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2021.10.16

「僕たち家を手放しました」キャンピングカー生活を送る夫婦に7つの質問

「キャンピングカーのリアル」とは……
賃貸で住んでいた愛知県の家を解約し、昨年末からキャンピングカー暮らしを始めた岡田大樹&梨紗子夫妻。ふたりが「バンライフ」と呼ぶその生活は実に冒険的で憧れるが、実際には不便なことだってあるに違いない。
生活費や収入、夫婦仲は? 家族が増えたらどうする? 素朴な疑問をストレートにぶつけてみた。
終始、素敵な笑顔を見せていた2人。幸せなバンライフが垣間見えるが、夫の大樹さんは「僕らのやり方はおすすめしません」と断言。その理由は?
12月にキャンピングカーが納車されてから1年弱の間に、総移動距離は9000km、訪れた場所は沖縄をスタート地点に九州から関東圏まで22県に及ぶ。
車内の間取りは「1DK風呂トイレなし」。使えるスペースをすべてカウントすると生活圏は約10平米だ。早速、バンライフのリアルを覗いてみよう。

1. 家を手放したきっかけは?


梨紗子「私はヨガのインストラクターやローフードの食事指導をしていましたが、去年の8月に職場のトラブルで仕事が突然なくなったんです。一晩中、泣き続けるくらいショックで……」。
時間とお金をつぎ込んで得た仕事を一瞬で失い、人間関係にも失望し、絶望の淵にいたという梨紗子さん。生活基盤を失い、一度ゼロの状態になってから心機一転。ずっと夢見ていたバンライフを始める決心をしたという。
大樹「僕はいつ始めても良かったので、彼女が決意した次の日に配送の仕事を辞めました」。
その日を境にふたりの生活は一変。9月末に部屋を退去し、荷物のほとんどを断捨離。その勢いのまま約800万円のキャンピングカーをローンで購入し、納車まではコンパクトカーで車中泊。12月から本格的なバンライフをスタートさせた。

2. 仕事はどうしてるの?

収入が不安定だった今年3月、理想的なバンライフは送れなかったという。「自由とはほど遠く、ひたすらリモートワークをするのが当時のリアルな姿でした」(大樹さん)。
勢いで冒険に出たのはいいものの、2人同時に収入源を失った点は痛手だったという。仕事はどうしているのだろうか。
大樹「電車で通勤したり家でリモートワークをしたりする皆さんと同じように、僕らも車内でリモートワークしてますよ。最近は働きづめです(笑)」。
大樹さんも梨紗子さんも、パソコンさえあればそこが仕事場になる。大樹さんは動画編集を主に、梨紗子さんはSNS運用の代行やコンサルを請け負っているという。クライアントワークと自身のYouTubeチャンネルの広告が収入源で、生活はだんだん安定し始めた。
今は頑張り時と、労働時間は10〜15時間になることもざら。「バンライフを始めたい人に、僕たちのやり方はおすすめしない」という理由もここにあるようで……。
15時間に及ぶリモート作業になることもあるが、後ろを振り向けば夕焼けの絶景が広がり、外に出れば満月が頭上を照らしていることも。「この生活は不自由も沢山ありますが、外との境界線がないこうした環境が僕の幸せなんです」(大樹さん)。
大樹「僕らは収入源を確保しないまま、バンライフに強行的に突入しました。だから仕事もゼロからで大変でした。フリーランスなのでもちろん歩合制。
請け負った仕事が消えたら収入はなし。今年3月頃は『ヤバい!』となって、そのときにいた沖縄でバイト生活に明け暮れました。無理やりどうにか乗り切ったという感じです。
バンライフを考えている人がいたら、移動しながら収入を得られる仕事をちゃんと見つけてからのほうがいいと思います。きっと、もっと楽しく続けられますから(笑)」。

3. 毎月の生活費は?

冷蔵庫を大きめにしたことは大正解だった。2泊3日のキャンピング生活とは違い、2人にはここが家。エンジンを止めたまま使える暖房のヒーターとベンチレーター(換気扇)もしかり。
気になるのが生活費。愛知県に住んでいた頃は家賃だけで月7万6000円。生活費全体となると2人で月平均およそ15万円だったというが、今はどうだろう。
梨紗子「バンライフの生活費は月10万円あれば余裕ですよ。いちばん大きい出費は、キャンピングカーのローンと食費。次にガソリン代ですね。例えば、今年2月の生活費は2人で6万6000円でした。食費だけで言うと、平均して4〜6万円程です」。
大樹「燃費はリッター7〜9キロです。普通のコンパクトカーなら13〜15キロなので、ほぼ倍。ですが、軽油なので単価が安いんです。ガソリン代は平均して月1万円前後、移動が多いときで3万円くらいになります」。
2人のバンライフ生活にかける費用は、ときに愛知時代の家賃をも下回る。バンライフの生活費は、抑えようと思えばかなり抑えることができるようだ。意外に燃費も悪くない。
ただ、それは2人が“ミニマリスト”であることも大きな要因になっている。
2人の生活を支えているリモートワークを快適に行うため、バッテリー確保は重要。屋根に付いているソーラーパネルによる太陽光発電、走行しながら充電する走行充電、外部充電の3つで蓄電。その他、ポータブル電源やRVパークの充電も活用しているという。


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