服を楽しむ気持ちは何も変わらず。冬の「街角パパラッチ」特集 Vol.23
2021.01.09
CAR

4ドアポルシェ「パナメーラ 4 スポーツツーリスモ」を6人の識者が語る

最高に楽しいドライビングフィールとアクティブ使いに適した「パナメーラ 4 スポーツツーリスモ」。

“スポーツカー的”な走りを体感できるこの車は、オーシャンズな男にこそ相応しいのだ。

PANAMERA 4 SPORT TURISMO ポルシェ パナメーラ 4 スポーツツーリスモ
全長5049×全幅1937×全高1428mm 1346万円。(※写真はパナメーラ ターボS スポーツツーリスモ)

PANAMERA 4 SPORT TURISMO ポルシェ パナメーラ 4 スポーツツーリスモ
2016年に登場した2代目パナメーラが4年目にして大幅改良。エクステリアのブラッシュアップのほか、パワートレインが強化された。最も低いスペックである3LのV6ツインターボエンジン、そしてワゴンボディであっても“スポーツカー的”な走りを体感できる造り・味付けはさすがのひと言。ポルシェはやっぱり何を乗ってもポルシェなのである。

4ドアポルシェの完成形を見る思い

2019年に縁あって911のタイプ964を入手しました。ファミリーカーとしてのSUVとは別に、念願の2台持ちをすることに。アクセルを踏んで、クラッチをつなぎ、ブレーキを踏む——噂に違わず、プリミティブな挙動。子供の頃にイメージしていた“運転感”を実感できています。

964は、’90年代の人気車種ですが、実は今、気になっているのがEVのタイカンです。オールドスクールな部分だけではなく、ポルシェが見せる懐の深さや新しいことへ挑戦する姿勢も大好きなポイント。911を軸にして、ボクスターやケイマンといったツーシーターや、マカンやカイエンといった大小SUV、そして、パナメーラの4ドアまで幅広い。自分の生活環境に合わせて、楽しみ方を変えられるのも、ポルシェの大きな魅力でしょうね。

さて、パナメーラですが、’09年に初登場した際は、スタイリングが正直イマイチでした。が、モデルチェンジを繰り返した今、デザイン的に成熟。素直に格好いい。4ドアポルシェの正答を導き出したと感じます。

もし所有するとなると、自分の場合は今乗っているSUVの役割となるでしょう。シューティングブレークなので、スノーボードやキャンプに行くときでも難なく使える。つまり、ポルシェ2台持ち。

経済的な負担は大きそうですが、そこを目指して仕事もいっそう頑張れる。大きなモチベーションとなるはず。今、夢が持てる数少ないメーカーがポルシェだと思います。

「ホワイトマウンテニアリング」デザイナー
相澤陽介
ホワイトマウンテニアリングを率いるだけでなく、他ブランドのゲストデザイナーや企業コラボレートなど、精力的な活動をするOC世代。ポルシェ歴は約4年で、所有第1号は、911のタイプ997。

 

 

知る人ぞ知る贅沢さが魅力

かつてならシューティングブレークとも称されただろう、スポーツワゴンテイストを全面に押し出したパナメーラ スポーツツーリスモ。購入検討時に比べられることが多いのは、サルーンモデルのパナメーラよりむしろSUVのカイエンではないでしょうか。

積載力や居住性といった実用性をベースにすれば、高さで空間を稼ぐカイエンの方に利があります。そして同級エンジンを搭載するグレード同士で比べてもカイエンのほうが安い。合理的に見るほどに分が悪く思えてきます。

対してカイエンにはないスポーツツーリスモの強みは、なんといっても重心の低さを活かした動的質感や運動性能の高さということになります。

いくらカイエンがスポーティなキャラクターとはいえ、機敏な応答性や繊細なコントロール性、ハンドリングのシャープさやフラットなライド感といったところは物理的にスポーツツーリスモにはかないません。すなわち両者の比較は合理性と物理性とのせめぎ合いということになるでしょう。

日常では悪目立ちすることなく他とは違う存在感を静かに伝える車であり、週末は荷物をサクッと積んで遠くに出かける、その移動時間もドライビングを気持ち良く楽しめる車。そういう、知る人ぞ知る贅沢さこそスポーツツーリスモの魅力ということであるなら、ハズし技的な存在でい続けることも大事なことなのかもしれません。すなわち、リッチはニッチからというわけですね。

自動車ライター
渡辺敏史
出版社で自動車/バイク雑誌の編集に携わったあと、独立。自動車誌での執筆量が非常に多いジャーナリストのひとり。車の評価基準は、市井の人の暮らしにとって、いいものかどうか。

 

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雪山が恋しくなる4駆ワゴン

今は多忙なので、全然行けていないのですが、ウィンタースポーツが好きで、かつては4駆で雪山に通っていました。当時の愛車、ハイラックスにカスタムしたオーディオを積んで、クラプトンやドナルド・バードなど、お気に入りのサウンドを掛けて楽しんだものです。

現在は、180度異なるポルシェ911の空冷エンジン搭載モデル、タイプ964に乗っています。雪山から足が遠のいたのと、都内の移動が増えたことから、憧れだったポルシェにトライできるチャンスかな、と。

ポルシェは、ボクスターの初代から3代乗り継いだのですが、コンピュータ制御への進化に面白味が感じられなくなって、現在の964にたどりつきました。小回りが利き、レスポンスがいいので人馬一体な感覚で運転できる点が気に入っています。

さて、最新パナメーラですが、何よりスタイルがいいですね。さすがポルシェ。かつては、スバルのレガシー ツーリングワゴンに乗っていたこともあり、このボディスタイルには愛着があるんです。乗り味はおそらく現代の車らしい快適さと、ポルシェならではのスポーティな走りが楽しめるのでしょう。

今、私がこの車に乗るならば、街乗りは964にまかせつつ、長距離移動用が最適でしょうね。2台持ちが理想的です。964は、一生手放すつもりはありませんので(笑)。仕事が落ち着いたら、ギアを積んで雪山通いを復活させて乗るのもいいかもしれません。

「グローブスペックス」代表取締役社長
岡田哲哉
1998年にオープンした人気眼鏡店、グローブスペックスの顔にしてウェルドレッサー。国際眼鏡展示会、MIDO展の「Bestore Award」を2年連続受賞。2020年、京都に新店をオープン。

 

“博士”の偉大さを噛み締めたい

パナメーラのワゴン版を紹介するにあたって、「すべてのドイツ車はポルシェに通ず」という話をさせてください。

1923年にダイムラー・ベンツの技術部長に就任したフェルディナント・ポルシェ博士はスポーツカーの傑作を連発。その後、アウトウニオン(アウディの前身)でレーシングマシンを設計して第二次世界大戦前のグランプリを席巻。戦後は博士が設計したフォルクスワーゲン・タイプⅠ(通称ビートル)が国民車と呼ばれ、その後、ポルシェを立ち上げてからはご存じのとおり。

ほかにもEVやハイブリッド車の始祖を開発したのもポルシェ博士で、つまりレーシングマシン、スポーツカー、実用車、エコカーなど、すべてのドイツ車は博士の子供なのだ。

3LのV6ターボの最高出力はラインナップで最も低スペックの330PSだけど、ソリッドな回転フィールや回したときの音とパワーの盛り上がりは完璧にスポーツカー。ワインディングロードに入るとボディがふた回りほどコンパクトになったかのように、キュキュッと軽快に走る。

加えて乗り心地はフラットで快適、荷室と後席は大人4人が長距離自動車旅行に出かけるのに十分以上の広さを誇る。おまけに4駆だからゲリラ豪雨も恐るるに足らず、タイヤを換えれば雪山もオッケー。

といった具合に何でもかんでも完璧にこなしてしまう全能の一台で、博士がご存命だったらやっぱりこういう車を開発していたんだろうな、としみじみするのだった。

モータージャーナリスト
サトータケシ
フリーランスのライター/エディター。「ついでに言うと、アウディの中興の祖でありVWグループの総帥となったフェルディナント・ピエヒはポルシェ博士の孫。やっぱり彼は偉大である」。

 

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ついつい見惚れるリアの美しさ

空冷ポルシェに乗っているが、つくづく感じるのはいかにもドイツらしい生真面目さだ。たとえばエアコンひとつにしても、まるで工場の空調設備のような難解な操作は、いまだ正しい使い方がわからない。たぶん論理的な思考回路なら一目瞭然なのだろうけれど。

それでなくともポルシェは、空冷やRRといった自らに課したルールを頑なに守り続け、その制約の中で技術に磨きをかけてきた。時間をかけて解決策を見つけ、必要とあれば宗旨変えも厭わない。だからこそカイエンやパナメーラだって生まれてきたし、クーペ、SUV、サルーンとスタイルは多様化してもブランドの哲学に変わりはない。杓子定規ともいえるが、その姿勢は決して嫌いではない。

パナメーラに加わったスポーツツーリスモは、ワゴンというよりシューティングブレークを思わせる。シューティングブレークに憧れるのは、きっと誰に何と言われようと譲らぬ信念を感じさせるからだろう。狩りに行くならオフローダーもあるだろうに、あえて高級サルーンをカスタマイズしてしまう。そんなゴージャスな異端に憧れるのだ。

その印象はパナメーラ スポーツツーリスモにも通じる。スポーティさに機能美を備えたリアビューの美しさには見惚れてしまう。もし乗ったとしたら、自分でも狩りに行きたくなるかもしれない。紅葉狩りぐらいだけれど。でもそんな新しいライフスタイルの扉を開くきっかけになるだろう。

時計ジャーナリスト
柴田 充
コピーライター、編集者を経てフリーランスに。広告制作やメンズライフスタイル誌に寄稿。現在、ポルシェ911(タイプ964)とスマートブラバスのほか、ホンダのバイクCB400Fが愛機。

 

とことんアウトドアを楽しみたい

実は私、これまで8台のポルシェを乗り継いできた大のポルシェファン。生粋のスポーツカーでありながら普段使いにも十分応える実用性、扱いやすさを備えていて、真の意味でデイリーユースできる。しかも、見た目はどれもアイデンティティが濃厚というところに惚れ込んでいます。

もちろんパナメーラ スポーツツーリスモも例外ではありません。ポルシェらしいフロントマスク、ロー&ワイドのスポーツカーシルエットを持ちながら何と最大1384Lの荷室を備えています。しかも最大5名乗車が可能な一方で、走りはまさにスポーツカー。

速さは選ぶパワートレインによって異なりますが、車との一体感、走りの充足感はどれも共通。これがポルシェは本当に優れているんです。

私はe-Bikeでツーリングを楽しむために、遠方まで車で出かけるなんてことも多いのですが、そんなときでも道中の走りが退屈な車は、絶対に選びません。その点、パナメーラ スポーツツーリスモは間違いなく完璧な選択になります。

私なら「E-Hybrid」を選んで、e-Bikeはヒッチキャリアでも取り付けて外積みに。そして室内でバッテリーを充電します。荷室にはウェアやヘルメット、それとキャンプグッズでも積んでおいて。

目的地に着いてからはもちろん、行き帰りも大満足の休日が送れるでしょうし、普段の単なる移動だって心弾むものになること、間違いありません!

モータージャーナリスト
島下泰久
自動車評論家として独立してほぼ四半世紀。業界きってのポルシェツウで、レースも嗜み走りには一家言アリ! 注目の車を試乗レポートするYouTube動画「RIDE NOW」も好調。

 

髙村将司=文

# ポルシェ#
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