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2021.10.04

ジープ初のPHEV「レネゲード 4xe」を6人の識者が分析。最大のメリットはどこだ

ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせたジープ(Jeep)初のプラグインハイブリッド車「レネゲード 4xe」。その価値を識者6人が徹底分析!
見た目は優しく、走りはタフ。ジープ初のガソリンと電気の“ハイブリッド車”を徹底分析!
JEEP RENEGADE 4xe ジープ レネゲード 4xe
電気モーターによる制御駆動でより高い四駆性能を発揮し、オフロード性能はレネゲード史上最強。EVモードでは最長48km走行が可能で、生活圏内の移動であれば排ガスゼロのカーライフが送れるし、万が一の電気切れでもエンジンがカバーしてくれるので、使い勝手は実にいい。510万円〜。

より深く、自然に溶け込む車

青く透きとおる海、白く輝く砂浜。その反対側には、鬱蒼と茂る手付かずの原生林。奄美大島の美しい自然を伝えるのが我々の仕事ですが、ガイドの道中では少なからず矛盾を感じています。
一年を通して雨が多く、起伏が激しい奄美ではどうしても車が不可欠。当たり前のようにガソリン車に乗っていますが、はたしてこれでいいのかと。
その点でレネゲード 4xeは、ひとつの理想的な解決策になります。クリーンな電気エネルギーを使うことで、環境にできるだけ負荷をかけない。カヌーをルーフに載せて遊びに行くときは、パドルやライフジャケットなど必要な荷物を十分に詰め込めます。
エンジンの音が控えめで、自然の音を邪魔しないのもポイント。風や波の音、鳥の鳴き声といった美しさを含めて、奄美らしさをこれまで以上に鮮明に伝えられるのではないかと思うんです。
僕が長年親しむカヌーは、言わずもがな人力の乗り物です。だからこそ自然に深い部分で溶け込めるし、仲間との冒険も思い出深く気持ちいいものになる。これからはきっと、車も同じ。生まれ育ち、今も自分の活動の軸とする島のためにも、自然とうまく共存できる車が必要だと感じています。
僕らの拠点から、マングローブカヌーが楽しめる場所まで約20km。レネゲード 4xeのEV走行距離が最長48kmですから、往復でちょうどいい。現在はまだ実現していませんが、そう遠くない将来での導入を本気で検討しています。
アマニコ代表/カヌー元日本代表
白畑 瞬

地元の奄美大島でツアー会社アマニコを創設。カヌーやEバイクを用い、美しい自然を案内する。一方、ハワイのカヌーレースに定期的に参加するなど、カヌー選手としても活躍する。
 

電気の良さとジープの魅力が融合

図体が大きいとかハードコアとか、ジープというブランドにはとかくゴツいイメージがつきまといますが、レネゲードはその中で最も小さく優しく、どちらかといえばカジュアルSUV的な色合いの濃いモデルと位置づけられています。

それでも四駆グレードのトレイルホークになると、けっこうな難所をワシワシ駆け上がったりするところに、その血統を感じることができるわけです。
そんなジープが造るプラグインハイブリッドは単なる燃費スペシャルではありません。4xeという名前が意味するのは、モーター駆動による四駆を実現しているということです。
最長48kmの走行を可能とするEVモードから、3つの動力源を巧みに連携させて荒れ地を走り抜く四駆モードまで、1.3Lエンジンと2基のモーターの組み合わせからなる走行モードは多彩です。もちろん車まかせで最適な走行環境が設定されますし、自分で任意にEVモードなどを選択することも可能ですから、夜間の車の出し入れも気遣いなく行えます。
バッテリーの充電に要する時間は家庭用200V電源で2〜3.5時間ですから、都市部なら通勤や買い物など日常の行動範囲をEVとしてカバーすることも可能。
ちなみに試乗した雪上路ではモーターならではの緻密な駆動制御のおかげでタイヤのグリップ力がしっかり引き出されて、優れた脱出性能を見せてくれました。電気の良さを引き出したそのエンジニアリングも見事です。
自動車ライター
渡辺敏史

出版社で自動車/バイク雑誌の編集に携わったあと、独立。自動車誌での執筆量が非常に多いジャーナリストのひとり。車の評価基準は、市井の人の暮らしにとって、いいものかどうか。
 



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