめブランド
近年では多くのブランドでおしゃれで機能的で実用性の高いアイテムを販売している自分に合ったブランドを見つけられるよう是非参考にしてほしい。
ここからは人気の登山ブランドを紹介していく。
モンベル
高品質ながらもコストパフォーマンスが良いところも登山ユーザーから高い支持を得ているとろこだろう。
そんな中でも日本の気候に合わせて作られたモンベルのレインウェアは素材も薄く、軽量・高性能で持ち運びも負担にならない。登山はもちろん、キャンプなどのアウトドア・アクティビティやタウンユースでも活躍する。
ノースフェイス
アウトドアブランドとして人気が高いノースフェイス（THE NORTH FACE）は、山岳地帯で最も寒く征服が困難なルートとされる「北壁（ザ・ノース・フェイス）」がその名の由来。過酷な環境であっても耐えられるほどの機能性と耐久性を備えたアイテムを販売しているが、機能面だけでなくタウンユースできるほどファッション性も高いのも人気のひとつ。また、ノースフェイスが独自開発したFUTURELIGHT（フューチャーライト）とよばれる素材で作られた登山靴は多くの登山ユーザーからの支持を得ているぞ。
マウンテンハードウェア
「8000mを超える山々でも使える高品質・耐久性」をコンセプトに本格登山に相応しいアイテムを提供しているのがマウンテンハードウェアの特徴といえるだろう。性能だけでなく洗練された配色のデザインも多く、格好良く着こなせることが出来るのも人気の理由。
パタゴニア
トレンドに左右されないシンプルながらも実用的なデザインは性別・世代を問わず広いユーザー層から人気を得ている。中でもパタゴニアのフリースは保温性が高く、肌触りも柔らかいため着用感が抜群。
コロンビア
スタイリッシュなデザインや豊富なカラーバリエーションを兼ね備えており、登山用のブーツやマウンテンパーカーといったアウトドアアイテムもカジュアルに着られるブランドだ。
おしゃれな服装で登山を楽しもう！
登山ウェアは普段使っているファッションアイテムと比べると高価だが、品質・機能性が高いのがメリットだ。だからこそ普段使い出来るようなシンプルかつスタイリッシュなデザインのアイテムを選んでみたり。逆に登山だからこそ、思いきったカラーのアイテムを取り入れてみたりと、おしゃれを楽しんで登山にチャレンジしてもらいたい。