乗りたかったのは、キブンが乗るクルマ Vol.207
2021.02.13
CAR

総額22億円。超高級車の極み、“世界に一台を”と生まれた2つの事例

車好きが最後に行きつく贅沢。それは「世界でただ一台」を作りあげること。

そんな究極のワガママを叶えた人が、世の中には少なくともふたりはいる。

もちろんこのほかにも人知れず“世界で一台”を手に入れた人はいるのだろうが、これから紹介する2台は、ロールス・ロイスとマイバッハが、それぞれ一台きりであることをオフィシャルに発表した例だ。

その究極の贅沢を具現化した姿を見てみよう。

 

ベースと共有しているのはボンネット1枚のみ!?

ロールス・ロイス スウェプテイル(約14億円)

同社の象徴である超絶高級車ファントムは、基本的にオーナーは後席に座る車だが、このファントムのステアリングを握り、自らも運転を楽しみたいという稀少なオーナーたちのために作られていたのがファントムクーペだ。

今回紹介するのは、このファントムクーペをベースにし、ワンオフモデルとして仕立てられたスウェプテイル。

お披露目されたのは、2017年。その大胆なデザインもさることながら、1000万ポンド(約14億円)という当時の市販車最高金額も話題を呼んだ。

「ファントムクーペがベース」と軽々しく言ったが、共有しているのは主に走りを支えるプラットホームやエンジンといったハードウェアで、ボディパネルで共有しているのはボンネットのみというほぼオリジナルモデルと言って良い贅沢仕様。

ロールス・ロイス史上最大のフロントグリルを持ち、リアエンドにかけて流れるようなボディラインはオーナーが所有するヨットをモチーフにしている、と言われている。

リアシートは取り外され、ヨットのデッキのように仕上げられた。天井に備わるパノラミックルーフは市販車最大。

アームレスト内にはシャンパンボトルを立てて保管することができ、シャンパングラスも装備する。

ユニークなのはラップトップを入れられるスウェプテイル専用の鞄で、リアシート部分の内張に引き出しのように収めることができる。

ちなみに、完成まで要した時間は4年というから、もはや大型ビルの建設ぐらい時間がかかっている。手に入れた人はきっと、お金だけじゃなく心も時間も雲の上の余裕を持つ大物に違いない。

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タイヤメーカーが生んだスペシャルカー

マイバッハ エクセレロ(約8億円)

エクセレロはマイバッハ57がベースのワンオフモデル。依頼主はタイヤメーカー、フルダ(グッドイヤー子会社)だ。

同社のエクセレロというタイヤの開発プロモーションのために発注されたという。

エクステリアからマイバッハ57を“読み取る”ことは不可能で、ベース車の4ドアサルーンから2ドアクーペに変更され、ダウンフォース確保のためリアには自動でせり上がるウィングを備えていた。

ちなみにリアのウィングは左右フェンダーの延長線上、そしてリアガラス後ろ、と3枚ある。

V12ツインターボエンジンの排気量は5.5Lから5.9Lに拡大され、最高出力は690ps、最大トルクは1000Nm。フルダ社の23インチタイヤを装着したエクセレロは、イタリアのナルドサーキットで最高速度351.45km/hという記録を樹立した。

今となってはさほど驚かない数値かもしれないが、この車が発表された2005年当時は衝撃的な速度であった。

なお、内装はリアシート部分にヘルメット置き場が設けられていたり、Cピラー右側にダミーの給油口を備えていたり、ショーカーとしてのギミックも完備。

内装はマイバッハ譲りだが、細かいところはプロモーション用のショーカーゆえに荒いと言われている。

それでもフルダから一般に払い下げられた(市販された)価格は780万ドル(約8億円)というマンションが建てられるような価格だった。

 

古賀貴司(自動車王国)=文

# マイバッハ# ロールス・ロイス# ワンオフ
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